2019.01.07

初のベスト4進出を果たした星槎国際、ファイナルへのキーマンはFW遠藤彩椋

遠藤彩椋
指揮官がキーマンと期待するFW遠藤彩椋 [写真]=浅尾心祐
10年以上にわたり女子サッカーを追いかける気鋭のライター

 第27回全日本高等学校女子サッカー選手権大会は6日、兵庫県三木市内で準々決勝の4試合が行われた。

 いずれも初の準々決勝に勝ち残った、星槎国際高校湘南(関東3/神奈川)と花咲徳栄高校(関東4/埼玉)の対戦は、流れの中から得点した星槎国際が2-1で競り勝って初のベスト4進出を決めた。

 両校が対戦するのは、関東地域予選大会の3位決定戦以来。その時も、1-0で星槎国際に軍配が上がっていたが、「そんな簡単には(得点を)取れないと思っていた」と、星槎国際を指揮する柄澤俊介監督は予想しており、実際その通りになった。ただ同時に「どこかで、1点は取れるだろうとは思っていた」と、ある種の確信も。それも現実のものとなった。46分、DF国部碧が混戦から先制点をもぎ取り、星槎国際が先制する。しかし、ここからが予想外だった。

「正直言って、2点目はラッキーでした」と柄澤監督が指すのは、51分の追加点だ。これには、得点を決めた星槎国際のFW遠藤彩椋も同調した。

「自分は結構、あぁいう場面で外すんですけど、しっかり(ボールに足を)当てるつもりで蹴ったら入った」と遠藤。右サイドからのクロスに対し、ペナルティエリア内右の角からボールの下部をこするように右足でダイレクトシュートを放つと、敵・味方合わせて計5人の頭上を越え、ゴール左下に収まっていった。遠藤は「回転をかけてファーサイドにいけばいいかと思って蹴った。うまく入ってくれた」と、2試合連続の得点をはにかみながら説明した。

 指揮官はその得点を“ラッキー”と評する一方、「遠藤が良くなってきている。彼女がキーマンでしょうね」と、同時に期待もかけている。

 星槎国際は、昨年8月のFIFA U-20女子ワールドカップフランス2018で優勝に貢献したMF宮澤ひなた(日テレ・ベレーザ)を輩出した高校だ。宮澤はU-20日本女子代表で活躍し、今季のプレナスなでしこリーグで新人賞を獲得するだけでなく、なでしこジャパンデビューまで果たした。しかし、その宮澤が出場した前回大会までの3年間は、いずれも選手権1回戦で敗退していた。その殻を破るように、今大会は初戦で大商学園高校(関西1/大阪)を下すと、一気にベスト4まで駆け上がった。

 快進撃の立役者となった遠藤は、「チームとして初めてのベスト4。ここで満足せずに、もっと上を目指してチーム全体で戦っていきたい」と、肩に力を入れたが、柄澤監督はいつもの通り自然体だ。チームや選手を過大評価することはしない。

「選手の力が平均化しているということですかね、とりあえず。今年のチームは、ある能力がどうしても(足りない)というのはないし、逆にすごくいいというのもない。次に対戦する東海大学付属福岡高校(九州3/福岡)も、ノーマークでしたよ」と、笑った。

 宮澤ひなたも成し得なかった星槎国際の冒険は、どこまで続くか。

文=馬見新拓郎

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