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【ACLラウンド16展望|川崎F】“らしさ”に“したたかさ”を加えた川崎Fが前回覇者に挑む

[写真]=J.LEAGUE

心身のコンディションがカギに

 Jリーグ王者がアジア王者に挑む。

率直に言えばそんな構図だが、このAFCチャンピオンズリーグ ラウンド16は、川崎フロンターレにとっては決戦だ。相手は前回の覇者。それも敵地での一発勝負なのだから、今大会における最大の難関だと評しても決して言い過ぎではないはずだ。

 川崎にとっては、公式戦7連戦を終えて臨む日程となった。7連戦目となったJリーグYBCルヴァンカップ後の監督会見で、鬼木達監督は翌週に控えたこの蔚山現代戦に向けた展望を、こう口にしている。

「頭の切り替えと、あとはやはり体のところですね。数多くのケガ人を抱えていますし、今日も自分のポジションではない選手もいました。それでも自分たちらしい戦いを見せてくれました。得点シーンもそうですが、少しずつ積み上げながら成長していきたいと思います」

 その言葉にあるように、まずは心身を含めたコンディションの回復が最優先となった。蔚山現代戦を迎えるまでには約8日のインターバルがある。それまでは遠距離移動が多く、連戦続きだったことを考えれば、チームにとっては十分な休養ががあったと言える。

 そのため、負傷離脱していた主力がどこまで復帰しているかは大きなポイントとなる。出国前の全体練習が公開されなかったため詳細が把握できていないが、主将の谷口彰悟、車屋紳太郎、旗手怜央、大島僚太といった主軸は、直近の公式戦までには復帰できていないのが現状だ。いずれにせよ、現状のメンバーでいかにベストを尽くすか。そこが焦点となりそうである。

ベテラン家長に期待される役割

 アジアでの戦いを振り返ると、ウズベキスタンで集中開催されたグループステージを6戦全勝で終えるなど、チームはたくましさを示した。海外移籍の準備で渡独していた田中碧が不在の中でも、J王者としての前評判どおりの強さを披露。特にグループステージで最大のライバルと目された大邱FCとの戦いぶりは見事だった。ピッチコンディションがひどく、自分たちのサッカーが表現できない試合となったが、それでもしたたかな試合運びで勝ち切った。大会前に「選手達にはタフさを求めたい」と語っていた指揮官は、チームの成長を感じていると胸を張った。

「このACLのタイトルを取りたいという意欲。それを選手からも感じているし、それがピッチに現れていると思います。今までは自分たちのサッカーで相手をねじ伏せたい。その思いは今もありますが、それにプラスして、それができなくても、違う形でも、違う強みを出していける。そういう頭を持てるようになっている。メンタル的なタフさも大きいのかなと思います」

 自分たちらしさを発揮できなくても、いかに勝っていくのか。例えばルヴァンカップでは、試合終盤にセットプレーから2得点を挙げている。どんな形でも1点は1点であり、ましてや一発勝負である。ストライカーのレアンドロ・ダミアンと小林悠が好調を維持しているのも頼もしいかぎりで、環境や条件に応じて戦いを変えていく経験は、敵地である蔚山現代戦でもポイントになるはずだ。

 そうした道しるべの役目をピッチで期待したいのは、ベテランの家長昭博だろうか。蔚山現代というクラブは、実は彼にとって古巣でもある。内に秘めている思いは強いだろう。中村憲剛がいなくなっても、川崎には家長昭博がいる。苦しい台所事情で臨むことが予想できる中、背中でチームを引っ張っていく老獪なプレーを見せてほしいところだ。

 相手が前回王者である以上、ここで撃破すればアジア王者もぐっと近づくだろう。史上初となるJリーグとACLの2冠制覇に向けた正念場に川崎フロンターレは挑む。

文=いしかわごう

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