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【インタビュー】プロスプリントコーチ、秋本真吾氏が語る!「お子さんが速く走れるようになるには何が必要なのか?」

2017.03.13

 かけっこが速くなりたい。わが子に運動会の徒競走で1等になってほしい。そう願う親御さんは大勢いるはずだ。では、速く走るためにはどうすればいいのか。簡単そうなテーマに見えて、実に奥深く、一朝一夕でできるものではない。いったい何から取り組めばいいのかも分からないのではないだろうか。

 そんなお子さん、親御さんにとっての強い味方が、プロスプリントコーチの秋本真吾氏だ。秋本氏は400mハードルでオリンピックの強化指定選手にも選ばれたことがある元陸上選手で、2010年からはプロとして活躍。同年には200メートルのアジア最高記録を打ち立て、100メートル走では10秒44の自己ベスト記録を持っている。

 現役引退後はプロスプリントコーチとして、浦和レッズの槙野智章や宇賀神友弥を始めとする多くのJリーガーを指導。サッカーキング・アカデミーでも、過去に「スプリント力向上セミナー」を幾度も実施し、好評を得ている。

「正しい走り方を学ぶタイミングは早いほうがいい」と語る秋本氏に、お子さんたちが速く走れるようになるには何が必要なのかをうかがった。

――1月にサッカーキング・アカデミーで『プロから直接学べる!親子かけっこ教室』を開催していただきましたが、親子を対象に指導する機会は過去にあったのでしょうか?
秋本真吾 普段やっているお子さん対象の陸上教室やかけっこ教室でも、親御さんが一緒に来場されているケースが多いんですが、僕は親御さんにも聞いていただくのがいいと思っているので、近くに来てもらうようにしています。そうすれば、インターバルの時に親御さんがお子さんにアドバイスするなど、僕が話したことを親御さんも学んで、それをお子さんたちに繰り返しアウトプットすることができますし、家に帰ってからの会話のきっかけにもなると思いますからね。ただ、親子で一緒に講義と、走りの基本を学んでいただいたのは、前回のサッカーキング・アカデミーのセミナーが初めてでした。

――開催してみていかがでしたか?
秋本真吾 講義の部分で、親御さんももっと巻き込みながら、個々にスポットを当てたフィードバックをできたらよかったな、と思いました。また、理論をどこまで親御さんやお子さんに伝えられるかも課題ですね。普段の講義は現役のアスリートや指導者を対象とすることが多く、難しい表現が多くなってしまいがちなので、子どもに対してもっと分かりやすくした内容で伝えるのが次回のテーマだと思っています。

――受講する側から見て、親子で一緒に学ぶメリットはどこにあると思いますか?
秋本真吾 家に帰った後、親御さんが指導者代わりになってポイントを復習できるのが理想だと思っているので、そこが一緒に参加していただくことの最大のメリットだと思います。お子さんを対象としていますが、親御さんにも同時に伝えることを意識したいと思っています。

――子どものうちに走り方を学ぶことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
秋本真吾 僕自身のアスリート時代の経験プラスアルファを生かし、これまでに年間1万人以上の子どもたちを指導してきたのですが、正しい走り方を学ぶことによって速くなるというのは結果として出ていますし、それを知っているかどうかは成長してからも大きく影響すると思います。正しい走り方を学ぶタイミングは、間違いなく早いほうがいいと思います。

――学んですぐに速くなりますか?
秋本真吾 速く走ることに楽しさやうれしさを見いだしてあげないと、お子さんたちも続かなくなってしまうので、そのためにも基礎・基本を重視しています。どのスポーツでも、基礎や基本がプレーをする上での土台になりますからね。走る時に最も大切なことは、実は姿勢なんですが、子どもたちに「速く走るためにはどうすればいいと思う?」と尋ねると、「腕を大きく振る」とか「足を高く上げる」といった回答が最初に出てきます。それは次の段階であって、一番大事な「姿勢」をおろそかにしてそちらに行ってしまうと、なかなか上達しません。「姿勢」を正しくするという、ものすごく地味で、あまり目立たないことを意識できるかどうかが大事になります。

――今回、パワーアップされた「親子スプリント力向上セミナー」が開催されるとのことですが、どのような点がパワーアップしたのでしょうか。
秋本真吾 講義がポイントになるんですが、次は「走りのカルテ」を作って、一人ひとりの走りを分析しようと思っています。前回は時間が限られていたので、話す内容もベーシックなものだけだったんですが、今回は走る時にどこがどうなっているのかを評価ポイントからチェックし、親御さんに僕のコメントをメモしてもらいます。自宅に帰ってからもお子さんの走りはこうなっているので、こういうところを直しましょう、というのを導き出せるものにしたいと思っています。走り方っていくつかのパターンに分かれるんですが、この走り方にはこの練習、というのは分かっているので、その取捨選択をしてあげるイメージですね。

――「走りのカルテ」があれば、家でも練習しやすくなりますね。
秋本真吾 「なんかいいフォームになったな」、「なんかかっこよくなったな」という“何となくの見方”ではダメなんです。どこがどう良くなったのかがはっきり分からないと、次につながりません。「なんかよくなった」だけではその後にどんな練習をすればいいのか分からなくなりますし、そこをはっきりさせるのに役立つかな、と思っています。

――これまでに指導したトップアスリートも、同じような走りのトレーニングを行ってきたのでしょうか。
秋本真吾 基本的には同じことを指導しています。プロだからどうこう、というのはあまりなくて、伝えていることはほぼ一緒です。あと、陸上選手同士の会話って、すごく複雑でマニアックな表現を使ってしまうんですけど、それを野球選手やサッカー選手に言っても全く伝わらないんです。お子さんたちに教えるのと同じように、かみ砕いて伝えて初めて「分かりやすいな」と納得してもらえるので、そこは一番気を付けています。決して難しいものではない、というのがポイントなので、簡単なことをいかに考えてやるかがすごく大事だと思っています。

――今回、セミナーへの参加を検討している方々へのメッセージをお願いします。
秋本真吾 試しに一回、参加してほしいですね。英語など、特別なことを学ぶのって、希少価値が高いからお金を払うじゃないですか。でも、体育にお金を払う文化って、今の日本にはないんですよ。走り方を変えることで、その文化も変えていきたいと思っています。サッカーや野球に限らず、いろいろなスポーツにつながることがあると思います。例えば野球で盗塁をする時や、サッカーの動き出し、陸上のスタートダッシュの姿勢は、基本的に一緒なんですよね。それをいかに分かりやすく伝えるかを考えていますし、実技と講義を一緒にやるところって全国でも珍しいと思うので、興味がある方は、まずは参加して体験してほしいですね。

――「講義」と聞くと、お子さんたちには敷居が高そうなイメージもあると思いますが。
秋本真吾 勉強する感じではなく、動画をたくさん使うので、お子さんたちも飽きないと思います。自分が走っている姿を動画で見て、トップアスリートの走りと見比べてみたら、どこが違うのか、どうすればいいのかと納得できる部分は、子どもでもあると思います。話を聞いて、ノートに書いて、という形の講義ではなく、見て学べる内容にしたいと思っています。

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 トップアスリートとして活躍した現役時代の経験を持ち、様々な文献や研究から、速く走るための方法論を学んだ秋本氏。セミナーを受ければ、正しいと思っていたことが実は間違いだったり、今まで知らなかった知識を学べたりできるはず。速く走るための“第一歩”を踏み出せるはずだ。

▼秋本真吾の親子スプリント力向上セミナーの詳細はこちら▼

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