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JFA選出の初“e日本代表”fantomに聞くe-Sports拡大の可能性「もっと初心者への入り口を」

2020.05.23

サッカーe日本代表のfantom ©JFA

 世界的に規模が拡大しているe-Sports。特にサッカーは競技人口が多いこともあり、欧州や東南アジア、中東などで盛んに大会などが行われている。

 近年ではFIFA(国際サッカー連盟)やプレミアリーグ、ラ・リーガをはじめとした各国リーグも大会名を冠した公式e-Sports大会を開催している。

 国内ではJリーグクラブがe-Sports選手を抱えるなどの取り組みが始まった状況だが、この度、JFA(日本サッカー協会)が初となるサッカーe日本代表選手を選出。PlayStation4部門でWeb Nasri(鹿島アントラーズ所属)、Xbox One部門でfantom(SCARZ所属)が、サムライブルーのユニフォームに袖を通すことになった。

 両名はEA社が手掛ける『FIFA 20』を使用した、FIFA自らの名前を冠する『FIFA eWorld Cup』を頂点とした『FIFA GLOBAL SERIES』の中の、各国代表チームが出場する『FIFA eNations Cup 2020』に出場を予定している。
※新型コロナウイルス拡大の影響でシリーズ各大会の延期などが決定しており、開催時期は未定。

 5月上旬にはなでしこジャパンの岩渕真奈選手や、元日本代表の加地亮さん、播戸竜二さん、タレントのおぎやはぎさん、じゅんいちダビッドソンさん、解説者の松木安太郎さんが参戦した『サッカーeスポーツ チャレンジマッチproduced by LEGENDS STADIUM』が開催されたが、そこで初となる「e日本代表vsなでしこジャパン」として、岩渕選手と対戦したfantom選手に話を聞いた。

取材=小松春生

―――史上初の「e日本代表」に選出されました。

fantom サッカーe日本代表に選ばれるため、『FIFA 20』から主戦場をXbox Oneに変更したので、すごく嬉しかったです。サッカー日本代表と同じユニフォームをいただいて、袖を通して、「自分は日本代表なんだ」と。プレッシャーもありますけど、日本代表として早く公式戦に出たいですね。

―――メインゲーム機をPS4から変える決断をするほど、日本代表への想いが強かったのですか?

fantom 昨シーズン、日本代表の選出はありませんでしたが『FIFA eNations Cup 2019』が初めて開催されて、「もしかしたら次の作品は」と考えて変更しました。日本代表を背負いたいという気持ちがありました。

―――今回、JFAが正式に「e日本代表」を選出しました。e-Sportsをいろいろな形で盛り上げる流れが生まれていると感じます。

fantom サッカーゲームをもっと国内で盛り上げようという雰囲気は感じます。例えば、Jリーグの全チームがe-Sports選手を抱え、リーグ戦などができれば面白いと思いますし、実現してほしいですね。

―――「日本代表」となったことで注目度も変わると思います。

fantom 今回、『サッカーeスポーツ チャレンジマッチproduced by LEGENDS STADIUM』に参加しましたが、視聴者の方を気にしていました。関心の高まりや、見てくれている人が増えていると感じましたね。僕も「日本代表である」ことを浸透させていきたいと思います。

―――e-Sportsでも正式な「日本代表」ができたことで、目指す人も増えることが期待されます。

fantom 世界大会を目指す、本気でプレーしている選手にとって、目指す場所になると思います。自分も高いところを目指そうという選手は増えると思います。若いプレーヤーが増える可能性もあると思います。

―――先ほどお話しに出た『サッカーeスポーツ チャレンジマッチproduced by LEGENDS STADIUM』では、元日本代表の方やタレントさんなど、いろいろな方と一緒に出演しました。こういう活動も今後、増えると思います。

fantom 出演者の方がたくさんいて、妙な感覚でした(笑)。慣れるにはもう少し時間がかかるかもしれないですけど、こういったイベントに出させてもらえることはありがたくて、いい経験にもなります。『FIFA』プレーヤーを増やすチャンスでもあるので、今後も積極的に参加していきたいですね。

―――大会の中ではなでしこジャパンの岩渕真奈選手と対戦しました。

fantom 僕との対戦前に加地亮さんと試合をされていて、ドリブルもうまく、ゴールも決めていて、倒せるのか心配になりました(笑)。もっとやり込めば、もっとすごいプレーヤーになれると思います。

―――テレビでe-Sportsやゲームを扱う番組が増えるなどして、関心がある人が増えたと思います。日本でもっとe-Sportsが盛んになる可能性は感じますか?

fantom 『FIFA』シリーズに関して、現在発売されている『FIFA 20』から始めた人が多くいるように感じます。日本のレベルが上がっていると感じますし、もっと上がると思います。やはり、ユーザー数が多い国のレベルが高いので、日本も競技人口が増えれば、もっと強い日本人選手が出てくると思います。

―――その競技人口を増やすためには、何が必要ですか?

fantom 今、プレーをしている人たちが、初心者に入りやすい入り口を作ってあげることですね。例えば「こういったモードがある」「こういったポイントが今は人気です」と動画やSNSで紹介したり、ゲーム内の情報をもっと盛んに共有していく。大会で得た経験やゲーム内の最新の情報を、みんなが上達するためにどんどん発信していくことが大切ですし、そういう発信をする人が多いほど、タイトル自体も人気が出ると思います。

―――そういった発信が個人として大切だという気持ちはどんどん大きくなっていますか?

fantom やらないといけない立場になっていると思っていますし、単純にプレーヤーが増えてほしいという願いも、経験を重ねるにつれて大きくなっています。最初は大会で勝てればいい、とか自分が勝てればいいと思っていました。日本での『FIFA』人気は気にしていなかったですけど、今は少しでも増えてほしいと思うようになりました。個人としてはあと、小さい規模のコミュニティでオンライン大会をやるなどしています。今はそれくらいしかできませんが、やり続けることで、どんどん規模が大きくなればいいですね。

By 小松春生

Web『サッカーキング』編集長

1984年東京都生まれ。2012年よりWeb『サッカーキング』で編集者として勤務。2019年7月よりWeb『サッカーキング』編集長に就任。イギリスと⚽️サッカーと🎤音楽と🤼‍♂️プロレスが好き

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