川崎フロンターレの監督、風間八宏氏が、子ども達にもっと自由にサッカーを楽しんでもらいたいと設立したサッカースクール「トラウムトレーニング」。そこで総監督を務めるのが、筑波大学時代に風間氏の下でヘッドコーチを務め、その理論を吸収してきた内藤清志氏だ。
ヘッドコーチの立場でありながら、選手たちに混じってトレーニングに励み、汗だくになりながら風間氏の理論を体に染み込ませていった。そして今、自らがこれまでに積み上げてきたことを、トラウムトレーニングや各種セミナーで多くの選手、指導者に伝える役割も担っている。
これまでサッカーキング・アカデミーでは、内藤氏のセミナーを2度開催しており、どちらも参加者からは非常に高い評価を得られた。トラウムトレーニングは、なぜ参加者の心に響いたのか、その要因を内藤氏に語ってもらった。
■前回のセミナーでは、受講者の方々に何を意識してもらおうと思い講義、そして実技を行ったのでしょうか。
前回のセミナーをはじめ、このように初めてお会いする方々の前で講義や実技を行わせていただく際は、まずはできるだけ“具体的”にするという事を心がけています。例えば「技術」や「フィジカル」という言葉をとってみても、指導対象や普段の指導現場が違っていれば認識は違ってくると思います。ですので、「トラウムトレーニングでは…」という前置きをした上でそれらの言葉を定義し、具体例を挙げたりして伝えることで、参加者の皆様が自身の身体もしくは言葉を使って、そのプレーを具体化できるようになって帰っていただきたいと意識して行いました。
■講義でもありましたがボールと自分との関係を“自分の置き場所”と表現されています。これは一体どういうことなのでしょうか。
「自分の置き場所」とは、自分の中で次のプレーに最も早く移ることができて、なおかつそれがプレーの選択肢を最も多く持てる場所、という風に定義しています。「自分の置き場所」を持つことができると、次にできるプレーの可能性、自由度が変わってきます。言葉で言うと難しく聞こえるかもしれませんが、実際に自分の身体で体感していただくと、非常に良くわかると思います。
■今後のセミナーではどのような練習メニューを行っていく予定でしょうか。
参加していただく方の要望などにもよりますが、前回参加された皆さんの質疑応答では、身体の部分に興味を持たれている方が多かったのが印象的でした。そのサッカーにおける身体の使い方、身のこなしに比重を置いたことをやってみても面白いかなと思います。
また、当日に行ったメニューの解説をしてほしいという声もいただきましたので、実技後にそのような時間もとれれば良いと考えています。
■最後にセミナー受講を考えている方にメッセージをお願いします。
頭の中の認識が整理され、自分の言葉を具体化できるようになると、自分自身が練習する際や指導する際に、何をこだわって行えば上達していることになるのかというのがとても明確になります。このセミナーでは、毎回そのような発見や気づきを持って帰っていただけるよう取り組んでいきたいと思いますし、参加者の皆様と出会うことで、我々にとっても何か新しい気づきがあるのではないかと思っています。
双方が高め合えるようなセミナーになっていけば良いなと考えておりますので、トラウムトレーニングにご興味のある方は、是非ご参加いただけると嬉しいです。
TRAUM SV監督
つくば校ヘッドコーチ
内藤 清志(ないとう きよし)
筑波大学蹴球部で活躍後、風間八宏氏の下で同部トップチームのヘッドコーチを務める。4年間その指導を学び、風間監督退任後はトップチームの指揮を執った。2010年、トラウムトレーニング設立時より子ども達の指導に携わり、多くの支持者を得てきた。風間氏は内藤氏を、「大切なことをしっかりと伝えることに長け、粘り強く選手達に接することができる指導者」と評する。今ではトラウムトレーニング総監督、TRAUM SV(ジュニアユースチーム)監督、つくば校ヘッドコーチを任されている。
By サッカーキング編集部
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