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【コラム】夏冬2冠狙う日ノ本、2回戦で大一番へ…主将の牛島「決勝のつもりで戦う」

2017.12.31

日ノ本学園がPK戦の末に聖和学園を下し、2回戦に進出した [写真]=浅尾心祐

 第26回全日本高等学校女子サッカー選手権大会が30日に開幕し、兵庫県内で1回戦の16試合が行われた。

 今夏の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)で優勝した日ノ本学園高校(関西1/兵庫)と、東北第1代表の聖和学園高校(宮城)の強豪対決は、0-0のまま前後半を終え、PK戦4-2で日ノ本が制した。

 インターハイとの2冠を狙う日ノ本は、マイナビベガルタ仙台レディース入団内定のエースFW宮本華乃がケガで今大会を欠場するが、INAC神戸レオネッサに入団内定しているMF牛島理子(U-19日本女子代表)を始め、インターハイ決勝で決勝点を決めたFW澁川鈴菜など、多彩なタレントを備える。

 対する聖和学園は、元なでしこジャパンGKの曽山加奈子監督が率いて2年目のシーズン。東北地区予選決勝で、延長戦の末に常盤木学園高校(東北2/宮城)を下して本大会に駒を進めてきた。

 なでしこジャパンの高倉麻子監督が視察したこの試合で、80分を通してボールを支配したのは日ノ本。試合開始10秒でいきなり澁川がドリブル突破を見せ、ペナルティーエリア手前からシュートを放つなど、立ち上がりから勢いよく聖和学園ゴールに向かう。

 しかし、聖和学園もキャプテンMF黒柳美裕を中心とした粘り強い守備が光り、日ノ本はそれをなかなか打開できない。日ノ本は1トップの澁川をサイドに置き、MF内藤夏鈴を1トップに据えるなど工夫を凝らすが、効果はなく0-0のまま後半に入った。

 後半になっても日ノ本が試合を動かしながら進み、途中出場のMF古賀花野を1トップに置き、中盤の配置変えも試みるが、やはりスコアは動かない。後半終了間際の80分には、日ノ本のDF宮崎音々からアーリークロスが上がり、古賀がヘディングシュートを放ったが、これはクロスバー直撃。0-0のまま前後半が終わり、勝敗はPK戦に委ねられた。

 PK戦では、1年生から日ノ本のゴールマウスに立ってきたGK米澤萌香が、大活躍を見せる。9月に行われた第39回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会の関西地域予選で、3試合連続PK勝ちしているため「PK戦には自信があった」と試合後に話したGK米澤が、聖和学園の2本目と3本目を見事にセーブ。PK戦4-2で日ノ本学園が初戦を制した。

 守護神の米澤は「PKの練習は数日前に2回しただけ。相手のデータもなかったが、勘と読み、相手の目線やタイミングでうまく勝てた」と白い歯を見せた。日ノ本は3年前に優勝するも、その後は1回戦負け、2回戦負けと不本意な戦いが続いていることを挙げ、「悔しい思いをした先輩も分も優勝したい」と、真剣な表情で話した。

 中盤の底で攻守に奮闘したキャプテンの牛島は「得点が入らず焦った部分もあった」と反省したが、目線は翌日の2回戦へ。インターハイ決勝と同じ対戦カードとなった、藤枝順心高校(東海2/静岡)戦を前に「明日は決勝戦のつもりで戦う」と、厳しい表情で話した。

文=馬見新拓郎

By 馬見新拓郎

10年以上にわたり女子サッカーを追いかける気鋭のライター

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