2013.01.03

[高校サッカー選手権2回戦 立正大淞南-八千代]エースの不在を感じさせず、立正大淞南が7発の圧勝劇

立正大淞南
2回戦屈指の好カードは立正大淞南の圧勝に終わった [写真]=足立雅史

2013年1月2日(水)/12:05キックオフ/千葉県・フクダ電子アリーナ/観客9829人/試合時間80分

立正大淞南 7(3-0、4-1)1 八千代
<得点者>
(立正大淞南)
前半19分 浦田
前半21分 田路
前半29分 甲斐
後半9分 坂口
後半20分 坂口
後半23分 坂口
後半25分 甲斐

(八千代)
後半13分 附木

 アグレッシブに仕掛けた八千代だったが、前半19分の(16)浦田の先制点により、一気に流れを立正大淞南がつかんだ。攻撃面だけでなく、運動量、寄せの早さ、球際の強さでも八千代を上回り、前半だけ3-0と大量リード。後半にも(11)坂口のハットトリックなどで7ゴールを奪い完勝を収める。八千代は持ち味を発揮し切れず、後半13分に(4)附木が1点を返すのみに終わった。

◆エースの不在を感じさせず、立正大淞南が7発の圧勝劇

 キックオフ直後、八千代は鋭いプレッシングでボールを奪い取り、そのままショートカウンターに転じた。フィニッシュまでは至らなかったが、その一連のプレーはこの試合への強い意気込み、アグレッシブな姿勢が十分に感じられるものだった。前半5分には(15)橋山滉也のクロスに、(4)附木雄也がニアサイドに飛び込み、前半17分にも(10)南直志が個人技で突破。シュートは力なくGKにキャッチされるも、八千代と立正大淞南の攻撃的なスタイルが正面からぶつかり合う好試合の気配が漂った。

 しかし、前半19分の立正大淞南の先制弾を機にその様相は大きく変化した。(16)浦田雅之が鮮やかなミドルシュートでゴールネットを揺らすと、前半21分には八千代のDFとGKの連携ミスを突き、(14)田路大樹が無人のゴールに突き刺して、瞬く間に2-0とした。

 このゴールで勢いに乗った立正大湘南は選手個々のスキル、コンビネーションを駆使し、分厚い攻撃で八千代を圧倒していく。前半29分には右CKから(5)甲斐健太郎の鮮やかなヘッドが決まり、点差を3点に広げた。

 八千代は立て続けの失点、特にミス絡みの2失点目が精神的に響いたのだろう。それまで見られていたアグレッシブな姿勢が一気に失せ、攻守両面で立正大淞南に凌駕(りょうが)される。その精神的ショックはプレー面に顕著に表れ、オン・ザ・ボールだけではなく、ボールがないときの動き、例えば出足の鋭さ、運動量、または球際の攻防など、あらゆる部分において立正大淞南が上回った。八千代が攻撃へ転じたとしても、クサビのパスが立正大淞南の1ボランチ(19)坂本佳央登の網にかかり、単発感はいなめない。伝統のパスサッカーに出るのか、それとも長身FWの(4)附木に長めのボールを当てるのか。思わぬ展開に八千代はチームとしてどう攻めるかが意思統一されていない感があった。

 後半9分、立正大淞南は(9)隅田竜太がドリブルで八千代のディフェンスラインを中央突破。混戦の中、こぼれ球を(11)坂口健太がニアサイドを射抜き、これで4-0となる。ただし、「切り替えてやろう」という豊島隆監督の指示もあって持ち直した八千代は、後半13分に(12)朝倉啓太のスルーパスから(4)附木が決めて3-1。フクダ電子アリーナは地元・八千代の反撃に沸き、盛り上がる。八千代もこの会場のムードに乗せられ、アグレッシブな仕掛けが再び見られるようになったのだが、それも束の間、後半20分、中盤でのボールの失い方が悪く、立正大淞南のショートカウンターから5点目を決められると、八千代の反撃ムードが鎮火(ちんか)した。

 南健司監督が「いい出来だった」と振り返ったように、この試合での立正大淞南のパフォーマンスは本当に素晴らしかった。後半23分の6点目は、3人目、4人目の動き出しと「あうん」とも呼べる寸分狂いないコンビネーションによって八千代の守備網を完全に切りさいた。後半25分のCKでも、ショートコーナーを使って完全に八千代の守備陣形を崩壊させ、(5)甲斐が7点目となる豪快なゴールを叩き込んだ。

 前評判の高かった2回戦屈指の好カードも、終わってみれば立正大淞南の圧勝。大会直前にはキャプテンで絶対的エースの(17)林大貴が戦線離脱というアクシデントに見舞われたが、代役を務めた(11)坂口がハットトリックという結果を残し、エースの不在を感じさせない圧巻のチーム力を誇示した。

◆試合後監督・選手コメント
立正大淞南・南健司監督
前の仕掛け速くて、うちが目指しているサッカーができて非常に満足している。林の代わりに出た坂口がハットトリックしてくれたので、チーム全体で戦えた感じがする。今日は出来過ぎというぐらいの内容だった。林がJリーグのクラブに練習参加しているときは坂口をスタメンで使っていたので、戦力的には変わらない。

立正大淞南・(14)田路大樹
林がいない分、みんなでやろうと思った。今日はいいプレーができたと思う。林がいないから迷っても仕方がない。すぐに切り替えていた。

八千代・豊島隆監督
選手がちょっと堅かったと思う。それでいろんなものが見えず、それが失点の原因となった。立ち上がりは自分たちがやりたいことができていたが、2点目、3点目を取られてから、慌ててしまった。

取材・文=鈴木潤(フリージャーナリスト)

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