専修大が関東大学1部リーグ3連覇を達成 [写真]=内藤悠史
関東大学1部リーグ最終節が23、24日に各地で行われ、最終順位が確定した。
味の素フィールド西が丘では、24日の第1試合で11位の日本体育大学(勝ち点21)と7位の中央大学(同28)が対戦。23日の結果を受け、日本体育大は勝たなければ2部降格が決まる状況に。一方の中央大も、勝利を収めなければインカレ(平成25年度 第62回全日本大学サッカー選手権大会/12月14日開幕)出場圏内に入れず、プレーオフへ回ることとなる。目標が異なるとはいえ、勝ち点3が絶対に必要な両チームの一戦は、熱く濃密な90分間となった。
中央大は、60分に投入されたFW皆川佑介(サンフレッチェ広島新加入内定)が前線で起点となり、サイドを広く使った攻撃でチャンスを演出。66分にはFW砂川優太郎からのクロスボールに反応した皆川がヘディングシュートを放ったが、日本体育大GK大野将弥に阻まれた。対する日本体育大は、残り15分時点からパワープレーを敢行。長身選手を前線に並べ、ロングボールを多用して前方への圧力を強めていった。両チームの応援団が熱気に満ちた大声援を送り続けたこともあり、さながら決勝戦のような、異様な雰囲気の中で試合が展開された。選手たちは高い集中力と勝利への執念を見せ続けたが、最後まで均衡は破られることなく、試合はスコアレスドローで終了。日本体育大の2部降格、中央大のインカレプレーオフ行きが決定した。
試合後、中央大の白須真介監督は、「ゴールをこじ開けられなかった。勝たないといけない状況の相手が、体を張ったプレーを見せていたが、そこをこじ開けていかないと強くなっていかない」と、試合を振り返った。終盤6試合を未勝利で終えたことについては、「勝てない試合をしたというよりも、勝てる試合で勝ち切れなかった。みすみす勝てるチャンスを逃した。そういうところで勝ち切るチームにしていけば、優勝争いもできる」と、コメントし、「(インカレではプレーオフからの出場となり)一番下から這い上がるしかない。勝ち切れなかったリーグの終盤の分まで、一戦一戦を大事にしていければ。トーナメント戦は、勢いをつけたチームが勝つと思う」と、今後を見据えた。
第2試合では、既に優勝を決めている専修大学(勝ち点48)と、2位の早稲田大学(同36)が対戦。39分、専修大がカウンターから先制点を奪う。ペナルティーエリア左側でボールを持ったFW仲川輝人が、オーバーラップしたDF小口大貴へスルーパスを通すと、小口は中央へグラウンダーのパスを供給。走り込んでいたMF北出雄星がゴールへ流し込んだ。最終節で意地を見せたい早稲田大も、後半にGKと一対一となるチャンスを作り出したものの、最後まで1点を奪えず。試合は1-0で終了し、専修大が完封勝利でリーグ戦を締めくくった。
専修大と早稲田大は共に、インカレへ出場決定。主将としてチームをけん引した専修大MF長澤和輝(横浜F・マリノス特別指定選手)は、「できることをできる限りやって、もっと良い形で(開幕を)迎えられるように」と、今後を展望し、得点王を獲得した専修大FW仲川は「タイトルへの意識は強い。去年は(準々決勝で)PK戦で負けてしまったので、90分、(延長戦を含めた)120分間で決着をつけたい」と、抱負を語った。前年度王者としてインカレに臨む早稲田大MF池西希は、「ディフェンディングチャンピオンという立場だが、優勝したのは去年のチーム。まだまだ弱いので、気持ちを込めて明日から練習して、もっと強くなれるように」と、今シーズン最後の大会へ意欲を示した。
関東大学1部リーグの最終順位表は以下のとおり(◎はインカレ出場権獲得、☆はインカレ出場を懸けたプレーオフへ進出、●は2部リーグ降格)。なお、来シーズンは、2部リーグ優勝の東京国際大学と同2位の駒澤大学が、1部へ昇格する。
◎1位:専修大学(勝ち点51/得失点差+30)
◎2位:早稲田大学(勝ち点36/得失点差+3)
◎3位:明治大学(勝ち点34/得失点差+7)
◎4位:国士舘大学(勝ち点34/得失点差+4)
◎5位:流通経済大学(勝ち点32/得失点差-2)
◎6位:筑波大学(勝ち点30/得失点差+6)
☆7位:中央大学(勝ち点29/得失点差+8)
8位:順天堂大学(勝ち点27/得失点差+7)
9位:桐蔭横浜大学(勝ち点27/得失点差-15)
10位:慶應義塾大学(勝ち点23/得失点差-22)
●11位:日本体育大学(勝ち点22/得失点差-9)
●12位:東洋大学(勝ち点19/得失点差-17)
文=内藤悠史