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Fリーグ2013/2014第29節すみだセントラル……浦安が名古屋から勝ち点奪取

2014.01.06

Fリーグすみだセントラルでバルドラール浦安と名古屋オーシャンズが激突 [写真]=本田好伸

SK_0105_F_002 5日、Fリーグ2013/2014 powers by ウイダーinゼリー第29節が墨田区総合体育館で開催された。終盤に差し掛かったリーグ戦は今節を含めて残り8試合。全10チームが一堂に会すセントラル開催2日目のこの日、プレーオフ進出を懸けて各チームはまさに“死闘”を繰り広げた。

 どの試合も引き分けもしくは1点差の緊迫した試合を見せたが、その中でも大きな盛り上がりを見せたのは第4試合、バルドラール浦安対名古屋オーシャンズの一戦だった。

 今シーズンのリーグ戦で3回対戦して3連敗を喫していた浦安は、試合開始早々からGKをフィールドプレーヤーに替えて戦う「パワープレー」の奇策を講じる。浦安の岡山孝介監督は試合後、この策の意図を説明した。「(浦安の選手は)名古屋に技術的には負けていないが、(名古屋とは日々のトレーニングなどの)環境面や(前日からの連戦に伴う)体力面でいかんともし難い差があった。それに(主力の)ケガ人も抱えていた。そうした差を埋めるためにはこういった戦いも必要だった」。

 パワープレーは、常に数的有利の状況を作り出せるメリットがある反面、自陣ゴールをがら空きにするために大きなリスクを伴う戦術。浦安は立ち上がりの2分にその無人のゴールに蹴り込まれ先制点を献上してしまう。しかし直後の3分に鳥丸太作のゴールで同点に追い付き、その後も短い時間で選手を入れ替えることで相手にリズムを作らせずに主導権を握っていった。迎えた前半終了間際の19分、カウンターから完山徹一が右サイドを抜け出すと、最後はゴール前で稲葉洸太郎が合わせて逆転に成功。浦安が思惑通りにリードを奪って試合を折り返した。

 後半もペースをつかんでいたのは浦安だったが30分、名古屋に一瞬の隙を突かれラファエル サカイに同点弾を決められてしまう。そこから名古屋のプレッシャーが強まったものの、その苦しい時間をしのいだ浦安は何度もゴール前でチャンスを作り出し、徐々にペースを引き戻していった。そして迎えた37分、浦安はカウンターからチャンスを作ると、フィールドプレーヤーの4人全員が得点に絡むダイナミックな攻撃から最後は再び鳥丸が勝ち越し弾を放った。

 互いに譲らぬ攻防が繰り広げられた試合は、Fリーグの“絶対王者”を追い込んだ浦安がそのまま逃げ切るかと思われたが、王者も黙っていなかった。すぐさまGKをフィールドプレーヤーの北原亘と交替してパワープレーに移ると、38分にシンビーニャのゴールで試合は三度振り出しに戻った。その後も勝ち点3を挙げるため最後の最後まで走り続けた両者だったが、得点は動かないままタイムアップ。浦安は勝利こそできなかったが、「(試合を通しての名古屋対抗策は)うまくいったと思う」(岡山監督)と作戦が奏功し、貴重な勝ち点を手にした。

 今シーズンは、前期18節を終えた時点の順位に応じて獲得したポイントと後期の順位に応じて獲得するポイントを合算し、上位4チームにレギュラーシーズン後に行われるプレーオフ出場権が与えられる。そのため各チームは一瞬たりとも気が抜けず、この先も緊迫した戦いが続いていく。その意味で、両日ともに立ち見が出るほどの満員御礼となったすみだセントラルは、リーグ終盤戦への大きな分岐点となったに違いない。

[Fリーグ2013/2014 powers by ウイダーinゼリー 第29節 試合結果]
日時:2014年1月5日(日) 会場:墨田区総合体育館(東京都)

デウソン神戸 3-2(2-1、1-1) シュライカー大阪
バサジィ大分 2-2(1-1、1-1) エスポラーダ北海道
アグレミーナ浜松 3-4(1-1、2-3) 湘南ベルマーレ
バルドラール浦安 3-3(2-1、1-2) 名古屋オーシャンズ
ペスカドーラ町田 3-2(1-1、2-1) 府中アスレティックFC

文・写真=本田好伸

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