2018.12.11

<四日市中央工>注目は“新・三羽烏”、退任する名将が最後まで成長願う2年生トリオ【選手権出場校紹介】

四中工の2年生トリオ、(左から)森夢真、田口裕也、和田彩起 [写真]=森田将義
育成年代を中心に取材を続けるサッカーライター

 DF坪井慶介(レノファ山口)、FW浅野拓磨(ハノーファー)ら多くのプロ選手を輩出してきた高校サッカー屈指の名門校・四日市中央工業が、選手権で一番沸いたのが、1991年の第70回大会だ。決勝で優勝候補筆頭だった帝京と対戦し、前後半を2-2で終えると、迎えた延長戦でも結果がつかず、規定により両校優勝となった。

 当時の四中工は、コーチ初年度だった樋口士郎監督が「負ける気がしなかった」と振り返る程の個性派が揃った好チーム。中でも、後にJリーグでも活躍したFW小倉隆史、DF中西永輔、DF中田一三の3選手の輝きは別格で、“四中工三羽烏”と呼ばれ、注目されていた。

 あれから、27年。樋口監督が、四中工の指導者として挑む最後の選手権にも、”新・四中工三羽烏”と呼べる存在がいる。それは、FW森夢真、田口裕也、MF和田彩起の2年生トリオだ。筆頭は、入学してすぐAチームに抜擢され、昨年の選手権予選で10番を背負ったプロ注目のドリブラー・森だが、田口も一瞬のスピードからゴールネットを揺らす感覚は他の選手にない物を持っている。和田は高校サッカーでは少なくなったクロッサータイプの選手で、10月にはU-17日本代表に選ばれた実力者。樋口監督が今年どうしても選手権に出たかったのも、自身のラストイヤーだからではなく、「先輩たちが選手権で活躍し、代表やJに行っている。僕らが口で言うよりも、選手権に行くことで2年生の意識が大きく変わる」と考えているからだ。

 確かな実力を持つタレントたちだが、これまでは指揮官の納得が行くパフォーマンスを残せてきたとは言い難い。地元開催だった夏のインターハイも予選の初戦で敗退。森は「自己中心的なプレーや責任感のないプレーが多かった」と振り返る。全国行きを逃がした悔しさで、彼らの気持ちにスイッチが入れば良かったのだが、敗戦後も覇気のないプレーが続いた。「このままでは腐ってしまう」と考えた樋口監督は夏休みに入り、3人の意識を変えるために動く。

 上手い選手がチームの誰よりも頑張ることの重要性を気付かせるために、樋口監督が全国で一番厳しい環境と考える流通経済大学付属柏高校の練習に3人を参加させることになった。2日間の練習では、ボール回しでまったくボールが奪えず、試合に出場しても他の選手とは違って、息がすぐに上がる。全国トップクラスの厳しさを痛感させられたが、「守備の意識やハードワークの質がこれまでと違い、自分がどれだけ試合中、走ってなかったか気付けた」(森)。まだまだ継続性には欠けるが、彼らの成長は、3年ぶりの選手権出場の一因となったのは間違いない。

 伸びシロは大きく、選手権を経験することで、ブレイクを果たす可能性は十分にある。彼らがこれまでとは違った姿を見せられるかが、悲願の単独優勝の鍵になるはずだ。

取材・文=森田将義

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