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PK戦の末に激闘を制す! EXILE CUP 2017 北海道大会の勝者はFelire Fc U−12!

2017.08.17

EXILE CUP 2017 北海道大会で初優勝を果たしたFelire Fc U−12

 8月9日、小学4年生から6年生を対象としたフットサル大会「EXILE CUP 2017」の北海道大会が、函館市日吉町の函館フットサルパークで開催された。2010年にスタートしたEXILE CUPは今年で8回目。北海道での予選開催は2011年大会から数えて7回目となる。初めて函館市で開催されることになった今大会は、道内各地から計24チームが参加し、愛媛県今治市で行われる決勝大会への出場権を懸けて争った。

 当日は朝から細かい雨粒が芝生を濡らす、重苦しい空模様。しかし、幸いにも雨はそれ以上激しくなることなく、ゲストのEXILE SHOKICHIさん、DEEPのメンバー4人が見守る中、無事に大会がスタートした。開会式ではともに北海道出身のEXILE SHOKICHIさんとDEEPのKEISEIさんがあいさつに立ち、「雨を吹き飛ばすくらい、元気なプレーで頑張ってください!」(SHOKICHIさん)、「全力プレーでチームを勝利に導けるように、試合を楽しみましょう!」(KEISEIさん)と、子どもたちに激励のメッセージを送った。

 大会恒例の「EXダンス体操」でリズムに合わせて体をほぐすと、いよいよ6チームずつ4ブロックに分かれた予選リーグの幕が開ける。決勝トーナメントに進めるのは各リーグ上位2チームのみ。灰色の空から時おり雨が落ちる天候は決してベストコンディションとは言えなかったが、涼しい気温とスリッピーなピッチはむしろ、試合をよりエキサイティングにする効果を生んだようだ。この日はボールが滑りやすいピッチを利用して、果敢にミドルシュートを狙うチームが目立った。

 予選リーグでいきなりサプライズを演出したのは、地元のプレイフル函館フットボールクラブ(函館市)だ。初戦の相手は北海道大会を2連覇中のAGGRE U−12(札幌市)。優れた個人技をベースに、激しいプレスから積極的にシュートを狙うAGGRE U−12に対し、プレイフル函館フットボールクラブは攻守に組織的なプレーとスピーディーな速攻で対抗する。主導権を握ったプレイフル函館フットボールクラブは2−1で昨年大会の王者を下し、勢いのままに5勝0敗でAブロックを1位通過。AGGRE U−12は2位で決勝トーナメントへ進んだ。

 他のブロックでも実力が拮抗したチーム同士、勝敗が予想できない熱戦が続く。CブロックではFelire Fc U−12(勇払郡)が、昨年大会で準優勝したSS.LAVORO(札幌市)を破る波乱があった。この結果、予選5試合で計27ゴールを奪ったFelire Fc U−12が1位で、SS.LAVOROが2位で予選を突破。またDブロックでは2013年、2014年大会を連覇したSTS千歳ペレーダ(千歳市)と、せたなジュニアFC(瀬棚郡)の2チームが勝ち点でも得失点差でも並び、両チームがそろって決勝トーナメント行きを決めた。

 心配された天候は何とか午後まで持ちこたえ、8チームによる決勝トーナメントが始まった。準々決勝ではAGGRE U−12がせたなジュニアFCと対戦。AGGRE U−12は予選リーグの初戦こそ黒星を喫したものの、その後は昨年大会でも大活躍した瀧澤天(てん)君が正確な左足のキックでゴールを積み重ね、調子を上げていた。しかし、試合はAGGRE U−12が先制を許し、その後は一方的に攻めるものの、せたなジュニアFCの気迫のこもった守備の前にゴールを奪えない。最後まで粘り強く守ったせたなジュニアFCは1−0で昨年王者を下し、準決勝ではOne Eight FC(石狩市)を破って決勝へ駒を進めた。

 決勝に進んだもう1チームは、予選リーグで強豪SS.LAVOROを破ったFelire Fc U−12だった。準々決勝では予選リーグで圧倒的な強さを見せたプレイフル函館フットボールクラブと対戦。プレイフル函館フットボールクラブは浜谷瑠稀明(るきあ)君、小川理玖君の2人を中心に組織的なプレーを披露して試合を優勢に進めたが、Felire Fc U−12の堅守の前に1点が遠かった。Felire Fc U−12は最少スコアの1−0でこの試合を制すると、準決勝では再び対戦したSS.LAVOROに1−0と、またしても僅差で競り勝ち、決勝へ進んだ。

 決勝戦はサプライズが続いた今大会にふさわしく、最後まで劇的な結末が待っていた。序盤でペースを握ったのは、選手個々のフィジカルで勝るせたなジュニアFC。ショートパスの交換でボールを動かし、両サイドをうまく使いながら何度となくシュートチャンスをつかんだ。しかし、その前に立ちはだかったのがFelire Fc U−12のゴールを守るマシュー・シューマッカー君だ。171センチと恵まれた体格でゴールマウスを塞ぎ、正確なキャッチングと力強いスローイングで反撃のリズムを作っていく。

 攻めるせたなジュニアFC、守るFelire Fc U−12という構図の中、前半のうちにスコアは動いた。せたなジュニアFCが中央から狙ったシュートは一度シューマッカー君にはじかれたものの、そこをさらに押し込んで先制。しかし、後半はFelire Fc U−12が攻勢を掛け、キックインで動かしたボールに走り込んだ鈴木悠斗君が、左足でミドルシュートを決めて同点に追いついた。試合は1−1のままタイムアップとなり、PK戦に突入する。

 4人目以降がサドンデスとなるPK戦は、まさに激闘となった。両チームとも6人目まで全員が成功。7人目、11人目に勝負を決めるチャンスがあったものの、ここはお互いに失敗してしまった。PK戦は最終的に3巡目までもつれ込み、11−10というスコアで決着。この戦いを制したFelire Fc U−12が、初めて北海道代表の座をつかみ取った。

「マシュー(シューマッカー)がキャプテンとしてチームを引っ張ってくれました。5、6年生のチームだったんですが、5年生もよく頑張ってくれた。こういう大会で全国に行くのは初めてなので、選手たちを褒めてあげたいですね」。優勝したFelire Fc U−12の福田剛監督は、そう選手たちをねぎらった。確かに、Felire Fc U−12の選手たちは全員が献身的によく走り、試合中もお互いに声を出し合ってポジションを確認していた。その姿からは、スキルや戦術以上に、選手同士の信頼の強さ、チームワークの良さが感じられた。「みんなが気持ちを一つにして、ボールをしっかり回せたことが良かったと思います」。キャプテンのシューマッカー君も、チームの団結力を勝因に挙げた。

「全国大会はどれくらい子どもたちが頑張れるか、楽しんでできるかですね。彼らの人生の糧になればいいと思っています」。福田監督が控えめにそう語る一方、選手たちは強気だ。思い切りのいいドリブルで攻撃をけん引した高林昂太君は「全国大会でも優勝を目指して頑張ります!」と力強く語ってくれた。シューマッカー君を中心とした堅守と、大胆にドリブルを織り交ぜた速攻で、全国の舞台でもサプライズを起こせるか。抜群のチームワークを誇るFelire Fc U−12が、北の大地から今治に乗り込む。

文=坂本 聡 写真=兼村竜介

By サッカーキング編集部

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