2013.03.17

PK戦へともつれ込む死闘を制し名古屋が優勝/PUMA CUP 2013

“Fリーグ絶対王者”の意地に懸けて負けられない名古屋は、PK戦までもつれ込む激闘の末に大会初優勝を果たした

 3月17日、「PUMA CUP 2013 第18回全日本フットサル選手権大会」の決勝戦が行われ、フットサル日本一のチームが決定。地域リーグのフウガすみだがFリーグ王者の名古屋オーシャンズを相手にPK戦にまでもつれ込む激闘を演じたがあと一歩届かず。名古屋が今大会初優勝(前身チームを含まず2007年のFリーグ開幕以降で初)を果たした。

 決勝戦はフウガの先制点で幕を開けた。5分、ゴール前に走込んだ岡山和馬が半田徹也からの縦パスを受けてそのままシュート。名古屋の牙城をいきなり崩した。しかし直後の6分、ラファエル サカイが中央からのミドルシュートを決めて同点。”地域対F”という雰囲気は微塵も感じられず、がっぷり四つに組んだ激しい試合は、前半にもう1点ずつを加えて同点のまま後半へと突入した。後半もリードを奪ったのはフウガ。27分に太見寿人が宮崎曉との連係から決めて勝ち越しに成功。しかし名古屋が簡単に勝たせてくれるはずもなく、ここからフウガは名古屋の猛攻にさらされる。リカルジーニョや森岡薫といった圧倒的な存在感を放つ選手たちが次々にフウガのゴールへと襲い掛かったが、フウガはGK大黒章太郎のファインセーブや、体を投げ出したディフェンス陣の踏ん張りもありその脅威のアタックを凌いでいた。しかし34分、今度は防ぎ切れずに、左サイドの森岡からのボールを中央でサカイが合わせて3-3となり試合は再び振り出しに戻った。名古屋のたたみ掛けるような攻撃を受けて体力を奪われたフウガはその後防戦一方となったが、決死の守備を見せて試合はついに延長戦へと突入した。

 迎えた延長前半の44分、左サイドの吉川智貴が値千金の勝ち越し弾を放った。この試合で初めてリードを奪った名古屋はその後もフウガを攻め立てるが追加点は奪えず。しかし試合は延長後半へと入り、名古屋の優勝へのカウントダウンが始まっていた。そして残り4秒。試合をあきらめていないフウガが最高の見せ場を作った。右サイドのキックインからゴール前へと送られたパスに飛び込んだのは太見。執念でゴールへと押し込み4-4。試合は5,090人の大観衆を熱狂させる展開となり、勝負はPK戦での決着となった。最初の1人ずつをGKがそれぞれセーブしたが、残りの選手たちは確実にゴールを決めていく。そして先攻名古屋の5人目リカルジーニョが決めると、続いてのキッカーはフウガの諸江剣語。かつてFリーグでもプレーした諸江のシュートは無情にも名古屋の守護神、川原永光がシャットアウト。その瞬間、名古屋の選手たちは川原のもとへとなだれ込み、一方でフウガの選手たちはその場で肩を落とした。”地域リーグの雄”と”Fリーグ絶対王者”による文字通りの死闘はほんのわずかな差で決着が付き、名古屋が日本一の栄冠を手にした。

「(4年前に同大会決勝でフウガに敗れていたので)リベンジを果たせましたが、PK戦での勝利なのですっきりはしません。フウガは素晴らしいチームでしたし、名古屋がダメだったのではなく彼らの戦いが素晴らしかったということです」(名古屋オーシャンズ・北原亘)

「PK戦の前で勝利を決めたかった。今大会のチームの初優勝はうれしいですけど、物足りない結果です。僕たちは決めるところで決められなかったのでこの結果を招いてしまいました。フウガは本当に気持ちが強いチーム。その気持ちの面で僕たちは負けていたかもしれません」(名古屋オーシャンズ・森岡薫)

 負けてなお強しの印象を残したのはフウガだった。名古屋はFリーグのプロクラブとして地域リーグのチームを圧倒したかったが、そうさせてくれない力を示したフウガの戦いぶりを、観客を含めた多くの関係者が讃えた。須賀雄大監督も、「今大会は大阪や名古屋の強さを見定めた上で、(自分たちのスタイルを貫いて)戦うことができた」と振り返る。4年前、優勝するために自分たちのスタイルを捨ててなり振り構わずにFリーグのクラブに挑み、そして優勝を果たした当時には得ることができなかった手応えをつかんだ。その4年間の成長を感じながらも、試合を終えた直後の選手はさらにこの先を見据えていた。

「内容では完全に名古屋に負けていました。このまま伸びるのか、停滞するのか。僕たちは先を見据えて、名古屋と対等にプレーできるようになりたい」(フウガすみだ・太見寿人)

 試合には敗れたが、フウガはどのチームにも負けないものを持っていた。それゆえに、日本フットサル界最高峰の舞台で大きな力を示すことができた。太見が語った一言がそれを端的に表す。「フットサルに懸ける情熱はFリーグにも負けていない」。
名古屋の大会初優勝が霞んでしまうほどにフウガがインパクトを与えた「PUMA CUP 2013 第18回全日本フットサル選手権大会」が幕を閉じた。

 なお決勝戦の前に行われた3位決定戦は、効率よく得点を重ねたエスポラーダ北海道が湘南ベルマーレの追い上げを振り切って3-1で勝利。今大会初の3位を手にした。

PUMA CUP 2013 第18回全日本フットサル選手権大会 決勝トーナメント
2013年3月15日(金)~17日(日)
会場:国立代々木競技場第一体育館(東京都)
【3月17日(金)試合結果】
12:01/3位決定戦
エスポラーダ北海道 3-1(2-0、1-1) 湘南ベルマーレ
15:00/決勝
フウガすみだ 4-4(2-2、1-1、延前0-1、延後1-0、PK3-4) 名古屋オーシャンズ

文・写真=本田好伸

Jリーグ順位表

サンフレッチェ広島
56pt
川崎F
52pt
FC東京
43pt
Jリーグ順位をもっと見る
町田
61pt
松本
61pt
大分
60pt
Jリーグ順位をもっと見る
琉球
47pt
沼津
43pt
鹿児島
43pt
Jリーグ順位をもっと見る