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ブザービートの決勝ゴールで東京Vが初優勝! 最後の1秒まで感動を生み続けた第12回ビーチサッカー大会

2017.09.12

第12回全国ビーチサッカー大会の決勝戦は、東京ヴェルディBSとアヴェルダージ熊本BSの顔合わせとなった

文・写真=Noriko NAGANO

 9月10日、兵庫県明石市で、3日間にわたって繰り広げられた日本一を決める第12回全国ビーチサッカー大会の決勝戦が行われた。ファイナリストは、同日午前に行われた準決勝を含め6試合目となり、気力、体力が必要な決戦となった。

 決勝に残ったのは、今年2月にJリーグクラブ初のビーチサッカーチームとして誕生した東京ヴェルディBS(東京V)と創設2年目2回目の出場となるアヴェルダージ熊本BS(熊本BS)。東京Vは初出場とはいえ、そのメンバーは、監督兼選手の茂怜羅オズを筆頭に7人の日本代表経験者を擁し、さらにこの全国大会のためにブラジルからベルナルド・ボテーリョを呼び寄せ、メンバーに加えた。

 午後1時、気温31度、砂上の体感温度はさらに高く、真夏のような暑さの中で決勝戦がキックオフ。原口翔太郎のゴールで東京Vが先制し、1-0のロースコアで第1ピリオドを終える。第2ピリオドでは、東京Vがベルナルドの2得点で、今大会1試合で2失点以上したことがなかった熊本BSから3点のリードを奪った。

大会中にベルナルドが披露したゴール後のおじぎパフォーマンス

3点のビハインドを背負い、厳しい状況に立たされた熊本BSだったが、その直後のキックオフで、監督兼選手の坂口健人が1点を返し、反撃の狼煙を上げた。ハイプレッシャーをかけ、自分たちのボールにした熊本BSは、キーパーの山本哲也が前線へスロー。これを坂口がつなぎ、木船祐樹が決めて1点差に詰め寄った。

10番松尾と10番茂怜羅のマッチアップ 身長差は23cm

 3-2、東京Vリードで迎えた最終ピリオド。熊本BSの松尾のキックオフシュートがゴールネットを揺らすが、やり直しとなる。ゴールを守るのは、今年W杯の舞台にも立った河合雄介。再びトライした松尾のキックオフシュートは1度目とは違う軌道で、ジャンプしたGK河合に触れることなくゴールに入り、熊本BSが同点に追いついた。

ゴール後、ファンを盛り上げ一体感を作る熊本BSの選手たち

 熊本BSの喜びも束の間、選手層の厚い東京Vは、ピッチに中原勇貴を送り出すと、中原が古巣相手にしっかりと勝ち越し弾を決め再びリードを奪ったが、熊本BSはすぐさま西口佳佑が鮮やかなFKを決め、さらに、松尾のFKで勝ち越して5-4にした。

 だが、東京Vはこのピンチにもベルナルドが役割を果たし、FKを決めて5-5の同点とし、ドラマのクライマックスは延長戦へ。

延長戦、虎視眈々とチャンスを待つ後藤崇介

 3分間の延長戦のラストワンプレーで、キャプテンとして大会に臨んだ後藤崇介がゴールを決め、東京Vが全国優勝を果たした。決勝ゴールを決めた後藤は、「最後は俺が決めると信じ、ワンチャンスを狙っていた。ブザービートでゴールするのは最高に気持ちよかった」と至福の表情を見せた。

 東京ヴェルディの名を背負い、「最低でも優勝」と声を掛け合ってきた東京V。一方、震災から多くの声援を受けてここまでやってきた熊本BS。優勝を手にしたい両チームの負けられない戦いは、1試合の中で多くの見せ場を生み、観客を魅了した。どちらが勝つかわからない展開の中で、その感動と興奮は、最後の1秒まで続き、大会は幕を閉じた。

劇的な決勝ゴール、残り時間ゼロ

熊本復興支援プロジェクトが縁で応援に駆けつけた京都橘大学サッカー部

東京ヴェルディBSが全国初優勝を飾る

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