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『オレたちしか“F”を面白くできない』世界を変える使命がある(川那部遼×山田慈英/デウソン神戸)

2017.10.26

インタビューに答えるデウソン神戸の川那部遼(右)×山田慈英(左)

 856人。8月5日、町田での6クラブ共同開催第2試合、府中アスレティックFC対デウソン神戸の観客動員数である。このままでいいのか? デウソン神戸の21歳川那部遼と18歳山田慈英は、アリーナでサポーターに手を振りながら危機感を持っていた。試合後すぐの宿舎で、自らの使命を、その覚悟を若き2人が語る。(2017年8月5日収録)

写真・文=佐藤功

▼もう目標じゃない、それを証明する

――お2人の今後について、目標などをお聞かせください。
川那部 僕はまだゴールを決めてないんで、とりあえずゴールをまず決めることですね。じゃないと代表入りなんかできないんで。(このインタビューの翌日、2017年8月6日、第10節エスポラーダ北海道戦で初得点)

――大きな目標は代表入りなんですね。
川那部 そうです。僕は年代別の代表にも選ばれたことないんですよね。
山田 U-20にはもう入れない年齢なんですよね。
川那部 早生まれやったらU-20いけたんですけどね。

――だったら、一気にA代表にと。
川那部 年齢関係ないですからね、うまくなればいいだけなんですよ。トータルのスキルを上げて名古屋(オーシャンズ)の西谷(良介)選手みたいにならないと。いや、超えなきゃいけない、絶対に超える。今シーズンは10ゴールは決めて、必ずA代表に選ばれるようになる。もう目標とかじゃなく、やらなきゃいけないことだと思っています。

――慈英さんも、代表入りを目指す川那部さんには負けてられないですよね。
山田 僕も今シーズンはまだ点を取っていないので、最低でも5点は決めなきゃいけないと思っています。ゴール決めて、チームを勝たせないといけない。世界に出るためには、それじゃ足りないぐらいだと思います。
――世界を意識しているんですね。
山田 世界の左足のゴールゲッターを目指してるんで。だから、まずは日本人ではナンバー1の左足になる。一番年下かもしれないけど、今シーズンゴールをもって証明しますよ。見とけオレの左足を、ぐらいの気持ちでいきます。

▼フットサルは見たことない、でも遼と慈英は知っている

――2人とも大きな目標に向けて戦っているんですね。
川那部 もっと言えば、僕はスターになりたいんですよ。
山田 遼くん、韓流みたいになりたいって言ってましたよね(笑)。

――韓流ですか?
山田 女の子にキャーって言われたいんですよね(笑)。
川那部 モテたいわ。
山田 モテるじゃないですか(笑)。
川那部 韓流ぐらい影響力のある人間にならなアカンと思ってるんですよ。最近、将棋の藤井(聡太)四段が話題になったじゃないですか。ああいう感じにならないといけないんですよ。
山田 あれぐらいニュースになりたいですよね。
川那部 そうそう、将棋見たこともないけど知ってるみたいな。

――カズ選手(三浦知良)がそうでしたね、代々木をいっぱいにしたわけですから。あの代々木にはフットサルじゃなくて、カズ選手を見に来た人がいっぱいいたと思うんですよね。フットサルに興味を持っていない人たちの目を、フットサルに向けさせないといけないですよね。
川那部 僕らも最近まで考え方が小っちゃかったんですよ。
山田 プレーだけ見せればいいって考えてましたね。

▼あの人たちを超える

川那部 今、お客さんが少ないわけじゃないですか。そもそも、プレーを見てもらえてないんですよ。今日の府中(アスレティックFC)もそうですけど、(ペスカドーラ)町田とか名古屋とかと戦って痛感したんですよ。いつまでもベテラン陣にこのフットサルを、Fリーグを任せてたらダメなんやって。この世界を変えなアカンと思うんですよ。
山田 僕たちは、あの人たちを超える人間力で立ち振る舞い全てから意識しないと。
川那部 プレーだけじゃないんですよ、超えないといけないのは。まず見てもらわないといけないんです。いくらうまくなっても、フットサルに興味がある人しか見てくれませんから。フットサル界で有名だけじゃダメなんです。
山田 学校の友だちとか「森岡薫? 誰?」って言うんですよね。でも、カズさんや本田圭佑さんは知ってるんですよ、サッカーを見たことない女子でも。
川那部 同じように、フットサルは知らないけど川那部は知ってる、にならないといけないんです。それが選手の価値だと思うんですよ。プレーだけじゃないんです、僕らの仕事は。

――しかも今AbemaTVで中継をされていますから、知ってもらうチャンスでもありますね。
山田 でも「点取ったらカズダンスやれ」はちょっと。

――カズダンス?
川那部 なんか目立つことしないとって思って(笑)。絶対やらすからな、照れずにやりきれよ。
山田 遼くんはナインティナインの岡村(隆史)さんみたいに、寝っ転がって背中でグルグル回ってくださいよ。
川那部 やったことないし、ケガするって。

――いいじゃないですか、ブレイクダンスができる韓流ですよ。モテますよ(笑)。
川那部 そうっすか? じゃあ慈英、練習しないと。
山田 遼くんが、ですよ(笑)。

川那部遼(写真・右)
21歳、現役大学生。2017年8月6日のFリーグ初ゴールをきっかけにレギュラーに定着。豊富な運動量で前線を支える、デウソン神戸の未来のエース。

山田慈英(写真・左)
18歳、現役高校生。デウソン神戸アスピランチに所属する特別指定選手。16/17シーズンに、17歳3カ月20日のFリーグ最年少得点記録を樹立。U20フットサル日本代表でも最年少ながら中核を担う。

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