サッカーをよく知る人物たちが独自の目線でUEFAチャンピオンズリーグを語る「We are UCL fans!!」。昨季限りで現役を引退し、FC東京のクラブコミュニケーターに就任した石川直宏が、印象に残ったミドルシュートについて解説した。
石川はCLの注目選手としてリオネル・メッシ、ネイマール、クリスティアーノ・ロナウドの名前を挙げ、「(実力が)抜けているかな。彼らを生かすために周りも動くし、それだけの存在感もあるし。後は僕が説明するまでもなく、というスタイルだと思うんですけど」とその理由を語った。
石川が最初に注目したのは、その中の一人、C・ロナウドのミドルシュート。グループステージ第6節ドルトムント戦の12分にゴールを決めたシーンだ。
「これヤバイっす。ヤバイしか出てこないですよね(笑)。日本人でこれ打てるようになったら、日本のサッカー変わりますね」と衝撃の大きさを語った石川。プレーについてはこのように解説した。
「自分のシュートを打てる位置にしっかりステップバックしているんですよね。1回(相手を)見ておいて距離を空けて、シュートもなんですけど、自分の打ちたい場所にボールを(置く)、スペースを自分で作るということと、あとシュートの技術なんですけど、打った後に軸足が浮いているんですよ。このまま巻いたシュートを打つ時に、軸足を残して打つと曲がるんですけど、力があまり伝わらない。これ(軸足を浮かせる)だと、より体のパワーが伝わるというのがあるんですけど…伝わり過ぎてるな、これ(笑)」
続いてはユヴェントスのFWフェデリコ・ベルナルデスキがグループステージ第6節オリンピアコス戦の90分に決めたゴール。石川はベルナルデスキがパスを受ける際の動きと、フィニッシュ時の視線に注目した。
「ここで(右サイド)ボールを持った時点で意識はゴールですよね。このラインの駆け引きなんですよね。けっこうライン(相手の最終ライン)が高いので、ここで我慢して我慢して足元で受けるんです。僕だったらもう少しスペースのある所で受けたくなってスピードを上げたくなっちゃうんですけど、ここで敢えて足元に止めて、仕掛けてシュートまで持っていく」
「シュートを打つ瞬間はゴールを見ていない。イメージなんですよね。ここでもうボールしか見ていないですからね。イメージで、この角度でここに打てばここに入るっていうイメージだと思います」
最後はシャフタールMFベルナルジがグループステージ第6節マンチェスター・C戦の26分に決めたゴール。トラップミスをしながらその後リカバリーし、コースを狙ってカーブをかけたボールで決めたシュートだ。
「してやったりでしょうね、これは。教科書通りといったらあれですけど、トラップが少しずれて、その間にサイドバックが裏に走って、コースが空いて。こういうミスをミスじゃなくすること、そのレベルが高いですよね。だいたいミスしたらミスしたで、このトラップでも(普通は)シュート打つ位置から外れるんですけど、逆にそれを利用してゴールにつなげることができちゃうっていう能力の高さと駆け引きですね」
石川は最後に、CLの魅力についてこのように語った。
「最高峰のレベルで、これだけの注目度もあるし、試合に勝つことでクラブにもたらす価値もあるし、いろいろな国の選手たちがCLのタイトルを目指して戦っているという。成長度も先の先を行くし、想像の先を行っている、そういうものを見させてくれる試合が多いと思いますね」
2月16日(金)21時から放送の『スカサカ!ライブ』では、UEFAチャンピオンズリーグ決勝ラウンドのプレビューや、2018 Jリーグキックオフカンファレンスレポートなどを放送する予定となっている。
By サッカーキング編集部
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