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桐光学園の“本命”が本領発揮の2ゴール!…西川潤「あの悔しさがよみがえってきて…」

2019.07.31

今大会の注目FW西川潤が2ゴールの大活躍で2年連続のインハイ4強進出を決めた [写真]=川端暁彦

 インターハイの「本命」が爆発した。前年度準優勝の桐光学園は30日の準々決勝で西京高校と対戦。「前半は寝ぼけていた」(桐光・鈴木勝大監督)という内容で苦戦を強いられたものの、後半はU-20日本代表FW西川潤が2得点。キャプテンにしてエースの大黒柱が結果を残し、準決勝進出を決めた。

 1点目は「練習していたとおりの形」と西川は笑顔で振り返る。左サイドを破った佐々木ムライヨセフのクロスに対して、あえて「入り過ぎないように」タイミングを少し遅らせてゴール前へ。冷静に左足で合わせてネットを揺らした。2点目は終了間際に得たPK。プレッシャーのかかる場面だったが、これも難なく決めて、試合も決めた。

 西川はすでに特別指定選手の1人としてセレッソ大阪の公式戦にデビュー済み。昨年のAFC U-16選手権では主軸選手として優勝に貢献し、大会MVP。さらに今年はU-20ワールドカップにも飛び級で出場を果たした。バルセロナやドイツのクラブからの興味も伝えられる中で、所属する高校の全国大会に臨む。当然ながら、「プレッシャーはあったと思うし、背負っているものがあり過ぎたところはある」(鈴木勝大監督)

 それだけに、ストライカーとして「最初の1点」の難しさもあった。西川も「去年も最初に1点を取るまでが難しくて、そこから波に乗れた。今回もそうできれば」と、少し肩の力が抜けた様子で安堵の表情を浮かべた。

 連戦の消耗で全体の動きも鈍る中、試合終盤には「ここ緩めるな!!」と味方を叱咤激励するなどキャプテンらしさも発揮。「そういうタイプじゃないんですけどね」と笑っていたが、少し余裕が出てきた様子ものぞかせた。

 前年度の総体は大会途中から爆発してチームを決勝に導いたが、決勝では山梨学院高校に苦杯を舐めた。そのときの記憶はまだ残っている。

「ここ(インターハイ)に来て、あのときの悔しさがよみがえってきて、モチベーションも上がってきた。あの悔しさを晴らすためにも優勝したい」

 目覚めた日本のエースはギラギラした目でそう語り、さらなる活躍を誓った。

取材・文=川端暁彦

By 川端暁彦

2013年までサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で編集、記者を担当。現在はフリーランスとして活動中。

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