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新たな友情が芽生えた、小さな小さな国際大会『バリカップ2015 ~OYAKO~』

決勝を戦った釜山アイパークU-12と帝人SS、最後は記念撮影を行った [写真]=新井賢一

文=奥田明知

 8月26日(水)~27日(木)の2日間、愛媛県今治市の桜井海浜公園ふれあい広場・サッカー場にて、『バリカップ2015 ~OYAKO~ supported by ユアサM&B株式会社』が開催された(U-12の部)。この大会は過去23回に行われてきた『今腰FC招待』を前身とし、2013年、2014年に「FC今治招待 矢野敏宜杯」と名称変更。今年から『バリカップ2015 ~OYAKO~ supported by ユアサM&B株式会社』となった少年サッカー大会で、今年は初めての試みとして中国と韓国のチームを招待する国際大会にリニューアルされた。

 大会は台風一過の広く晴れ渡った空のもと、FC今治の岡田武史オーナーが見守るなか、初日は、出場12チームが3チームずつの4グループに分かれて対戦。どのチームも日頃の練習の成果を出すべく、懸命にボールを追い掛け、必死にゴールを目指した。中でも目を引いたのは、韓国Kリーグの釜山アイパークU-12。優れたテクニックと恵まれた体格を生かして相手を圧倒。予選2試合で9ゴールを奪うなど、攻撃力の高さを発揮した。また、地元期待のFC今治Aもしっかりとボールをつなぎながらゲームを支配するサッカーでAグループを1位突破、選手それぞれが能力の高さやセンスの良さを見せつけた。

 迎えた2日目、その2チームが決勝トーナメント1回戦で激突。試合開始から主導権を握ったのは体格で上回る釜山アイパークU-12。個人能力の高さを生かして次々とFC今治Aを押し込み、立て続けにゴールネットを揺らす。FC今治Aも細かくつなぎながら突破口を探るも、なかなかペースをつかむことができない。後半、1ゴールを奪って意地を見せたが、反撃は及ばず。4-1で敗れ、決勝戦への道は閉ざされてしまった。

 その釜山アイパークと決勝で対戦したのは、過去に9回の全国大会出場経験を誇る帝人SS。予選リーグ2試合で、釜山同様、9ゴールをマークするなど、攻撃力で勝ち上がってきた好チーム。自ずと「決勝はアグレッシブな好ゲームになるのでは?」という期待感が高まった。ところが、開始直後から釜山アイパークU-12ペース。2分と5分にゴールを奪うと一気に波に乗る。しかしその後は帝人SSも持ち味を発揮し始め、アグレッシブな守備で失点を許さず、攻撃では鋭いカウンターで反撃のチャンスをうかがった。

 2-0で迎えた後半は、釜山アイパークU-12がメンバーを入れ替えたことで帝人SSが盛り返す。開始直後、右CKからのヘディングシュートが決まって1点差に詰め寄ると、その3分後にはエリア内の巧みなターンから同点ゴールが決まる。その後も鋭いカウンター攻撃から何度か釜山ゴールに迫ったがスコアは動かず。逆に疲労で帝人SSの足が止まった終了間際に2点を奪った釜山アイパークU-12が4-2で勝利。『バリカップ2015 ~OYAKO~』のタイトルを手にした。

 試合後、帝人SSを率いる石田達也監督は「チームのために一人ひとりが全力で頑張るといういつも話していることはある程度はできていたと思います。でも、まだまだできていない部分や課題もあったと思うので、今回の大会の経験から子供たちが“何か”を感じ取ってほしいですし、それを今後につなげてあげたいです」とコメント。自身が「思い入れがあるメンバー」と語るチームで、10回目の全国大会出場を目指す石田監督の目には、子供たちの成長と、チームの今後の課題がはっきりと見えたようだった。

 釜山アイパークU-12の優勝で幕を下ろした『バリカップ2015 ~OYAKO~ supported by ユアサM&B株式会社』。国際大会とはいえ、規模はその言葉には及ばない、小さな小さな大会だったが、試合そのものはどれも白熱し、スタンドから声援を送る親御さんたちを熱くさせていた。そして何より出場した選手一人ひとりの笑顔と全力、そして新たな友情が芽生えたという点で言えば、国際大会として立派な役割を果たしたに違いない。

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