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静岡学園の攻撃力に敵将も脱帽…3試合連続弾の小山尚紀が見せつける“怖さ”

2020.01.04

準々決勝に進出した静岡学園(小山尚紀は中央14番) [写真]=小林渓太

 準々決勝までの3試合で静岡学園が奪ったゴールは、11ゴール。テクニカルな崩しが印象的なチームだが、それだけに留まらないのがゴールラッシュの理由だ。3回戦で対戦した今治東(愛媛)の谷謙吾監督は現役時代、ライバルの清水東でプレー。当時の静岡学園と比較し、「技術の高さは相変わらず。それに速さ、強さが備わっているから、そりゃ優勝候補ですよ。強かった」と脱帽していたのが印象的だった。

 3試合連続でゴールネットを揺らし続けるMF小山尚紀(3年)も、ただ上手いだけではない選手だ。4ゴールを奪い、得点ランキングの2位につける小山のストロングポイントについて、川口就監督はこう明かす。

「彼の良い所は、怖がらずに仕掛けられるところ。自分の技術を信じてゴールに向かっていく。それを怖がらずにできるのが良い方向に出ている。ミスしたくないからセーフティーな選択をしたり、取られないドリブルをしがちだけど、彼はゴールに向かって点を取るドリブルをしている」

静岡学園の小山尚紀 [写真]=瀬藤尚美

 本人も「自分は攻撃の選手なのでキープするドリブルよりも、ゴールに向かって点を取ることで評価される」と話す通り、ボールを持ったらゴールへの仕掛けを最優先するため、ボールロストも少なくない。今治東との3回戦終了後には、「得点でチームに貢献できたのは良かったのですが、試合を通して見るとあまり活躍できなかった。ドリブルで仕掛ける時にミスが出ていたので、改善したい」と反省を口にしていた。だが、どんな状況でもゴールを狙いに行く姿勢は、相手DFにとってこれほど怖い物はない。改めて凄みを感じたのは、今治東戦で2点目を奪った場面だ。左クロスのこぼれ球を高い位置で拾うと、相手とバランスを崩しながらも一人目のDFをかわして、PAに侵入。ここからはテクニックで一気に2人をかわし、左足シュートをゴール右隅に叩き込んだ。

 今でこそピッチで他との違いを見せつけているが、夏のインターハイ予選以降は出場機会が少なく、絶対的な存在とは言えなかった。だが、選手権予選でチャンスを掴むと、決勝ではハットトリックを達成し、5年ぶりの選手権出場に貢献した。

「予選でハットトリックできたのは自信になったし、確実に自分のレベルが上がっているという実感がある。敵が2人、3人と来ても仕掛けようと思える」

 予選後はトラップとパスの精度を高めながら、チャンスをしっかり物にできるようシュート練習に励んできたことも今大会ではプラスに働いている。その成長ぶりは、「小山は調子が良い。県予選の決勝戦からググっと彼のスイッチが入ったんでしょうね。仕掛ける回数が増えています。 今まで良いモノを持っていたのに出せなかったのが、出せるようになってきた」と指揮官が称えるほど。準々決勝以降も、左サイドから繰り出す鋭い仕掛けで静岡学園に歓喜を呼び込んでくれるはずだ。

取材・文=森田将義

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By 森田将義

育成年代を中心に取材を続けるサッカーライター

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