2018.11.06

外国人カルテットが示した“常勝”のDNA…アジア王者へ最後の関門は中東の大アウェイ

左から、レオ・シルバ、セルジーニョ、チョン・スンヒョン、クォン・スンテ [写真]=Getty Images
サッカー総合情報サイト

 11月3日、日本テレビは「サッカーアース」を放送。特別版として、決勝戦1stレグが開催されたAFC・チャンピオンズリーグ(ACL)のマッチレビューを放送した。

 ホームにペルセポリス(イラン)を迎えた鹿島アントラーズは試合序盤、イラン王者の圧力に苦しむ展開を迎える。それでも、徐々に落ち着きを取り戻すと、前半をスコアレスで折り返す。迎えた58分、土居聖真とのワンツーでエリア手前中央に抜け出したレオ・シルバがシュートを流し込み、先制に成功した。さらに70分、高い位置で三竿健斗がこぼれ球を拾うと浮き玉のパスをエリア内に供給。これを受けたセルジーニョが冷静にネットを揺らし、貴重な追加点が決まった。試合はこのままタイムアップを迎え、鹿島がホームでの1stレグを2-0で制した。

[ACL 決勝戦1stレグ]

【スコア】
鹿島アントラーズ 2-0 ペルセポリス

【得点者】
1-0 58分 レオ・シルバ(鹿島アントラーズ)
2-0 70分 セルジーニョ(鹿島アントラーズ)

 ついに王手をかけた! Jリーグ創設から25年、19ものタイトルを積み重ねた常勝軍団が、初のアジア王者戴冠へ最後の戦いに挑む。

 1stレグは「最高の結果」と言って良い。勝利が最低条件とも言うべきホーム初戦で、中東の雄を相手に2得点。守っては猛攻に屈することなく執念で完封してみせた。しかし、キャプテンを務めた昌子源は、「前半は硬かった。ファーストプレーでスンヒョンがビッグプレーをしてくれました。後半の修正力がこの結果を生んでくれたと思います」と、アジアタイトルを懸けた戦いの難しさも再確認していた。

完封勝利の立役者となった韓国人コンビ

[写真]=Getty Images


 試合開始早々の出来事だった。4分、鹿島はキックオフから攻め込まれると、右からのクロスを許し、大ピンチを迎えた。しかし、相手が1トラップから放った決定的なシュートに、チョン・スンヒョンが身体を投げ出し飛び込んだ。シュートはチョン・スンヒョンの顔面を直撃し、相手の決定機を気迫で阻止した。

 もう1人忘れてはならない選手がいる。GKクォン・スンテだ。昌子が「硬かった」という通り、立ち上がりはリズムがつかめず、相手の波状攻撃が続いた。そんな中、クォン・スンテは落ち着いたセービングでピンチを防ぎ、最後の砦として君臨し続けた。

ブラジル人コンビも攻守に大奮闘

[写真]=Getty Images


 攻撃面でも助っ人の活躍が際立った。番組の解説を務める北澤豪氏が「この硬い試合で、良くゴールのきっかけを作り出したと思います」と称賛したのが、レオ・シルバとセルジーニョのブラジル人コンビだ。

 三竿健斗とボランチでコンビを組んだレオ・シルバは、バランサーとしての役割はもちろん、チャンスと見るや積極的に前線に飛び出した。決勝点となった先制点を決めた活躍は言わずもがなだが、一転、鹿島がピンチを迎えようとすると即座に帰陣して、相手のカウンターアタックを未然に防いだ。

 そして、勝負を決定付けたのはセルジーニョだった。今夏に途中加入し、すぐさまチームに溶け込むと、ACLでは決勝トーナメント全試合で得点を決めてきた。ブラジル人特有のテクニックに加え、献身的に駆け回ることも厭わない。攻守でスプリントを繰り返しチャンスを待ち続けると、こぼれ球からの二次攻撃に素早く反応。チーム待望の2点目を決めて勝負を決定付けた。

国籍関係なく全選手に宿る“常勝”のDNA

[写真]=Getty Images


 2ndレグへ大きなアドバンテージを手にした。2点リードに加え、アウェイゴールを許さなかった。これで優勝の条件は、「勝ち」「引き分け」「1点差の負け」「1得点以上の2点差負け」となった。泣いても笑っても残りは1試合のみ。20冠目となるビッグタイトル獲得へ、あと一歩だ。

 当然、油断はできない。2ndレグの会場となるアザディ・スタジアム(テヘラン)の収容人数は約10万人。鹿島の歴史を辿っても、これほどの大アウェイは例を見ない。それでも、鹿島には受け継がれてきた伝統がある。これまでも幾度となく窮地に追い込まれてきたが、その度に乗り越え、他のチームを凌駕するほどの結果を残してきた。1stレグで外国人カルテットが見せたプレーの数々もそれを物語っている。技術の高さに奢ることなく、汗をかくことを苦にせず、身体を張って戦う。冷徹なまでの強さと勝負強さゆえに、いつしか「常勝」と言われるまでになった。鹿島がJリーグ屈指の名門として君臨し続けられる理由は、闘う意志の強さにあるのかもしれない。

「ACLはこのクラブが獲ったことがない唯一のタイトル。それを獲るチャンスが目の前にあって、鹿島の歴史に名を残すチャンスだと思う。みんなで出せる力を全て出して、必ず勝ちたいです」(三竿健斗)

“常勝”のDNAは国籍関係なく全選手に宿っている――、今の鹿島なら、どんな過酷な状況も乗り越えてくれるだろう。決戦は11月10日、鹿島は完全アウェイのテヘランに乗り込む。

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