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全国への思いが推進力に…LIV FOOTBALL CLUB U-12が『JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN北海道』を制覇!

2021.04.14

『JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN北海道』を制したLIV FOOTBALL CLUB U-12 [写真]=日刊スポーツ

 全道少年(U-12)8人制サッカー大会兼JA全農杯全国小学生選抜サッカー大会IN北海道が4月10、11日、苫小牧市緑ケ丘公園サッカー・ラグビー場で行われた。全道の地区予選を勝ち上がった16チームがトーナメント戦で激突。決勝でLIV FOOTBALL CLUB U-12(TOPインドアステージ札幌森林公園)がASARI Football CLUBに4-2で勝利し、5月3~5日に横浜市の日産スタジアムと日産フィールド小机で開催される全国大会への出場を決めた。

 1チーム8人で戦うゲームは、12分の3ピリオド制で、1人の選手がプレーできるのは2ピリオドまで。フルサイズのほぼ半分の68メートル×50メートルのピッチ上でU-12の選手たちが躍動した。

 準決勝は2試合とも、敗退したチームにも収穫のある接戦だった。LIVは延長戦の末に2-0で北海道コンサドーレ東川U-12に競り勝った。コンサドーレの木崎拓也監督は「負けはしたが、冬場に強化してきた、個人で局面を打開するプレーがこの試合でできていた。次の大会では面白いゲームができる」と手応えをつかんだ様子だ。

 ASARIは第2ピリオドまで0-0のじりじりしたせめぎ合いとなったHKD FOOTBALL CLUB U-12との戦いを、3-1でくぐり抜けた。HKDは昨年度にチーム名を変更したばかり。阿部智也監督は「第1ピリオドから攻撃的に自分たちのペースを作ることを目指したが、なかなかフィニッシュに至らなかった。それでも、チームが一つになったプレーができつつあった。新体制になって早々の全道4強。これを励みに夏に臨みたい」と前を向いた。

 そして、決勝の笛が鳴った。LIVの選手たちは延長戦にもつれこむ厳しい準決勝を勝ち抜いた疲労と安ど感から、出足は流れをつかめずにいた。だが、第1ピリオドのうちに走りながらリズムを整えていく。

 一つには全国大会への強い意欲が推進力になったかもしれない。試合前、「まだ対戦したことのないようなタイプのより強いチームや選手と対戦ができることは大きな経験になる」と全国大会出場の持つ意味を共有していた。

 口火を切ったのは守谷春輝(6年)だ。攻め込んでいた時間帯。味方のシュートがゴールポストに跳ね返されたこぼれ球に素早く駆け寄ると、斜め左から左足を振り抜き、ボールはゴールに吸い込まれた。「自分が先制点を決めて、みんなに勢いを付けたかった。落ち着いて、反応も良くシュートを打てた」(守谷)という思いが鮮やかなゴールにつながった。

[写真]=日刊スポーツ

 LIVは後ろから大事に組み立てていくサッカーを持ち味とするが、春先、さらに積極性を高めるため、「相手の嫌がる場所を攻め、ディフェンスラインの裏を奪う攻撃に取り組んできた」(堀絢一監督)。

 その新たな強化策の結果が表れたのが続く2点目だ。ボランチの山本脩太主将(6年)は自陣でボールを持った瞬間、相手が前に押し上がっている全体の状況を見て取る。「今だ。ゴロでは届かないだろうから、浮き球を菊地に送ろう」。山本脩の冷静な判断通り、長いスルーパスが前線にいた菊地渉太(6年)の前方に転がり、「いいのが来た」と菊地はボールに向かって走り込んだ。後方で山本脩は「決まった」と思っていた。

[写真]=日刊スポーツ

 パスを受けた菊地は一気に相手を振り切り、冷静にゴールを決めた。試合後、菊地は「相手GKが前に出たときに頭を越えるシュートが今大会では1回戦と決勝で決められた。状況を把握できていないと無理なシュートなので、たくさん練習を積んできた」と満面の笑みを見せた。

 2-0で迎えた第2ピリオドには、トップにいた長身の山本愛斗(6年)が2本のゴールを決めた。1本目はGKが手の出ないループシュート。2本目はボレーシュート。トップの的確な位置でボールを受け、巧みなドリブルのさばきで相手をかわす山本愛がゴールに結び付けた。「いい感じにパスをもらったから決めなきゃと思った。その通りにできてうれしい」と語った。

 その後、ASARIが第2ピリオドの終盤と第3ピリオドに千葉柚臥(6年)のシュートで1点ずつを入れ、4-2と迫る。LIVを「トレーニングでやり切れていない互いの意思疎通のずれが出て、流れが相手に行ってしまった」(堀監督)と焦らせたが、ここで終了の笛。LIVが全道の頂点に立った。

 ASARIの牧田明則監督は「第1、第2ピリオドで劣勢になるのは想定していた。その中でも第2ピリオドで1点返せて、戦えていた。第3ピリオドはいつものビルドアップからのポゼッションがうまく機能した。次につながる準優勝だった」と振り返り、次の大会での活躍を誓った。

 LIVは欲しかった全国キップを手に入れた。選手たちは「全国でも今大会みたいなシュートでチームを導きたい」(菊地)、「全国では悔いのないように、正々堂々と戦って勝ちたい」(守谷)と、3週間後が待ち切れない様子。堀監督は「全国では自分のやりたいことを味方に伝え、味方のやろうとしていることを感じ取るプレーがどれだけできるか。そこを重視して臨みたい」と勝負を懸けるつもりだ。

 LIVはクラブの運営会社が新体制になったばかり。その点でも躍進ののろしを上げる今回の優勝となった。

文=高野祐太

 全国9地区で開催される『JA全農杯全国小学生選抜サッカー』の模様は@zennoh_sportsにてTwitter速報を実施。

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By サッカーキング編集部

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