2013.01.03

[高校サッカー選手権2回戦 旭川実-米子北]1回戦に続きPK勝ちの旭川実、過小評価できない、その堅守

旭川実
2試合連続でPK戦を制した旭川実がベスト16へ 写真=足立雅史

第91回全国高校サッカー選手権大会 1回戦 旭川実-米子北
2013年1月2日(水)/14:10キックオフ/千葉県・フクダ電子アリーナ/観客5794人/試合時間80分

旭川実 0(0-0、0-0、4PK2)0 米子北

米子北の鋭いカウンターに苦しめられた旭川実だが、県予選から通じて無失点の守備力でバイタルエリアを封鎖。前半37分には米子北の(23)小川暖が右ワイドから放ったミドルがポストに当たるなど強運にも助けられた。一方で旭川実の攻撃もほとんどアタッキングサードまで進出できず。終盤にボランチのキャプテン(10)奈良創平が得意の左足で狙うが、わずかにゴールをそれた。米子北も後方から攻め上がった(5)竹内修のクロスから、エースの(10)加藤潤也がシュートするも惜しくも決まらず。スコアレスドローで突入したPK戦は3人目を後攻の米子北(4)谷口智也、直後の4人目に旭川実(3)石井源が失敗したが、米子北の4番手(2)宇野大貴も外し、最後はキャプテンの(10)奈良が決めて旭川実が1回戦に続くPK戦で勝ち上がった。

◆1回戦に続きPK勝ちの旭川実、過小評価できない、その堅守

(本文)
 1回戦で大津に対して見せた旭川実の堅守は、鋭いカウンターを持ち味とする米子北にも厚い壁となった。「この試合も12人目にバーがいた」と富居徹雄監督は運に救われたことを認めるが、「そんなにいいシュートを打たれなかった」と最後まで厳しく相手のコースを消し続けた選手たちをねぎらった。

「面白くないサッカーを志向しないと、このレベルでは勝てない」と富居監督。その意識は最下位に終わった今年度のプレミアリーグで強く感じたことだというが、同時にそこでどうすれば全国トップレベルの相手に対抗できるかを培ったようだ。個人で勝てないなら局面ごとに数的優位をしっかり作って突破を許さず、バイタルエリアを突かれても最後まで体を寄せて自由にフィニッシュさせない。再三の好守備でチームを支えたGK(1)永井建次もDFラインとしっかり協力してこそ、最後の読みにつながることを強調する。また大津も米子北も強力ではあったが、プレミアリーグでさらに厳しい攻撃を経験している分、「準備がしやすかった」と語る。

 決してドン引きをして一発のロングボールに頼っているわけではなく、攻撃ではボランチの(10)奈良を起点に2列目がボールを運び、2トップがいい位置でラストパスを受けようとする意識は高い。結局、そこから決定的なチャンスにつなげられないことは1つの問題ではあるが、攻める姿勢を持ちながらボールを失ったら素早く組織を立て直して穴を空けない意識は、チームで徹底されている。「攻撃が好き」と語る(5)田中伸明も、基本的に中盤の高い位置を取りながら、守備に転じれば(10)奈良とともに中央のスペースを消し、サイドを狙われれば素早く寄せて相手の攻撃エリアを限定し、仲間と協力してボールを奪い返した。それにより、米子北のストロングポイントである左から攻撃、ドリブラーの(9)山口栄一に快速のSB(2)宇野が絡む形も封じることができたのだ。そして、最終的にはPK戦も想定して試合をしめくくれる割り切りも、彼らの強みではある。

「見ていてびっくりしました。立正大淞南はうまくて、いいチーム。優勝するぐらいのチーム」。7得点を奪って八千代に圧勝した次の対戦相手を富居監督はそのようにリスペクトするが、そういう強敵と戦ってこそ旭川実の守備力が生かされるともいえる。「とにかく失点しないことですね」と(1)永井。しっかり組織で守ることで立正大淞南の焦りを誘えば、旭川実の勝機も出てくるはずだ。

◆試合後コメント
旭川実・富居徹雄監督
前半1本、後半1本ぐらいで、そんなにいいシュートを打たれなかったのはよかった。全員で、できないことはしないということを守れたと思う。プレミアリーグで戦えて、守備の整理は僕も子供たちもできていたので。ただ今日の動きはよくなかったと思う。堅くなるチームでもないが、何か堅かった。(1試合目の)大津と米子北ではタイプが違うのでバランスを崩したのもあると思う。この試合も12人目にバーがいたと(笑)。PKになっちゃうと運だと思っている。ただ、インターハイでは流経大にPKで負けて悔しい思いをしたので、PKは個人的なものも含めてお前らが磨くものだよと伝えている。(次の相手の)立正大淞南はうまくて、いいチームを作られているなと思う。優勝するぐらいのチームだと思う。

旭川実・(5)田中伸明
流れからのチャンスを決められなかったけど、守備はしっかりやり切ることができた。具体的には、ワンツーをされないようにとか、最初に誰がマークにつくとか、シュートに対してコースを少しでも消すといったこと。(中盤の高めの位置にいたのは)自分は攻撃が好きなので、なるべく前に出て行きたいから。でも守備のときはしっかり下がって、体力的にはきつかったけど、奈良が上がったときは自分が守備をしていた。守備はプレミアリーグで強いチームとやっていろんな攻撃を経験できたので、それが大きいと思う。

旭川実・(1)永井建次
PKは止めるとヒーローになれるので、「PKを止めろ」というメールも来る。バーに救われたときは悔しかった。やっぱり自分で止めたいじゃないですか(笑)。でも80分で勝ちたい。PKだけでなく、ゲームの中でも決定機を止めることができた。相手の起点の選手の体の向きを見てポジションを修正している。点を取られないことを徹底するのは今年からやってきたことで、守りから入った方がチームの調子が上がっていくというのはある。

米子北・(7)竹中恭丞
ボランチの僕が前に出て行くとチャンスが生まれることは、チームでもいっていたことで、そういうチャンスもあったが、シュートを打っていけばよかった。旭川実を相手に0-0でPK戦まで行けたのは僕たちにとっても、試合に出た2年生にとても自信になったので、それを今後に生かしたい。全国大会でこういう相手とできるのは幸せ。勝てば強い相手とできて、また勝てばもっと強い相手とできる。いい大会だと思う。後輩には、努力は自分で判断するものじゃないので、満足することなく上を目指してやってほしいと伝えたい。

取材・文=河治良幸(フリーライター)

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