FOLLOW US

小学生年代で明らかになる世界との差…バルセロナの優勝が残したもの

強さを見せつけ、大会を制したバルセロナ [写真]=瀬藤尚美

 Jリーグの下部組織などが海外クラブと対戦する『U-12 ジュニアサッカーワールドチャレンジ 2013』の大会最終日が、30日に行われた。最終的には6戦6勝30得点1失点と、力を見せてバルセロナが大会を制した。

「全体的に試合内容は良かった。修正するところがあるとすれば、ボールポゼッションとプレッシャーの部分」

 この言葉を発したのは、MVPに輝いたバルセロナのDFエリック・ガルシア君。バルセロナの試合を見た人からすれば、「ボールポゼッションとプレッシャーの部分を修正する必要があるのか」と思うはず。それほど今大会のバルセロナは攻守両面で他チームを圧倒し、自らのフィロソフィーをピッチ上で示した。ただし、選手やスタッフからすると“まだまだ”といった感触のようだ。8月末はスペインのチームにとってはバカンスを終え、今シーズンに向けた“準備期間”。確かにマルセル・サンス監督は繰り返し、「新シーズンに向けた準備。チームは少しずつ良くなっている」と話していた。

 圧倒されたチームからすれば受け入れ難い事実だが、今大会のバルセロナは、昨シーズンから大幅にメンバーを入れ替えたばかりということだ。では、何が今大会出場したJリーグ下部組織と異なるのか。細かく挙げると数多くあると思うが、ここでは2つ挙げたい。

 まずはインサイドキックのスピード。これはパススピードとも言い換えられる。GKからセンターバックにパスが入り、サイドバックやボランチにパスをつなぐサッカーはバルセロナ以外もやっていたが、バルセロナが相手だとプレッシャーが早いために再び後方に戻す場面が目立っていた。対してバルセロナの選手たちは、インサイドキックで非常に強いボールを蹴ることができるため、詰まってしまって後方に戻すことは少なかった。速いパスがすべて良い訳ではない。時には遅いパスを送り、相手を食いつかせて次に展開することもサッカーでは重要だ。バルセロナの選手たちはその両方を駆使し、相手守備陣を崩していた。

 次に判断スピード。ボールを持った選手が多くのパスコースから一瞬でベストの選択肢を選び、次のプレーにつなげていくことがバルセロナの選手は他チームよりも優れていた。味方がどこにいて、相手がどこにいるのか、彼らはボールをもらう前から首を振っていた印象が強い。バルセロナの選手の判断スピードが速い理由の一つに、実戦での経験値の差がある。サンス監督が閉会式後に「我々は毎週末にリーグ戦がある」と話したとおり、勝ち点が懸かった毎週末のリーグ戦を経験するとしないとでは判断スピードにも差が出てくるのだろう。

 パススピードをバルセロナと同じにすれば、判断スピードをバルセロナと同じにすれば、というわけではない。速いパスを正確にコントロールするトラップ技術も必要だし、判断スピードを生かすための周囲との連係も必要だ。また、見本になるレベルの高いサッカーが身近にあるというのもレベルアップには必要不可欠だ。

 最後に今大会、日本の少年たちは世界との差を体感したはず。

「いつものパス、ドリブルが通用しない」

 一昔前には高校生年代で初めて世界との差を感じることが多かったが、小学生の段階で今大会のような“差”を感じることは貴重な経験だ。この経験を明日から生かし、将来にどうつなげていくのか。バルセロナが日本で残した衝撃は、少なからず日本のレベルアップにつながるはずだ。そう信じたい。

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

RANKING今、読まれている記事

  • Daily

  • Weekly

  • Monthly

LIVE DATA