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全国で響け「グッド!」・・・好守のリベルテSC、EXILE CUP 2019四国大会を制して決勝大会へ

2019.08.20

EXILE CUP 2019四国大会を制したリベルテSC

 2010年ワールドカップ南アフリカ大会をきっかけに始まった「EXILE CUP」。大会スローガンの「Dreams For Children・子どもたちに、夢を。」のもと規模が大きくなり続け、今大会で10周年を迎えた。2019年9月15日に愛媛県今治市で行われるEXILE CUP決勝大会を目指す地区予選は、6月9日の九州大会1から始まり、四国大会は7月28日、徳島県にある徳島スポーツビレッジ人工芝グランドで行われ、36チームが集結した。

 徳島ヴォルティスのクラブハウス・練習場に隣接する会場は、綺麗に敷かれた人工芝に加え、夏の瑞々しい木々に囲まれ、「万緑」の表現がふさわしい。

 朝から薄曇りながらじわりと汗のにじむ暑さの中で行われた開会式では、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEの砂田将宏さんが選手としてEXILE CUPに参加した思い出を絡めながら「何年経っても覚えているような時間、一日にしましょう!」とエールを送り、DEEPのYUICHIROさんは「素晴らしい思い出となるよう全力で応援しています。EXILE CUP最高!」と選手たちを激励した。その後、EXILE ÜSAさん(スペシャルサポーター)考案の「ダンス体操」で十分に体をほぐすと熱戦の火ぶたは切って落とされた。

 予選リーグは第1試合から今大会を占う注目カードが行われ、前年の四国大会王者で選手の多くが昨年から同じという丸亀城東サッカー少年団(香川)と他大会で実績十分のYSCオーレ(徳島)が激突。YSCオーレが5-0で勝利し、早くも大会のレベルアップを感じさせる。

 今大会は「暑さ」が大きなファクターとなった。予選では多くのチームが頻繁に選手を入れ替える作戦を取り、総合力が高いチームへ軍配が上がるケースが多く見られた。試合時間が短く、実力が接近するはずの決勝トーナメント15試合においても、1点差以内での決着がわずか2試合となったことは総合力が問われる大会であることを象徴していたといえるだろう。

 とはいえ、個人技も光った。岩脇SC(徳島)の4年生ゴレイロ福良桂司(ふくら けいし)君は、普段はフィールドプレイヤーながら恐れずにシュートへ立ち向かう姿勢が素晴らしく、クリーンシート2試合、さらには準々決勝でのPK戦勝利へ大きく貢献した。

 ベスト4へ勝ち残ったのは岩脇SCのほか、YSCオーレ、リベルテSC(徳島)、リベルラ高知(高知)の4チーム。

 YSCオーレは他の選手たちより頭一つ大きいハイタワー型ピヴォ原蒼汰(はら そうた)君をポストにパワフルな攻撃を展開し、粘る岩脇SCを4-0で下した。一方で福田武玖(ふくだ むく)君の効果的なミドルシュートを中心に多彩な得点パターンを見せるリベルテSCが、こちらも4-0でパスワークが魅力のリベルラ高知を破ってそれぞれ決勝進出。

 決勝へ駒を進めた両チームは、実はサッカー・フットサル大会の重要な局面で対戦を重ねている好敵手。「主要大会で3連敗中」(リベルテSC福田宗久(ふくた むねひさ)監督)だったリベルテSCが積極的にシュートを打ち優位にゲームを進めると、前半3分過ぎにカウンターで左サイドを抜け出した竹内亮太(たけうち りょうた)君が決めて先制。後半3分には福田君の強烈なミドルシュートがゴレイロの腕を弾き、ゴールへ転がり落ちて追加点を挙げる。

 しかし、「グッド!」が口癖のリベルテSC福田監督が一番に称賛したのはフィクソの加納尚則(かのう ひさのり)君。「ディフェンスの加納が頑張ってくれたところが大きい」というよう、加納君を中心にフィールドプレイヤー全員がYSCオーレのポイントゲッター原君への素早い寄せ、ポストプレーからの落としの展開を読んだプレーで攻撃を受け止めるたび、日が傾いた板野の山へ響く「グッド!」コールが連発した。

「(大会を通して)挑戦者として相手に真摯に向き合えた」(福田監督)リベルテSCが2-0の勝利で悲願のYSCオーレ打倒を果たして戴冠。EXILE CUP決勝大会への切符を手にした。

 暑さの厳しい大会を終えてなおまだまだ元気に見えた加納君は、決勝大会へ向けての意気込みの問いに「みんなで体を張って守備をして、最終的に点を決めて、(EXILE CUP決勝で)優勝したいです」と日本一へ夢を馳せた。

文=上溝真司 写真=山本誠司、LDH JAPAN

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