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【コラム】「実力不足」…今大会注目度No.1、日ノ本MF平塚万貴の挑戦は2回戦で幕

2017.01.01

十文字戦に出場した日ノ本の主将MF平塚万貴 [写真]=吉田孝光

 第25回全日本高等学校女子サッカー選手権大会は12月31日、兵庫県内で2回戦の8試合が行われた。

 3回の選手権優勝経験がある日ノ本学園高校(関西第1代表/兵庫)と、初の全国制覇を目指す十文字高校(関東第3代表/東京)の対戦は、3-0で十文字が制し、優勝候補筆頭の日ノ本が2回戦で姿を消すこととなった。

 日ノ本は1回戦で星槎国際高校湘南(関東第2代表/神奈川)に、3-3(PK4-3)で辛くも2回戦に進んだが、この日も早い時間から失点を重ねる。23分までに十文字のMF松本茉奈加に2得点を許すと、MF蔵田あかりから追加点を浴びる。日ノ本の田邊友恵監督が「体調が悪い選手がいて疲労もあり、思った以上に早くやられた」と反省したように、十文字の攻撃を食い止められない。日ノ本は選手交代でも好転せず、特に前半は日ノ本のゴールの可能性があるシュートはゼロだった。

 後半も日ノ本が本来得意とするパスワークを生かした攻撃を仕掛けようとするが、しっかりと真面目に体を寄せる十文字の守備をかいくぐることができない。1年生から試合に出場し、日ノ本のエースに成長したFW目原莉奈も、この日は不発に終わった。

 今大会の注目度No.1選手だった日ノ本の元U-17日本女子代表MF平塚万貴は、中盤の底でフル出場したが、試合の流れを最後まで変えられず、試合後のミーティングが終わってもまだ涙が止まらない。1年前の選手権をケガで欠場した平塚は「前回大会の分も優勝したかったが、動き出しが遅かったし実力不足」と話せば、目原も「自分のせいで負けたと言ってもいいくらい」と悔し涙。

「ひとりで仕掛けてくる関東のチームらしい戦いに混乱した。(今季の日ノ本は)強い個がいないチームだったから、どう組織を作っていくかだったが、私の力不足」と田邊監督は言ったが、目原は即座に否定し、「相手をイメージしながら、自分たちでもっとこだわった練習をしていればよかった。先生に申し訳ない」とうつむいた。

 近年の高校年代を席巻してきた関西の雄・日ノ本だったが、年を越すことはできず、今季はまさかの無冠で終了した。

文=馬見新拓郎

By 馬見新拓郎

10年以上にわたり女子サッカーを追いかける気鋭のライター

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