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[京都橘]「選手権では得点王を狙う」…背番号10を背負う2年生は万能型ストライカー【高校サッカー選手権】

2020.01.02

2年生ながら背番号10を背負うMF西野太陽 [写真]=森田将義

 2001年創部の若いチームながらも、2012年の選手権準優勝を皮切りにコンスタントに全国大会で結果を残し、強豪校としての地位を着実に固めているのが、2年ぶり8回目の出場を果たした京都橘だ。

「ストライカーがいる代は強い」と米澤一成監督が口にする通り、2012年度はFW仙頭啓矢、小屋松知哉(ともに現・京都サンガF.C.)が揃って得点王を受賞。市立船橋と激闘を繰り広げた2016年度は、大会屈指の点取り屋としてFW岩崎悠人(北海道コンサドーレ札幌)が前線に君臨した。今年は、そうしたスーパーなストライカーはいないが、FW梅津倖風(3年)と梅村脩斗(3年)が補完性の高いコンビがインターハイで躍動。肉体派の梅津が身体を張って前線で起点を作り、後方から梅村が上手く飛び出す。そんな”ニコイチ”と言えるコンビが要所でゴールネットを揺らし、チーム最高成績となる4強入りを果たした。

 躍進によって、初の選手権制覇が期待された9月以降は、もう一人のストライカーの存在感が増しつつある。背番号10を背負うMF西野太陽(2年)だ。中学時代は、徳島ジュニアユースのエースとして将来を有望視されていた上手さと速さを備えた万能型のストライカー。選手権で活躍した岩崎の姿に憧れ、母親と共に住まいを京都に移してまで京都橘への入学を決めた。

 入学直後はイキイキとプレーし、前評判通りの活躍を披露したが、夏以降は「考えることが多くなって、プレーに迷いが出た」と振り返る。実際、試合を観ても前線でキラリと輝くプレーを見せるものの、シュートへの積極性が乏しく相手にとって怖い選手とは言い切れなかった。

「プロ入りや代表入りするには2年目が大事なので、勝負の年だと思っている。チームを背負ってチームを引っ張って、結果を出していけるかが試される」。そう意気込んだ今年は、反対にシュートを意識し過ぎて、自分よがりなプレーが増えるなど迷いが見られた。今年に入ってからの急成長によって評価を高めた梅津、梅村の陰に隠れ、インターハイは2人に続く”第3のストライカー”に甘んじた。3回戦で途中出場し、高校での全国大会デビュー。準々決勝と準決勝は先発出場を果たしたが、無得点に終わり、彼にとっては満足のいかない大会になったのは確かだ。

 それでも、選手権予選では4-4-2の右サイドハーフに定着。慣れないポジションではあるものの、「サイドといっても、自分は中にポジションをとるタイプ。ゴールに近かったし、点も獲れていたので違和感はなかった」と働きは大きく変わらない。左サイドに突破力に秀でたMF髙木大輝(3年)がいるのは彼にとっては好都合で、相手DFが左からクロスに反応する梅津・梅村に引き付けられている隙をついて、ゴールに襲い掛かった。試合を重ねるごとに2トップとのコンビネーションも良くなり、予選では2回戦以降の全試合でゴールをマーク。夏とは良い意味で違う”第3のストライカー”として確かな地位を確立した。

 冒頭にある米澤監督に言葉通り、西野の台頭はチームにとって追い風だ。「夏は全国で1点も獲れていないので、選手権では得点王を狙うくらいの気持ちで頑張っていきたい」と意気込み彼の本格ブレークが、選手権初優勝のラストピースになるかもしれない。

取材・文=森田将義

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