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【インタビュー】40年を超えて日本サッカーを応援し続けるキリンが仕掛ける「新しい応援」とは?|山口浩樹氏(キリンホールディングス株式会社)

2020.12.25

 飲料メーカーである「KIRIN」とサッカー日本代表には、40年を超えて築き上げてきた深い絆がある。

 発端は1978年。渋谷区神宮前に本社を構えていた当時のキリンビールは、岸記念体育館内にあった“ご近所さん”の日本サッカー協会(JFA)からの提案を受け入れる形で、日本で初めての本格的国際サッカー大会「ジャパンカップ」に協賛。日本代表の強化を目的とする同大会は1985年に「キリンカップサッカー」と名称を変え、1992年には国際Aマッチに認定されてサッカーファンの認知を得た。

 さらに、日本代表が初めて世界の大舞台に立った1998年には、「日本代表オフィシャルスポンサー」として、それまでのキリンビールだけでなく“キリングループ”としての全面的な支援をスタート。以来、日本代表の活動に不可欠な「キリンチャレンジカップ」の開催(2001~)やサッカーファンの大好評を博した「勝ちT」キャンペーン(2002)、さらには震災復興支援の一貫として「JFA・キリン スマイルフィールド」を実施(2011~)するなど、キリンが次々に実現してきたユニークでパワフルな応援活動はいつも日本サッカーの盛り上がりを後押ししてきた。そうした姿勢は、「オフィシャルパートナー」に呼称変更した2015年以降もまったく変わらない。

 そんなキリンが、2021年から「新しい応援、ひろがる。」をキーメッセージに日本サッカー史上初※の試みとし、「#届けてキリン ライブ応援」発表した。その話を伺いに、グループ全体のコーポレートブランディングを担う「ブランド戦略部」でサッカー日本代表を担当する山口浩樹氏を訪ねると、ごくごく自然に日本代表ユニフォームを着こなして対応してくれた。
※応援メッセージをリアルタイムにピッチ横のLED看板に表示するのは日本サッカー史上初(キリン調べ)。

取材・文=細江克弥
写真=野口岳彦

サッカーを通じて人を応援したい

キリンホールディングス株式会社のブランド戦略部に所属する山口浩樹氏 [写真]=野口岳彦


――そもそも、なぜ、キリンはサッカー日本代表を応援し続けるのですか?
山口 キリンとJFAの関係は“ご近所付き合い”として1978年にスタートするのですが、40年以上を経た今の活動は単なる支援には留まりません。「オフィシャルパートナー」としての応援の根底には、「サッカーを通じて、人を応援したい」という思いがあります。サッカーを通じて人と人を繋ぎ、KIRINへの共感や期待を獲得していきます。長い歴史の中には、日本サッカー界にとっても、キリンにとっても、よい時もあれば、厳しい時もありましたが、その姿勢は今も変わりません。

――応援の目的は?
山口 もちろん、私たちの事業にある「飲みもの」とサッカーというスポーツの親和性はかなり高いと考えています。ゴールや勝利の喜びを分かち合う乾杯は、スポーツを愛する人にとって最高の瞬間ですよね。一方で、コーポレートブランディングにおいても、サッカー応援活動は欠かせません。サッカーが持つ、「高揚感」、「一体感」、「ワクワク感」をお客様に提供し、2019年より掲げているキリンのコーポレートスローガン「よろこびがつなぐ世界へ」をサッカーでも実現していきます。

こういう状況だからこそ、キリンにできること


――来年3月に実施予定の「#届けてキリン ライブ応援」は、とても斬新なアイデアですね。
山口 日本サッカー史上初の試みとして、試合中に「#届けてキリン」を付けた応援メッセージをTwitterに投稿すると、リアルタイムにピッチの横のLED看板に表示し、選手に応援を届ける「#届けてキリン ライブ応援」を3月25日(木)アジア2次予選ミャンマー代表戦と6月、7月の「キリンチャレンジカップ2021」で実施予定です。たとえ、スタジアムに行けなくても、応援を選手に届けたいと思っています。

――そういうアイデアはどのようにして生まれているのですか?
山口 もともと、2019年から、「新しい応援、はじまる。」をキーメッセージに「観る応援」から、「参加する応援」を目指し、スタジアムに来られない人も、Twitterから応援メッセージを投稿し、選手に応援を届ける企画を実施していました。日本代表戦を実際にスタジアムで観ることができるサッカーファンは一部の方であり、全国の大半のサッカーファンは自宅など、テレビ観戦しているのが実態です。そういったファン・サポーターの熱量ある応援の声を、選手に届けるべくスタートしました。結果的に試合中に、企画のハッシュタグ「#キリチャレの日」はTwitterの世界トレンド1位という結果を残すことができ、その瞬間を全国のファン・サポーターと一緒に祝えたことは大きな収穫でした。

――その時は、どうやって応援を選手に届けていたのですか?
山口 試合終了後に、集まった応援メッセージをボードにまとめて、合宿中の選手に届けていました。しかし、その応援をもっとリアルタイムに、そして選手のすぐそばに届けるにはどうしたらよいか試行錯誤を重ねた結果、従来広告に使用するLED看板に表示することで、より参加いただくファン・サポーターの一体感を醸成できるのではと考えました。

選手とファンをつなぐ架け橋に

山口浩樹氏は日本代表ユニフォームを用意して取材に応じてくれた [写真]=野口岳彦


――今年10月の国際親善試合でも、試合中にTwitterキャンペーンを実施しました。その時のファン・サポーターの反応はいかがでしたか?
山口 試合前から、「やっとサッカーのある日常が戻ってきた」や「待ってたぞ日本代表」というような、ファン・サポーターからの久々の代表戦を待ち望む多くのメッセージが届きました。それだけ今年は、サッカーに枯渇した1年であり、久しぶりの代表戦の注目度などからも、サッカーが持つ人や社会を元気にする力を改めて感じました。

――「#届けキリン ライブ応援」にも大きな手応えを感じられたということでしょうか?
山口 そのとおりです。ファン・サポーターの熱量もそうですが、一方で、応援を受けとる選手に耳を傾けると、別の企画で、サッカー日本代表キャプテン吉田麻也選手から「(ファン・サポーターからの)応援は力になる」という言葉をもらい、この「#届けてキリン ライブ応援」がニューノーマルの新しい応援スタイルになるのではと思いました。

――選手に期待することや、今後の日本代表応援の展望は?
山口 LED看板に表示される応援を通じて、「日本代表を応援する人は、日本中にたくさん存在するんだ」ということを伝え、応援を受けとった選手には、ぜひその応援を力に変えてゴール勝利に繋げてもらいたいと思います。キリンが、ファン・サポーターと選手の間に「応援の循環」生み出し、どんな状況であっても、両者を結ぶ架け橋のような存在になりたいですね。

■「#届けてキリン ライブ応援」実施スケジュール
実施日(予定):
「アジア 2 次予選」 2021年3月25日(木)
「キリンチャレンジカップ 2021」
2021年6月3日(木)、6月11日(金)、7月12日(月)、7月17日(土)
[Webサイト] https://www.kirin.co.jp/csv/soccer/nc/liveled/index.html
[Twitter] https://twitter.com/kirin_soccer_nc

■『キリンチャレンジカップ2021』スケジュール
日時:2021年6月3日(木)
対戦:SAMURAI BLUE 対 未定
会場:北海道/札幌ドーム

日時:2021年6月11日(金)
対戦:SAMURAI BLUE 対 未定
会場:兵庫/ノエビアスタジアム神戸

日時:2021年7月12日(月)
対戦:U-24 サッカー日本代表 対 未定
会場:大阪/長居球技場

日時:2021年7月17日(土)
対戦:U-24 サッカー日本代表 対 未定
会場:兵庫/ノエビアスタジアム神戸

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