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楽しみながら勝つ! はるひ野BSCがEXILE CUP 2017 関東大会2を制覇!

2017.07.27

激戦区の関東地区大会で初優勝を果たしたはるひ野BSC

 7月23日、小学4年生から6年生を対象としたフットサル大会「EXILE CUP」の関東大会2が、山梨県昭和町の押原公園天然芝グラウンドで行われた。今年で8回目となる「EXILE CUP」は、全国9地区11会場で予選大会を行い、各会場の優勝チームが愛媛県今治市で行われる決勝大会に進出する。すでに鹿島アントラーズジュニアAが制している関東大会1に続き、関東大会2も関東各地から計52チームが集まる激戦区だ。

 大会にはEXILE CUPのスペシャルサポーターを務めるEXILE ÜSAさんに加えて、EXILE TETSUYAさん、佐藤大樹さん、Dream Shizukaさんと、豪華なゲストが参加。開会式ではÜSAさんが「いつもの練習の成果を十分に発揮して、仲間と力を合わせて、優勝目指して頑張ってください!」と選手たちに激励の言葉を掛けた。その後、グラウンドいっぱいに広がった子どもたちは、ÜSAさんが考案した「EXダンス体操」でウォーミングアップ。リズムに合わせて体をほぐすと、いよいよ予選リーグの幕が開ける。

 予選リーグは4チームずつ13ブロックに分かれて行われ、各ブロック1位の13チームと、各ブロック2位の成績上位3チーム、計16チームが決勝トーナメントへ進出する。この日は分厚い雲が太陽を遮り、時おり雨が落ちる悪天候だったものの、ピッチでは曇り空を吹き飛ばすような熱い試合が繰り広げられた。

 予選リーグではやはり、過去の大会で好結果を残している強豪チームが地力の高さを見せつけた。昨年の全国決勝大会で準優勝したFutbol Club Cano A(埼玉)は、個人技とショートパスを生かしたスタイルでHブロックを全勝する。Kブロックでは2015年の関東大会1で優勝しているtonan 北本(東京)が3連勝、Mブロックでは昨年の関東大会1を制したフウガドールすみだエッグス(東京)が2勝1分けで予選リーグを突破。“全国経験”のあるチームが順当に決勝トーナメントへの切符を手にした。

 そんな中、特に目を引いたのはDブロックのバディサッカークラブ(東京)だ。2015年の関東大会2で優勝している強豪チームは、個々の高いボールキープ力をベースにしながら、スペースを空ける動きと、そのスペースを使う動きが連動した見事なプレーを披露。初戦で八田SSS(山梨)を8−0と下すと、続く2試合も8−0、8−0と、圧倒的なボール支配力で決勝トーナメントへ進出した。また、Aブロックでは昨年の関東大会2で準優勝したAS KOFU FUTSAL CLUB(山梨)と、2015年の関東大会2で準優勝したはるひ野BSC(神奈川)が同じブロックで対決。直接対決を下したはるひ野BSCが1位通過、AS KOFU FUTSAL CLUBもワイルドカード(各ブロック2位の成績上位3チーム)で決勝トーナメントに進出した。

 ハイレベルなチームがそろう決勝トーナメントがスタートすると、予選リーグと違った緊迫感が会場を包む。技術、体力はもちろん、ここから先は精神力も問われる戦いだ。1回戦では、はるひ野BSCとFutbol Club Cano Aの試合が2−2のままPK戦に突入し、12−11という壮絶なスコアで決着。劇的な勝利を飾ったはるひ野BSCは勢いに乗り、準々決勝でJM FUTSAL SCHOOL(東京)を4−1で、準決勝ではP.S.T.C.LONDRINA SF UM(神奈川)をPK戦で下して決勝へと駒を進めた。

 予選リーグで注目を集めたバディサッカークラブは、準々決勝でダイナモ川越東ジュニア(埼玉)と対戦。予選リーグと同様、ピヴォの須永琉成君が巧みにボールをキープし、そこから丁寧なパスワークでチャンスを作り出す。一方、ダイナモ川越東ジュニアはフィクソの塩川桜道(はるみち)君が後方から正確なミドルパスやミドルシュートを放ち、ダイレクトにゴールを襲う攻撃で対抗した。対照的な両チームの戦いは1−1で決着が付かず、PK戦を制したダイナモ川越東ジュニアに軍配。準決勝でそのダイナモ川越ジュニアをPK戦の末に下したCANARINHOS FUTSAL CLUB(東京)が決勝へと進んだ。

 決勝はハイレベルな大会の頂点を競うにふさわしい、互いに一歩も譲らない熱戦となった。はるひ野BSCはピヴォの髙橋宗杜(そうど)君を中心に、リズムよくショートパスをつないで主導権を握る。対するCANARINHOS FUTSAL CLUBは攻守の切り替えが速く、組織的なプレスから個々のドリブルを織り交ぜてゴールに迫る。攻めるはるひ野BSC、カウンターを狙うCANARINHOS FUTSAL CLUBという拮抗した展開の中、先制点が生まれたのは前半終了間際。はるひ野BSCの山下温大君が自陣深い位置から大胆にゴールを狙い、鮮やかなミドルシュートを決めた。後半はCANARINHOS FUTSAL CLUBも積極的に攻勢に出たものの、はるひ野BSCの粘り強い守備の前にゴールを奪えず。逆に1点を追加したはるひ野BSCが2−0で勝利をつかみ、関東大会2の王者となった。

「正直、優勝は予想していなかったです。即席で作ったチームだったんですが、試合を重ねるごとにまとまってくれました」。山本武志監督はそう大会を振り返る。試合中はあまり細かい指示を出していなかったように見受けられたが、山本監督はそれについて「楽しもう、ということがテーマなので」と笑った。「決勝トーナメントでPK戦になった試合は、選手もイライラして、わがままなところがプレーに出ていたので、その時だけ強く言いました。自分も気持ちよく、仲間も気持ちよく、楽しくプレーしなくちゃうまくいかないよ、と」

 図らずも、キャプテンを務めた髙橋宗杜君も「楽しく」と強調した。「勝因はゴリゴリサッカーです(笑)。キレイなサッカーができなくてもいいから、試合を楽しみながら、必死に力強くプレーしようと思っていました。今日は全員がゴリゴリできたと思います」。さらにチームのMVPを聞くと「全員です!」と力強く答えてくれた。

 一つ印象的なシーンがある。予選リーグのある試合で、山本監督は得点した選手に向かって「ゴールを決めたんだから、もっと喜ぼう!」と指示していたのだ。「必死になるよりも楽しんだほうが、子どもたちは普段の力を出せる。決勝大会でも、楽しみながらやっていければと思います」。そう語る山本監督のもと、はるひ野BSCは“楽しみながら”全国の頂点を目指す。

文=坂本 聡 写真=勝又義人

By サッカーキング編集部

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