2013.01.05

[星稜-東海大仰星]指揮官のゲキがミスを帳消しに星稜、全員でつかんだ国立/選手権

置田峻也
GK置田峻也に駆け寄る星稜のメンバー [写真]=鷹羽康博

第91回全国高校サッカー選手権大会 準々決勝 星稜-東海大仰星
2013年1月5日(土)/14:10キックオフ/千葉県フクダ電子アリーナ/観客3282人/試合時間80分

星稜 1(0-1、1-0、PK5-4)1 東海大仰星

<得点者>
前半39分 田中(東海大仰星)
後半17分 今井(星稜)

 立ち上りチャンスを作ったのは星稜だった。(13)采女と(15)村上のツートップが果敢に東海大仰星ゴールに迫るが、ゴールを奪えず。すると前半39分にミスを突いた東海大仰星が、FW(11)田中のゴールで先制に成功する。後半、攻撃陣のテコ入れをしてきた星稜は、後半17分にMF(10)井田のセンタリングを、途中出場のFW(9)今井が押し込んで同点に追いつく。勝負は1-1のままPK戦に突入。東海大仰星の1人目を星稜GK(1)置田がストップ。あとは全員が成功し、星稜が準決勝進出を決めた。

◆指揮官のゲキがミスを帳消しに星稜、全員でつかんだ国立

 ハーフタイムに星稜ロッカールームで、指揮官のゲキが飛んだ。「このまま負けて、(1)置田をこんな気持ちのまま帰していいのか!」。

 事が起こったのは前半39分のことだった。星稜はGK(1)置田竣也が何でもないバックパスから、クリアをしようとした瞬間、うまくミートできず痛恨のクリアミス。ゴール前にこぼれたボールを東海大仰星のFW(9)日下部孝将に拾われ、最後はフリーのFW(11)田中翔に難なく蹴り込まれ、先制を許してしまった。

 この落胆は大きかった。なぜならば星稜は、前半は圧倒的にペースを握っていたからだ。2分にMF(10)井田遼平が右サイドをドリブル突破し、ニアへセンタリング。これをFW(13)采女優輝がドンピシャヘッドで合せるが、これは枠の外。4分には中央でMF(6)植田裕史が、胸トラップから25メートルのループシュートを狙うが、これは東海大仰星GK(1)加藤広通のファインセーブに阻まれた。さらにボランチの(6)植田、右左のポジションを入れ替えた(10)井田とMF(8)稲垣拓斗を軸に、素早いパス回しで中盤を完全に制圧をすると、(13)采女と(15)村上駿の果敢な飛び出しで、東海大仰星ゴールに何度も迫った。

しかし、前半終了間際の展開。星稜イレブンに動揺が走ったが、冒頭の河崎護監督のゲキが、流れを変えた。「あいつを悪者にしたまま帰すわけにはいかない。ヒーローにして帰そうと思った」と(10)井田が語ったように、選手たちが奮起。さらに河崎監督は後半、(8)稲垣に代えてMF(19)寺村介、(15)村上に代えてFW(9)今井渓太を投入。3回戦で青森山田撃破の立役者となった2人を一気に投入して勝負に出て、選手たちの奮起を勢いに変える狙いを見せた。

するとこのさい配がズバリ的中する。後半8分にはDF(5)松岡哲のロングスローからゴール前で(9)今井がシュート。GK(1)加藤に阻まれたこぼれを(13)采女が狙うが、これも(1)加藤に防がれた。だが、後半17分に右サイドを破った(10)井田のセンタリングに、ファーで合わせたのは(9)今井。(9)今井の2戦連発弾で、星稜が同点に追いついた。

 だが、ここから東海大仰星も攻勢に転じたことで、試合は一進一退の攻防となった。そして、東海大仰星は36分に(9)日下部に代え、FW(19)原田樹生を投入すると、東海大仰星の猛攻が始まる。39分に(13)江郷下奨のパスカットから、FWにポジションを変えた(10)萬雄大がスルーパスを通し、(19)原田が抜け出すが、シュートは枠の外。40分には(10)萬が狙うが、左ポストに阻まれた。

 白熱の一戦は決着がつかず、PK戦に突入。「仲間に助けてもらったからこそ、PK戦まで来られた。絶対に自分が止めて、チームメイトに感謝を示したかった」と、GK(1)置田が東海大仰星の1人目(10)萬のキックをストップ。その後、全員が成功し、星稜が8年ぶり2度目の国立進出を決めた。

 一つのミスを全員でカバーし、最後はミスした張本人がチームに導く。まさにこの勝利は全員でつかんだ勝利だった。

◆試合後の監督・選手コメント

星稜・河崎護監督
「国立は2度目。やっとたどり着けた。前回の市立船橋と準決勝を戦ったときには、少し舞い上がってしまっていたらしいので、今回は冷静になりたいね(笑)。昨日のミーティングで3試合目がいちばん負ける確率が高いゲームだといった。気持ちを締めて臨みましたが、予想どおり厳しい戦いになりました。今年のチームは前回の国立のときのチームより、全員が頑張れる。一人が全員のために、全員が一人のために戦えるチームになったと思います」

星稜・(10)井田遼平
「中に(13)采女か(9)今井かが走り込んできてくれると思って、(センタリングを)あげました。入ってよかったです。先に失点しましたが、まだまだ時間もあったので、みんなで声を掛け合ってやりました。何とか追いつきましたが、勝ち越したかった」

星稜・(6)植田裕史
「今日は裏を狙うよりも、(相手に)食いつかせるために足元にパスをして、サイドを基点に攻めようと思った。今日はチームとしてもすごく焦れる部分があった。(1)置田のミスはその結果だと思います。ボールを回しているけど、なかなか前に行けない展開によってそうなったので、全員の責任です。今大会はすごく3年生が成長したと思います。前線の(13)采女と(9)今井、(15)村上は本当に頼もしい存在で、前線で頑張ってくれるのは助かります」

東海大仰星・(13)江郷下奨
「点が取れなかったことが悔しい。3年生を勝たせてあげることができなかった。本当に3年生にはお世話になったし、本当に助けられた。最高の先輩たちに対して、ゴールを決めることができなかったのは、本当に悔しいです。来年はもう助けてくれる3年生がいないので、自覚を持ってプレーをしたいです」

取材・文=安藤隆人(サッカージャーナリスト) 写真=鷹羽康博

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