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3試合のシュート数はわずか「10」…それでも西京がインハイ8強に進出できた理由

2019.07.30

西京は堅守と驚異の決定率でインターハイ8強に進出した

 1回戦が「3」、2回戦が「4」、そして3回戦が「3」。この数字は西京(山口)が今大会で放ったシュート本数だ。3試合でわずかシュート10本。だが、西京は「3発3中」で四国学院大香川西(香川)戦を3-1で沈めた初戦、1-1からのPK戦の末に勝利した日章学園(宮崎)に続き、3回戦でも準優勝経験のある米子北(鳥取)に2-0で勝利して初の8強入りを果たした。

 飛び抜けた個はいない。だが、高い集中力とタフさが快進撃を続けるチームの強みだ。米子北戦は前半17分に2年生の俊足アタッカー、MF前田唯翔が自ら獲得したPKを決めて先制。ファーストシュートでリードを奪った西京だが、前後半通じて相手のクロス、ロングボール攻撃を何度も何度も浴びる展開となった。

 それでも、MF石澤海人主将が「集中力が切れないですね」というチームは確実に一本一本を跳ね返していく。また、168cmのGK恒富優貴人は日章学園戦に続き、この日もファインセーブでチームを鼓舞。そして、毎週木曜日に行っているフィジカルトレーニングの効果も出ているチームは、試合終盤になっても原田廉と山下葵の両CBをはじめ、競り合いでの跳躍が衰えない。気温31.2℃の暑さの中で足を攣らせることなく、“防波堤”となり続けた。

 一方で、チームのシュート本数は、後半アディショナルタイムまで「1」のままだった。だが、アディショナルタイム4分、今大会初出場のDF横山凌大がカウンターからチーム2本目のシュートを決めて2-0。その後にFW原田聖音が迎えたビッグチャンスは決められず、再び「3発3中」とはならなかったものの、堅守と決定率で強敵を突破した。

 前田は「みんなで声をかけあいながら、まずしっかり守備から入って、みんなで攻撃ができているのが勝因に繋がっている」と語る。特に日章学園戦と米子北戦は守備の時間が長く、攻撃回数は少なくなっているが、ここぞの場面で複数の選手がスプリントし、繋ぐ力があるからこその決定率。我慢強い守りと驚異の決定率を特長とする山口の公立校が、大会後半戦でも“西京旋風”を続ける。

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