2013.07.28

勝負の日韓戦へ…ザックジャパン生き残りの最大のチャンスに挑むマルチDF森重真人

森重真人
日本代表の森重真人 [写真]=Getty Images

文/元川悦子

 東アジアカップ最終戦となる韓国戦(ソウル=蚕室)が今日28日夜に迫った。現時点で首位に立つザックジャパンにとっては大会初優勝の大きなチャンス。しかし、ザッケローニ監督は「この大会で優勝するという目的をもってのぞんだのであれば、代表常連組が来ていたと思う。このゲームでは、前の2試合よりもいいパフォーマンスを出し、成長しているところを見せてほしい。この大会は選手を見ることが一番大切だ」と強調していた。代表生き残りをかけた選手たちにしてみれば、いかに自分のよさを発揮し、次の代表戦への挑戦権を得るかが肝要といえる。

 今回呼ばれた新顔のうち、最も残留に近い存在の1人といえるのが、マルチの能力を誇るセンターバック・森重真人(FC東京)だろう。「彼はセンターバックを筆頭にディフェンスラインのどこでもできる。ボランチもこなせる。ビルドアップもできるし、守れるし、空中戦も強い。その高いポテンシャルを代表で使ってほしい」と指揮官も森重には大きな期待を寄せている。ロンドン五輪代表を率いた反町康治監督(現松本山雅)もかつて「将来有望なインターナショナルレベルの選手」と名指しでポテンシャルの高さを口にしていた。

 本人も以前からハイレベルの舞台を渇望していた。同世代の香川真司(マンU)や内田篤人(シャルケ)、槙野智章(浦和)のように高い海外志向も少なからずあったが、DFというポジションゆえに、海外移籍は簡単ではなかった。

「真司とはユース代表や五輪の頃、一緒にベンチで試合を見ていたのに、この数年間で背中が見えないほど距離が離れてしまった」と悔しそうに打ち明けたこともあり、どこかで巻き返しの機会を伺っていたに違いない。その千載一遇のチャンスがようやく訪れ、21日の中国戦(ソウル)でザックジャパン常連の栗原勇蔵(横浜)と最終ラインを統率する役割を託された。この試合で相手を零封できたら、森重の評価もうなぎ上りだった。ところが、終盤の放り込みに屈して、3-3のドローという不本意な結果に終わった。

「個人的にも失点の時間帯は集中力がなくなり、疲れが出てきて、ポジショニングが悪くなっていたところがあった。2失点目を取られた時、誰もが『3点目も取られる』って流れだなと思っただろうし、ここでもう1度踏ん張らないといけないのは分かっていたのに、跳ね返せなかったのはまだまだ力不足ということ」と本人も反省しきりだった。

 25日のオーストラリア戦(華城)は出番がなく休養に努めたため、今回の韓国戦は満を持してピッチに立てる。ロングボールを多用してくると見られる韓国相手に、森重がどれだけ強さと高さとクレバーさを発揮できるか…。そこは非常に大きな見どころだ。

 6月のコンフェデレーションズカップ(ブラジル)での3試合9失点に象徴される通り、日本の守備は大きな不安を抱えている。これまで2年半、不動の存在だった吉田麻也(サウサンプトン)と今野泰幸(G大阪)の両センターバックはビルドアップ能力は高いものの、クロスやハイボールを跳ね返す力はそう高くない。森重が彼らの間に割って入るとしたら、まずは安定感と確実性を示す必要があるだろう。

「韓国はフィジカルが強いし、タフな選手がすごい多いので、まずは気持ちの面で負けないこと。あとはこのチームで優勝したい気持ちがあるので、結果も求めてやっていかないといけない。個人的な面で言えば、自分がいいプレーをして韓国に勝つのがいいけど、チームとしての最低限は勝ち点3を取ることだと思うので、両方をつねに頭に置いてやっていければいい」と彼はチームの役割と自分のアピールのバランスを取りながらプレーするつもりだ。

 森重のような多彩な役割をこなせる選手はチームに置いておいて損はない。これまで今野のバックアップ役を担ってきた伊野波雅彦(磐田)もセンターバックを右サイドバックをこなせるが、森重ならそれ以上にいろんな起用法が考えられる。FC東京でキャプテンマークを巻いたことで精神的にも落ち着きが見られるようになり、以前のように切れたりイエローをもらう場面は格段に減っている。そういう選手が代表レベルで戦えるメドが立てば、ザック監督もこれ以上うれしいことはないはず。とにかく韓国戦という重大なテストで合格できるか否か…。この大一番は森重真人という男に注目して、試合を見てみたい。

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