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【コラム】堅守の神村学園が「自分たちらしい勝利」で初戦突破…2回戦はリベンジ警戒

2017.12.31

神村学園が1年生の活躍で北海道明清を破り、予選を突破した [写真]=浅尾心祐

 全日本高等学校女子サッカー選手権大会の26回すべてに出場している北海道文教大学明清高校(北海道1)と、2大会連続でベスト4に進出している神村学園高等部(九州1/鹿児島)の名門対決は、神村学園が1年生2人の活躍で、2-0で勝利した。

 神村学園の先発は3年生が4人のみで、2年生が3人、1年生が4人という若い編成でボールを回して試合を作っていくが、ゴールに近づいてのシュートが少ない。キャプテンのMF池田千織を経由し、MF桂亜依の独特のリズムから繰り出されるドリブルで攻撃を仕掛けるも、ゴールが遠い状態が続く。

 対する北海道明清も、立ち上がりこそ勢いで攻め立てたが、前半で放ったシュート数は1本のみ。自陣でボールを追う時間が長くなり、体力を消耗しながら後半を迎える展開となった。

 それでも北海道明清は42分、FW北村里菜がハーフウェイライン過ぎからドリブルを仕掛け、ペナルティーエリア内右からシュートを放って相手ゴールを脅かす。しかし、神村学園はこれをGK西川絵理菜のセーブでしのぐと、今度は反撃に出る。

 47分、MF菊池まりあが右CKを蹴った後、ルーズボールとなったところをDF森田穂乃奏がロングシュートで狙うと、これがクロスバーに当たり、詰めていた1年生のDF西尾彩花が先制ゴール。神村学園が1-0とした。そこからも攻めの姿勢を崩さない神村学園は、1年生のMF豊村文香が途中投入されると、72分には、その豊村が追加点。1年生2人の得点で2-0とした。

 北海道明清はそこから反撃に出ようとするが、九州地域予選の4試合でいずれも無失点勝利を収めてきた神村学園の堅い守備に阻まれ、0-2のまま終了。神村学園が2回戦進出を決めた。

「まずは初戦突破が目標だった。今年はインターハイの経験がなかったが、意外にビビらず戦えていた」と、神村学園の寺師勇太監督は安堵の表情。インターハイ予選敗退は、チームに影響を与えていた様子で、神村学園キャプテンの池田も「夏以降は走る練習を多くして、それを全員で乗り越えてきた。攻守の切り替え(の早さ)や最後まで走り切るところが、今日のゲームに出ていて自分たちらしい勝利だった」と、自信をのぞかせた。

「次の福井工業大学附属福井高校(北信越2/福井)戦は、前回大会の1回戦で勝った相手だから、向こうはリベンジのつもりでくるはず。試合の入りを気をつけて臨みたい」と話す、身長150センチの池田を始め、今季の神村学園は決して体格で恵まれているとは言えないが、それを補う運動量で九州地域予選から続く無失点勝利を、5に伸ばして2回戦に進んだ。

文=馬見新拓郎

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