2018.09.26

【スカサカ!ライブ】日本はコンビニ!? ストライカー育成に必要なものとは

サッカー総合情報サイト

「激論~GEKIRON~」のコーナーでは、「日本代表がW杯でベスト8入りするために ~FWを語る~」と銘打ち、番組MCの岩政大樹(東京ユナイテッドFC)がゲストの川勝良一氏、松原良香氏とともに、ストライカーを育成するためには何が必要なのかを語り合った。

 日本は本格派のストライカーが生まれにくいという課題を抱えている。川勝氏は「日本人は組織力で他人と合わせるのは向いているけど、自分で突破するのは向いていない。育成年代を見ていても“中盤型”の選手が非常に多い」と語り、様々な役割をこなす中盤の選手が多く生まれる現状を「何でもそろうコンビニっぽい」と表現。「でも、こだわりがあったら、例えばコンビニで化粧品は買わないでしょ? 時間があったら専門店に行くでしょ?」と問いかけ、「シュートを打つことにしか興味がない選手にもっと出てきてほしい。その意味で“空気を読まない選手”が必要」と語った。

 例えば育成年代で「シュートを打つことにしか興味がない選手」がいた場合、どのように指導すればいいのか。岩政がこの点について問いかけると、川勝氏は東京ヴェルディ時代に指導した中島翔哉(現ポルティモネンセ)を例に挙げ、このように答えた。

「翔哉はシュート練習がものすごく好きで、きつい2部練習やった後でも、ボールを10個ぐらい人工芝グラウンドに持って行って、一人でシュート練習をしていた。シュートを打つのが楽しいし、ネットを揺らすのが楽しい選手なんですよ。そういう選手に対しては、邪魔しないのが一番いいコーチング。たくさん教えると“コンビニタイプ”になってしまう。熱心なコーチはいろいろなことを伝えるけど、それは全部抜けていくし、(選手側に)興味はないと思う。できるだけ邪魔をせず、ボールを渡すだけとか、20分~30分でやめるように伝えるとか、そのぐらいにしておいて、好きにやってもらうほうがいい。言い過ぎてしまう日本人の真面目さが逆に邪魔をすることになります」

 一方、松原氏は「W杯の得点王はベスト8以上のチームから出る傾向が強い」というデータを提示するとともに、「日本は(初出場した)1998年フランス大会から2014年ブラジル大会まで、1試合の平均得点が0.82しかないんです」と語り、得点力不足を指摘(2018年ロシア大会を含めると21試合20得点で1試合平均0.95点)。さらに自身がクロアチアやスイスでプレーした際の経験を踏まえ、「日本でFWをやっていても、海外のクラブではウイングやトップ下に変えられてしまう」と紹介。「岡崎慎司や大迫勇也も所属チームではウイングやトップ下でもプレーするけど、代表チームになると点を取ることが求められる。そこを理解した上で育成の指導者は考えなければならない」と語った。

 川勝氏は“ストライカーのメンタルを備えた日本人FW”の実例として、大黒将志(現栃木SC)の名前を挙げ、そのプレーぶりについて次のように紹介した。

「相手に守備ラインを上げられて中盤まで戻されても、自分たちのボールがどこにあっても関係なく、体が常にゴール側に向いている。相手ゴールから一番遠いところにボールがあっても、陸上のスタートダッシュを切る人みたいにゴールを向いている。近い位置にボールがあればスルーパスをもらうために体の向きを変えるのはあるけど、常に『自分のところにボールが来るものだ』と考えて準備をしている。日本人では見たことがないし、ものすごく新鮮だった」

 また、川勝氏は大黒のような動きができるストライカーが出現することで、他のポジションの選手も成長できると指摘した。

「リヴァプールのモハメド・サラーやサディオ・マネもそうだけど、素早く前を向いて走る選手がいると、後ろから蹴る選手はボールを20~30メートル飛ばさなければならない。そうすると後ろの選手のテクニックも上がってくる。その相乗効果は絶対にあります。そこを(FWと中盤以降の選手が)向かい合ってプレーしようとするから中盤主導のサッカーになり、点が入らなくて、サッカー好きじゃない人をスタジアムに連れて行っても『点が入らないでしょ』と言われてしまう。確かに元々、点が入りにくいスポーツだけど、Jリーグで得点のにおいが少なすぎるのは、ストライカーのポジショニングやメンタルがものすごく影響していると思います」

 ここで、番組視聴者からツイッターで「ストライカーの専門コーチは必要ですか?」という質問が寄せられた。これに対し川勝氏は「本当に勉強している人か、世界的な人を呼ぶと刺激になる」と回答した。

「今の子供はUEFAチャンピオンズリーグなどを見ているので、中途半端なことを言っても排除してしまう。子供が生意気なんじゃなくて、伝える側の技量や情報量、情熱が足りないから。自分の知識だけで久保建英(現横浜F・マリノス)にいろいろ教えたとしてもあまり響かないでしょう。それは久保が悪いのではなく、指導者側の問題。ストライカーのエリートを作るんだったら、それだけのキャリアを持ち、相当刺激になる人間を連れてこないといけない。例えば哲学的な言葉を伝えるのでもいい。子供たちがその言葉を初めて聞いて、寝る前に思い出すような一言、単語を与えられるんだったらいいと思います」

 毎週金曜日21時から放送されている『スカサカ!ライブ』。次回は9月28日(金)21時からの放送で、天皇杯ラウンド16のレビューやバイエルン特集、Jリーグ特集などをお届けする予定。岩政がプロデュースするインタビューコーナー「今まさに聞く」では、北海道コンサドーレ札幌のチャナティップにインタビューしている。

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