Fリーグ2014/2015……浦安、名古屋、大分が連勝スタート。注目のすみだは2連敗。

140629_F14-15_SK01 27日に開幕したFリーグ2014/2015 powered by inゼリーのセントラル開催3日目が29日、国立代々木競技場第一体育館で行われた。

 この日の4試合はいずれも好ゲームとなった。中でも府中アスレティックFCと名古屋オーシャンズ、バルドラール浦安とフウガドールすみだの一戦は、約3000人の観客が訪れ、会場の興奮を誘う試合を繰り広げていた。

 前日に敗戦を喫していた府中は、気持ちを新たに王者へと挑んだ。9分にゴール正面約18メートルの位置からのFKを森岡薫にたたき込まれて先制を許したが、直後の10分にカウンターから上福元俊哉が決めて同点に追い付いて試合を折り返す。

 迎えた後半、22分に左サイドでフリーでパスを受けた三井健が鮮やかにネットを揺らして府中が逆転に成功した。名古屋が追い掛ける展開となったことで試合はさらにヒートアップ。26分には名古屋が3人の連係で府中の守備を崩すと、最後はゴール前でフリーの白方秀和が決めて再びの同点となる。そして30分、森岡がPKからこの日2点目となるゴールを決めるが、わずか20秒後には府中の皆本晃が右サイドから決めて、試合は三度振り出しに戻った。

“残り10分で名古屋が勝っていない状況”は、その試合がさらに白熱する合図でもある。選手や監督が「名古屋は勝たなければいけない集団」と常々語る通り、王者には負けられないというプライドがあり、それゆえに選手はギアをさらに上げ、ハイレベルな攻撃を仕掛けていく。そしてこの試合でも、名古屋の真価が発揮されていく。

 33分、自陣左サイドのペドロ・コスタから相手陣内右サイドの吉川智貴への正確なロングパスが通ると、吉川がゴール前に鋭いパスを供給する。ここに走り込んだシンビーニャの足はわずかに届かないが、そのまま横切っていったボールを、ファーサイドに走り込んだ北原亘が押し込んだ。守備を統率するフィクソでありながらも、ゴール前に顔を出して得点を奪う“ファー詰め”は、今や北原の代名詞でもある。4人が得点に絡む、フットサルのお手本のような形から名古屋が勝ち越しに成功した。

 それでも府中は諦めず、カウンターから何度もゴールに迫ったが得点を奪えない。さらに、残り3分弱となったところでGKをフィールドプレーヤーと交替したパワープレーで押し込んでいったが、集中した名古屋の守備を崩すことはできなかった。見応えのある攻防が繰り広げられた試合は、名古屋の気迫がわずかに上回り、3-4で決着した。

 浦安とすみだの一戦は、2点を先取した浦安が主導権を握っていたが、すみだも粘りを見せて食らい付き、試合は残り7分で3-2と、どちらに転ぶか分からない展開となっていた。そしてすみだが鬼気迫る攻撃で浦安ゴールを脅かしていくが、浦安も全員でリードを守り抜いて試合はタイムアップ。セントラル開催の2試合で浦安は2連勝、すみだは2連敗と明暗が分かれた。

 その他、湘南ベルマーレとエスポラーダ北海道の戦いは、1点差を追い掛ける湘南が残り36秒で追い付き2-2で引き分け、連勝を狙うバサジィ大分はアグレミーナ浜松を突き放して7-2の大勝を収めた。リーグ戦レギュラーシーズンは残り30節、今週末から各地でホーム&アウェイの試合が始まっていく。

Fリーグ2014/2015 powered by inゼリー 第1節・第2節
開催日:2014年6月29日
会場:国立代々木競技場第一体育館/東京都

[6月29日試合結果]
11:30 湘南ベルマーレ 2-2 エスポラーダ北海道
13:30 バサジィ大分 7-2 アグレミーナ浜松
16:30 府中アスレティックFC 3-4 名古屋オーシャンズ
18:30 バルドラール浦安 3-2 フウガドールすみだ

写真・文◆本田好伸

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