2016.04.03

夢を諦めない被災地の子供たちへ、今年で4回目のバイエルンセレクション開催

サッカー総合情報サイト

 4月2日宮城県利府町にある宮城県サッカー場で、FCバイエルン・ミュンヘン ワールドユースカップの日本セレクションが開催された。

 今大会はバイエルン・ミュンヘンのスポンサー「インリー・グリーン・エナジー」が主催。東日本大震災にて大きな被害を受けた宮城、岩手、福島の3県に在住の14~16歳の子供たちを対象に行われた。最大の特徴は自選、他選問わず、誰でもチャレンジ出来る点。積極的に声出しをしたり、一発勝負でスカウトの目に止まればドイツに行くことができる。まさに被災地の子供たちに「夢をあきらめない」を伝えるイベントになっている。

 特別ゲストとして、南相馬市で活動する小中学生のマーチングバンド「Seed+(シーズプラス)」も応援に駆け付け、オープニングセレモニーとハーフタイムに演奏を披露した。震災後、原発事故の影響などもあり、一時は全国各地へ離散。そんな中「仲間ともう一度、マーチングバンド全国大会に出たい」という夢を諦めず音楽を続ける子供たちの演奏で、セレクションを受ける選手の後押しをした。また、セレクション中も手作りの応援ボードを持って声援を送り選手を鼓舞した。

 今回選抜された10名は、世界最高峰のブンデスリーガを観戦する機会を与えられ、その翌日にバイエルン・ミュンヘンの本拠地“アリアンツ・アレーナ”で行われる、ワールドファイナルに出場。トップチームが実際にプレーしたピッチで、自分たちも試合をすることができる。スカウトも視察に訪れ、正式にバイエルン・ミュンヘンのトライアウトを受けるチャンスもある。


昨年のユースカップの様子

◆FC Bayern Munich Head coach international Program Sebastian Dremmler氏 コメント

今回で4回目開催となりましたが、毎回多くの方に参加して頂き感謝しています。今大会は8カ国の選手とアリアンツ・アレーナで戦える貴重なチャンスです。子供たちに希望を与える意味も強いですが、他国の選手との交流も大きな趣旨の1つとしています。普段関わる事の少ない、異国の選手とコミュニケーションを取る事で、サッカー以外の部分でも得る事の多い大会だと考えています。

◆主催者インリーグリーンエナジー ジャパン 船越直樹氏 コメント

弊社としては、被災地復興に貢献したいという気持ちが強く、バイエルンミュンヘンと協力し、子供たちに世界に挑戦する機会を与えたいという気持ちで開催させて頂いております。 また、震災で大きな影響を受けた地域から選抜し、チャンスの場を提供する事で、日本全体を元気付けるような事が出来たらと考え、毎年東北で開催しています。こういった機会は中々ないと思いますので、子供たちには繋げて行って欲しいと思います。

◆セレクション通過者インタビュー
<千葉 銀次郎 宮城県塩釜FC(昨年に続き二度目)>
――今日の感想をお願いします。
去年に続いて合格出来たのは嬉しいです。ただ、一緒に参加した二人の仲間と一緒に通過出来なかったので複雑な気持ちもあります。
――去年の結果を踏まえて(6カ国中6位)、今年の本戦の意気込みをお願いします。
正直去年は何も出来ず、とても悔しい思いをしました。その悔しい思いを胸にこの一年間練習してきたので、今年は借りを返すつもりでチャレンジしていきたいです。去年のメンバー、通過出来なかった友達の為にも自分がドリブルでぶっちぎりたいと思います。

<河田 竜之介 福島県相馬市立向陽中学校>
――今日の感想をお願いします。
とにかく嬉しいです。このセレクションを紹介してくれた、顧問の先生、後押ししてくれた仲間達にはとても感謝しています。がむしゃらに声を出し続けて本当に良かったです。

――同じ福島県Seeds+の演奏はどうでしたか?
自分もトランペットの経験があるので、小さい子がいるのに音がしっかり出ていて驚きました。

――声援は聞こえましたか?
普段、応援をしてもらえる環境で試合をすることがないので、嬉しかったし、やる気が出ました。

――ドイツでの本戦に向けて意気込みをお願いします。
外国の選手に対して、自分の強みがどこまで通用するか挑戦したいです。東北の代表として、責任感を持っていきたいと思っています。

この日本セレクションは全国から集まった40名以上のボランティアスタッフの存在が欠かせない。緊張する選手の心をほぐし、サポートしている。

◆救護ボランティア・赤坂勇星(大阪から参加)
――今日の感想をお願いします。
震災から5年経っても、海外のクラブや企業が子供たちの為に支援をしてくれている事は本当に素晴らしい事だと思いました。参加者だけでなく、子供たちの為にボランティアも多く集まり、改めてサッカーの力の大きさを感じました。

◆運営ボランティア・岡島智哉(東京から参加)
――今日の感想をお願いします。
子供たちの「ドイツへ行きたい」、「世界に挑戦してみたい」という気持ちがひしひしと伝わって来て、とても有意義なイベントだと思いました。自分は今まで福岡に住んでいたので、中々被災地まで足を運ぶ事が出来ませんでした。 ただ、この4月から東京に引っ越して、やっと被災地に足を運べる距離になったので、今後も継続して参加したいと思います。

◆運営ボランティア・統括責任者ちょんまげ隊長ツンさん(千葉から参加)

僕ら震災の直後から東北支援を続けるなかで、このセレクションのお手伝いを第一回からしてます。開会式で参加選手に3つのことを伝えました。
1ドイツのチームが、中国の企業が東北のために継続してくれている事
2このセレクションはトレセンも、強豪校も関係なく自薦で参加出来ます。夢をつかみましょう
3今日のゲストseeds+も原発事故が起こるなら、原発から25kmの原町で頑張っています。全国大会にもう一度でるという夢をあきらめず、今年も出場できました。その演奏を聞いて自らを鼓舞して、可能性を信じてプレイしてください

※南相馬のマーチングバンドseeds+のドキュメンタリー映画MARCHについて
https://www.soccer-king.jp/sk_blog/article/404651.html

震災から5年が経った今でも、世界のビッグクラブや企業が東北の子ども達を支援し、チャンスの場を提供し、支援を継続してくれている事はとても意味のある事だと思う。誰でも応募可能で、世界に挑戦するチャンスが与えられる。まさに「夢をあきらめない」を伝えるイベントで、東北の子供たちの為にも是非続けて行って欲しいと思う。

Writing:Kei Osawa Photo:Smile for Nippon

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