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東俊希、“勘違い”で先輩・野津田にFK譲らず「集中しすぎて聞いていなくて…」

サンフレッチェ広島に所属する東俊希(写真は4月10日の大邱FC戦) [写真]=Getty Images

 キッカーを譲る気配は全くなかった。ペナルティエリア手前でのFKの絶好機。いち早くボールを持ったのは18歳のMF東俊希だ。

 サンフレッチェ広島は3日、第99回天皇杯全日本サッカー選手権大会2回戦で沖縄SVと対戦し、4-0で快勝して3回戦に進出した。

 結果への強い意欲を見せた。東は左ウイングバックで先発出場し、序盤から高い位置を取って相手DFの背後やエリア内のフリースペースを積極的に狙った。FKのチャンスのシーンでも、MF野津田岳人がボールに近寄ってきたが、譲る素振りを全く見せない。たとえ先輩だろうと、キッカーは譲らない。そんな強い意志にも見えたが、実は天然な勘違いがあったという。

「前日練習でもあそこのポジションは俺が蹴っていたので、『俺が蹴ります』と言って、譲ってくれたと思っていた。でもガックン(野津田)は『俺が蹴る』と言っていたらしいけど、集中しすぎてそれを全然聞いていなくて…」

 そんなことと知らず、野津田も負けじとボールをセットして対抗したが、それも東にとっては先輩の優しさだったようだ。「(相手との)駆け引きで、俺が蹴るから、ガックンが置いてくれたのかなと思った」。だが、結局は自らボールの位置を調整。「相手にバレないように、起き直しました(笑)。人に置いてもらうのはちょっと違うなと思って…」

 蹴りたがる先輩の前に堂々と立ち、渾身のシュートを放ったが、わずかに枠の上に外れた。「入ったら良かったけど、申し訳なかったです。(ハーフタイムに)俺が『勘違いしていました』って普通に謝りました(笑)。(野津田は)『じゃあいいよ、いいよ』って言っていました」。それでも、得点への意欲を貫けたことに自身は納得している。「いつも譲っていたところがあったので、今日は蹴りたいなと思いました」

 FKのチャンスこそ活かせなかったが、その強い意欲は後半立ち上がりの47分に実った。再びエリア手前のFK、今度は野津田がキッカーを務め、GKの目の前でバウンドさせる縦回転の強烈なシュートを放つ。すると、東がGKのこぼれ球を押し込んで先制点。狙いどおりの形だった。「ガックンのシュートだったら、相手はキャッチしにくい軌道なので、相手より早く予測して、タイミング良く信じて走った結果が転がってきた」

 さらに81分には、同期のDF松本大弥のゴールも演出。「たまたまだったけど、大弥のプロ初ゴールをアシストできたのは嬉しかった。普通に嬉しかったので、抱き合いました(笑)」

 U-20ワールドカップから復帰後、初の先発フル出場で1ゴール1アシストを記録して勝利の立役者となった。「W杯に行く前と比べて、アグレッシブなプレーができているし、強度は高まっていると実感できている」。それを結果で証明し、「点を取ってアシストもできたのは大きかった」と手応えを得たが、「(W杯の)経験を今に生かせないと意味がないので、しっかり練習をやっていきたい」とますます意欲に燃えた。

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