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「NIKE CHANCE」関西ラウンドで履正社高校FW瀧本がグローバルセレクションの出場権を獲得!

2014.01.28

「NIKE CHANCE グローバルセレクション」への出場権を懸け、熱い戦いが繰り広げられた

 ナイキが誇る世界規模のスカウトプロジェクト「NIKE CHANCE」の関西ラウンドが1月25日に大阪で行われ、履正社高校のFW瀧本高志がハイレベルな競争を制して、たった1名のみに与えられるグローバルセレクションへの出場権を獲得した。

「NIKE CHANCE」は現在プロチームに所属していない才能ある若者を支援するために考案され、プロ選手になるという夢を後押しするプロジェクト。2010年の開始以来、何千名もの才能豊かなフットボーラーにエリートトレーニングを体験する機会を与え、うち19名(2013年9月末時点)はその夢を現実のものとした。トム・ロジック(セルティックFC、オーストラリア代表)、ディヴィッド・ティティ・アッカム(ヘルシンボリIF)らが、「NIKE CHANCE」から巣立ったプレーヤーとして知られている。

 今回、大阪で開催された関西ラウンドでは一次から三次まで段階的に審査が行われ、一次審査には66名のプレーヤーが参加。受付開始の1時間以上前からピッチでウォーミングアップに励む姿も見られるなど、選手たちは高いモチベーションで審査に挑んだ。参加者を審査したのは、名良橋晃氏、中西永輔氏(ともに元日本代表)、長谷川祥之氏(鹿島アントラーズ強化部)、宮崎義正氏(浦和レッズ強化部)、リー・マンソン氏、櫛山匠氏(ともにNIKE FCコーチ)といった豪華な面々。

 一次審査で行われたメニューは6つ。まず「対面パス」を10分ほど行った後、「ランウィズザボール」をテスト。ボールコントロールなどの技術面を審査していく。次に「ポゼッション 2対2+2」を実施。およそ8メートル四方のボックス内で2対2を行い、ボールを保持するチームはボックスの外にいる仲間2人を使って4人でボールポゼッションする。ここでは基礎技術に加え、状況判断力や動きの質、守備の対応などがチェックされた。その後は、決められたエリア内での「1対1」と「2対2」。審査員にアピールするため「1対1」ではエラシコやヒールリフトといった高度なスキルを披露するプレーヤーも見られた。最後のメニューは、GKも加わり「5対5」でのミニゲーム。各プレーヤーが積極的にシュートを狙っていくなど、見応えある攻防が繰り広げられた。

 約2時間掛けて一次審査の全メニューを消化。審査員が約45分間協議したのち、ヘッドスカウトを務める名良橋氏の口から二次審査に進むプレーヤー30名が発表された。この30名に加えて、2013年12月に行った「予備セレクション」を通過したプレーヤー12名が二次審査から参加。この12名の中に、先の全国高校サッカー選手権大会で得点王に輝いた神戸弘陵高校のFW長谷川覚之の名前も見られるなど、二次審査もハイレベルな戦いとなった。

 二次審査ではまず、ウォーミングアップも兼ねて「4対1」を行う。ボールを回す4人はダイレクトプレーのみに制限され、瞬時の判断力と確かな技術が必要とされる。次は20メートル走による「SPARQ TEST」。これは最新機器を用いてのフィジカルテストで、アスリートに必要とされる、スピード、パワー、アジリティ(俊敏性)、リアクション(反応)、クイックネスを数値化し、各選手の数値を世界基準の数値と照らし合わせることができるというもの。その後は「3対2」、「8対8」といった実戦形式のメニューを消化して二次審査は終了したが、やはり長谷川の存在感は際立っていた。キレのあるドリブルと正確なキックを武器に決定的なプレーを連発。審査員の中西氏も「頭一つ抜けた存在」と太鼓判を押していた。

 42名のうち三次審査へと進む24名が発表され、いよいよ最後の審査となる11対11のゲームを行う。時刻は15時過ぎ。一次審査から参加しているプレーヤーは、休息を取っていたとはいえ、6時間以上もピッチに立ち続けていたことになる。さすがに疲労の色は隠せなかったが、目の前にあるチャンスをつかむため、決意と覚悟を持ってピッチに入っていく。

 25分ハーフで行われた試合は7-3で終了。長谷川を擁したチームが敗れ、長谷川自身もインパクトを残せずピッチを後にした。代わって強烈な輝きを放ったのは、ハットトリックを達成した履正社高校の2年生FW瀧本高志。抜群のスピードと正確なフィニッシュワーク、それに味方への絶妙なアシストなど大車輪の活躍を見せた。この圧巻のパフォーマンスにより、審査員は満場一致で瀧本を関西ラウンド代表に選出した。

 選出理由について名良橋氏は、「やはり試合で強烈なインパクトを残したことが決め手になった。点が取れるし、周りも生かせる。ポテンシャルは高い」と賛辞を送った。

 瀧本は「まさか選ばれるとは思っていなかったのでビックリしています」と興奮を隠せない様子。続けて「みんなの分もしっかりと頑張ってきたい。自分の武器はスピードとドリブル。世界の舞台でも自分の良さをどんどん出して、いい結果につなげたい」と意気込みを語った。

 3月に行われる「NIKE CHANCE グローバルセレクション」への出場権を得た瀧本。世界中から才能のあるフットボーラーが集結するこのセレクションを突破すると、THE FA(イングランドフットボール協会)の本拠地セント・ジョージズ・パークを拠点とするナイキアカデミーに参加する権利が得られる。チャンスをモノにして、世界へのトビラを開いた瀧本だが、本当の戦いはここから始まる。

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