2013.01.03

[長崎総科大附属-東海大仰星]往年の小嶺サッカーが示したベスト16、将来につながる選手権

2試合連続で1-0の勝利。僅差を制した東海大仰星がベスト8に [写真]=足立雅史

2013年1月3日(木)/14:10キックオフ/東京・駒沢陸上競技場/観客3017人/試合時間80分

長崎総科大附属 0(0-0、0-1)1 東海大仰星
<得点者>
(東海大仰星)
後半12分 田中翔

前半は一進一退の攻防が続いた。ロングボールから前線のFW(9)安藤翼、FW(7)堀晃一朗の多彩な動きで攻めてくる長崎総科大附属に対し、トップ下のMF(10)萬雄大を中心にパスをつないで崩す東海大仰星の展開。試合が動いたのは後半12分。FW(9)日下部孝将のパスを受けたFW(11)田中翔が、冷静に決めて先制。その後は長崎総科大附属が攻勢に出るもしのぎ切り、東海大仰星が1-0の勝利を収めた。

◆往年の小嶺サッカーが示したベスト16、将来につながる選手権

 往年の国見を彷彿(ほうふつ)させるサッカーだった。かつて島原商、国見を全国制覇に導いた名将・小嶺忠敏総監督が率いる長崎総科大附属は、DF(8)小橋川政一郎、MF(13)藤井人夢が、東海大仰星の(9)日下部孝将と(14)吉薗航の2トップをマンマークし、DF(3)中村友哉がスイーパー気味に構える守備を敷く。ボールを奪ったら素早く前線に送り込んで、前線のFW(9)安藤翼、(16)吉岡雅和、(11)宗中恭平、(7)堀晃一朗のスピードを生かして切り崩す。今年の長崎県内で圧倒的な力を誇り、インターハイと選手権初出場を果たし、ここまで勝ち上がってきた力を、立ち上がりから見せた。

 だが、「相手のスピードに惑わされないように、距離間を大事にして、これまで通りのサッカーをやろうとした」と中務雅之監督が語ったように、東海大仰星も(5)松田紘輝と(4)桂鴻介のCBコンビ、ワンボランチの(6)松本卓哉を中心に、冷静に守備対応すると、奪ったボールをトップ下の(10)萬雄大や、右MF(11)田中翔に預け、そこを起点に2トップの攻撃力を引き出した。

 試合が動いたのは後半12分。東海大仰星は右からのボールを中央で受けた(9)日下部が、ファーサイドでフリーの(11)田中へパス。(11)田中は飛び出してきたGKの位置をよく見て、冷静にゴールに突き刺した。

 1点のビハインドを背負った長崎総科大附属は、直後の後半14分に(11)宗中に代えて、FW(14)東俊宏を投入。すると(14)東が高い身体能力と180センチの高さを生かして、ロングボールを高い位置で収めては、積極果敢にドリブルで仕掛け、流れを一気に引き寄せる。そして後半40分には左からのクロスを、ペナルティーエリア右手前で、(14)東が右足でワントラップしてから、豪快に右足を振り抜いた。トラップからシュートまでの速さに、GK(1)加藤広通も反応できない強烈かつ圧巻のシュートは、右ポスト内側を強烈に叩き、逆サイドに抜けて行った。

 長崎総科大附属の猛攻も実らず、東海大仰星が2試合連続となる1-0の勝利で、準々決勝進出を決めた。

「今年は3年生がもともと少なかったし、個の力が足りなかった。(16)吉岡や(9)安藤はまあまあだけど、他の選手はよそのチームでサブにもなれないような選手たち。そういう選手たちの個性を組み合わせてここまで来たのは、よくやったといいたい。立派だ。この選手たちをほめたい。今後は2、3年待ってくれ。そしたら全国のトップに食い込むことができますよ。掘り出し物は絶対にいる。そういう選手たちを掘り出して、育てていきますよ」

 試合後、小嶺総監督はこう語った。初出場で2勝してのベスト16。立派な成績だが、名将は早くもその先を見つめている。今後、長崎総科大附属がかつての島原商、国見のように、長崎県そして全国の盟主となる日もそう遠くないかもしれない。

◆試合後の監督・選手コメント
東海大仰星・中務雅之監督
「距離間を大事にして、昨日(聖光学院戦)のようにやろうと、スピードに惑わされないようにやろうと話をした。あそこまでシンプルにロングパスを多用するチームはあまりない。でもそれに対しても柔軟に対応できるようになったのは、彼らの成長だと思う。でもまだまだアタッキングサードの攻略やチャンスメークの面で足りない部分が多いので、そこは修正しないといけない」

長崎総科大附属・(9)安藤翼
「3年生とプレーできる最後の大会だった。この試合もそうだし、自分達のサッカーができたと思う。ただ個人的には3年生を助けるプレーができなかったのが悔しい。3年生には「お前には来年、再来年があるから、そこで結果を出してくれ」と言われた。より国立に行きたい気持ちが強くなった。僕は身長がないので、大きい選手相手でも体を当てて、ボールを収めることを意識しているし、この選手権でそれは通用したと思う。でもそこからのプレーが足りないと感じた、これからはもっと視野の広さとか判断力の向上とか、もっともっとプレーの質を高めていきたい」

取材・文=安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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