2019.07.29

輝き放つ京都橘の“梅梅コンビ”…「2人で1人のエース」が担う役割とは?

梅村脩斗(左)と梅津倖風(右)の“梅梅コンビ”が躍動している [写真]=川端暁彦
2013年までサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で編集、記者を担当。現在はフリーランスとして活動中。

 京都橘高校は28日に行われたインターハイ3回戦で名古屋経済大学高蔵高校(名経大高蔵)に3-0と完勝。インターハイの過去最高タイとなる8強進出を果たした。

「ウチはストライカーがいる代が強い」という京都橘・米澤一成監督が言うように、過去の京都橘が結果を残した代には小屋松知哉(現・京都サンガ)、岩崎悠人(現・北海道コンサドーレ札幌)といったスペシャルな選手が前線にいた。そういう意味でいうと、今年は抜きん出たエースがいる代ではない。ただ、「2人で1人のエース」と言うべき前線のデュオが特異な輝きを放ちつつある。梅村脩斗と梅津倖風の“梅梅コンビ”である。

 トップ下気味に構える梅村は純粋なストライカーではなく、攻撃的MFを兼ねる万能型。動き出しの感覚が良く、巧みにパスを引き出して起点となり、周囲の味方を活かすプレーに長ける。もう1人、最前線の梅津は肉体的に頑健で、相手DFを背負ってボールを受ける、クロスやハイボールに競り合って潰れるといった汚れ仕事も労を惜しまずこなすファイターだ。選手たちからも「アイツが潰れてくれるので」という言葉が出てくるとおり、周囲の信頼も今季の戦いを通じて厚くなったと言う。過去の京都橘を彩ってきたストライカーたちとは異なる毛色だが、この2人の組み合わせは抜群にいい。絶対的エースは確かに不在だが、絶対的コンビは前線に成立しつつある。

 名経大高蔵戦では「点を取ること以外は全部持っている選手」と米澤監督から評価される梅村がハットトリックを完成。「いつもだったらパスを出していたかも」と振り返る先制点のシーンでは強気のシュートを選択し、2点目も抜け目なく“おいしいポジション”に入り込んでクロスに合わせてみせた。点取り屋というタイプではなかったはずだが、少し化けつつある空気感がある。そんな梅村については指揮官も「この一学期(4月から7月)の期間で一番伸びた選手」と評価する。

名経大高蔵戦では梅村がハットトリックを記録した [写真]=川端暁彦

 梅津とは出席番号順で席が決まっているクラスでも「前後の関係」でピッチ外でも仲良しとのことで、動きがかぶってしまうようなこともなく、阿吽の呼吸が成立している。この強力コンビがいるため、U-17日本代表FW西野太陽が控えに回るほど。米澤監督は「西野が悪いわけじゃない。2人がいいから西野はジョーカーとして取っておくほうがいいという判断になった」と“梅梅コンビ”への信頼を語る。

 守備も手堅く、組織的なポゼッションプレーにも習熟し、前線の2人もしっかり計算できるようになってきた。指揮官は「準々決勝のことしか考えない。8強を超えたことがないので、まずはそこ」と一戦必勝を誓うが、“その先”の可能性も十分に考えられるチームへ仕上がりつつある。

取材・文=川端暁彦

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