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【ACLグループH展望|横浜FM】アジアの中では未知の存在…対応される前に勝負を決められるか

2020.11.24

再開直後は上海上港との2連戦が組まれている横浜FM [写真]=Getty Images

堂々たる戦いぶりで好発進

 横浜F・マリノスにとって2014年以来、6年ぶりとなるAFCチャンピオンズリーグの舞台は「自分たちのサッカーに自信を持っている。楽しみでしかない」(喜田 拓也)。

 初戦はアウェイで韓国王者の全北現代に臨み、序盤から得意のポゼッションサッカーで相手を圧倒。33分に遠藤 渓太(現在はウニオン・ベルリンへ期限付き移籍中)が仲川 輝人のクロスに合わせて先制点をもたらすと、続く37分にも遠藤が左サイドを攻略し、オウンゴールで追加点を挙げる。後半に1失点したものの、試合の主導権を終始握って勝ち点3を得た。

 第2戦はオーストラリアのシドニーFCをホームで迎え撃ち、4-0で快勝。全北現代戦の勝利で勢いを得た攻撃陣が大爆発した。オナイウ 阿道の加入後初ゴールを皮切りに、仲川が2ゴールを挙げて前半を3-0で折り返す。後半に入っても攻撃の手を緩めずオナイウが自身2点目を決めて勝負を決めた。

 試合を振り返ったアンジェ・ポステコグルー監督は「ベリーグッドパフォーマンス。いいスタートが切れた。自分たちが試合をコントロールできたし、支配できた」と満面の笑み。Jリーグチャンピオンが堂々たる戦いぶりで2連勝を収め、アジア制覇に向けて好発進した。

初戦から2連勝中の横浜FM [写真]=Getty Images

2年連続となるタイトルを勝ち取れるか

■試合日程(日本時間)
2月12日(水) 対 全北現代 2-1
2月19日(水) 対 シドニーFC 4-0
11月25日(水)22:00 対 上海上港
11月28日(土)22:00 対 上海上港
12月1日(火) 19:00 対 全北現代
12月4日(金) 19:00 対 シドニーFC

 再開直後に組まれている上海上港との2連戦がさっそく勝負どころとなる。ここで好結果を得ることができれば、早いタイミングでのグループリーグ突破も見えてくるだろう。勝ち進んだ場合、準決勝まで中2日での過酷なスケジュールが組まれていることを考えると、できるだけ早く突破を決めて心身ともに余裕を持って次のステージへ進めるのがベストだ。

 2連勝を飾った初戦と第2戦では、対戦相手が横浜F・マリノスのサッカーに全く対応できていなかった。研究と対策が進んでいるJリーグ勢との戦いと大きく異なり、アジアという枠組みの中ではまだまだ未知の存在なのだろう。当時と状況が全く同じとは想像しにくいが、どの試合も対応される前に一気呵成に勝負を決めるのが理想だ。

 今年のリーグ戦では8月中旬から10月下旬まで公式戦22連戦を戦った。負傷者が続出する時期もあり、決して順風満帆に過ごせたわけではないが、選手たちがタフになったのは間違いない。先発を入れ替えながら試合に臨むことで、選手層も厚みを増した。

 これまでの戦いすべてを経験値に変え、アジアチャンピオンを目指す。横浜F・マリノスらしい勇猛果敢な戦いで、2年連続となるタイトルを勝ち取りたい。

【KEY PLAYER】FW 45 オナイウ 阿道

 リーグ戦ではここまで23試合に出場し、3得点をマークしているものの、先発は7試合にとどまっている。印象的なゴールを決めている一方で、コンスタントに出場機会を確保できていない。それもあってか「全くチームに貢献できていない。(個人成績は)満足できるものではない」と悔しさを露にする。

 そんなオナイウ 阿道にとって、ACLは自身の“真価”と“進化”を発揮するための重要な舞台だ。外国人枠に限りのある今大会は、出場回数も増えるだろう。チームを勝利に導く八面六臂の活躍に期待したい。14日の浦和レッズ戦では本職とは違うトップ下で先発し、好パフォーマンスを見せた。周囲を巧みに使う献身的なプレーは、貴重なオプションになるはずだ。

【MANAGER】アンジェ・ポステコグルー

昨季、チームをリーグ制覇に導いたポステコグルー監督 [写真]=Getty Images

 監督就任と同時に「アタッキングフットボール」をテーマに掲げ、それまで守備に軸足を置いていた横浜F・マリノスのスタイルを劇的に変えた。1年目の2018年こそ残留争いと苦しんだが、2年目の2019年にリーグタイトルを獲得。いつ、いかなるときも攻撃の姿勢を緩めず、ゲームを支配し、相手ゴールを狙い続ける。その戦い方は舞台がアジアに変わっても不変だろう。これからも選手にハードワークと成長を求め、強烈な個性でチームをまとめ上げていく。

文=藤井雅彦

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