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“苦労人”の華麗な司令塔 富山第一MF大矢悠太郎、選手権をさらなる飛躍の大会に

2022.12.25

“トミイチ”で背番号10を背負う大矢悠太郎 [写真]=森田将義

 近年の富山第一は強固な守備からカウンターでゴールを目指す「5-3-2」のシステムが代名詞だったが、今年に入ってコーチから昇格した柳野年秀監督の下、「4-3-3」の新システムを導入。狙いについて、こう話す。

「去年は押し込んではいるけど、点が獲れない試合が多かった。(今年は)点を獲るためにシステムを変えた。攻撃の所で顔を出す所、スペースを使う所、ボールをテンポよく動かすとか常に意識している」

 新生・富山第一の鍵を握るのは、精度の高い左足のキックが光るMF大矢悠太郎(3年)。いとも簡単に相手を手玉にとる動きも魅力で、「バルセロナのセルヒオ・ブスケツフレンキー・デ・ヨングを参考に相手の身体の向きを見ながら、常に相手の逆や裏を突くプレーと言うのを意識している」と話す技巧派の司令塔だ。

 10番がよく似合う華麗なタイプだが、歩んできたキャリアは決して華麗ではない。中学に上がるタイミングで、カターレ富山U-15のセレクションに参加したが、落選。全国大会への出場経験が豊富な街クラブ「スクエア富山FC」への加入も考えたが、通うのが難しく砺波市立出町中学でのプレーを決断した。全国大会への出場は果たせなかったが、関係者の評価は高かった。3年時には隠れたタレントの発掘を目的とした「中体連・タウンクラブキャンプ」に選出されたが、「行った時にプレースピードが違って何もできなかった」と振り返る。

 高校入学後は左足キックと攻撃センスの高さを買われながら、守備が課題だと言われ続けた。課題を解消するため、「守備に対する意識やカゼミーロなどプロの上手い選手のプレーを見ながら、どういった工夫をしているのか考えてきた。予測や身体をぶつけるタイミング、足を出すタイミングを真似してきました」。初戦敗退で終わったインターハイ後は屈強な相手と対峙しても、当たり負けしないよう筋トレにも力を入れているという。

 成長は多くの人が認めている。夏休みに参加した福島県でのフェスティバルでは、Jのスカウトからも高く評価された。結果的に高卒でのプロ入りは叶わなかったが、大学経由でプロ入りする可能性は十分。本人も「将来の夢はプロサッカー選手。ブスケツに憧れていますが、ドリブルでも運べるブスケツとデ・ヨングを混ぜたような点が決められて、守備もできて、パスも捌けて、ボールも運べるみたいな完璧な選手になりたい」と口にする。

 選手権は夢を叶えるための一歩として、注目を集める格好の舞台だ。アンカーに入った夏まではとは違い、トップ下に上がった秋以降はより攻撃力を出しやすくなっているのも彼にとって好都合。「チームとして日本一という目標を掲げているので、達成できるように自分の長所を100%発揮したい。チームとしても個人としても飛躍したい」と活躍を誓う。

取材・文=森田将義

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