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リーガやプレミア、ブンデスにJリーグも参戦! サッカーのない週末に『FIFA 20』で盛り上がる選手たち

2020.04.02

 新型コロナウイルスの影響で、サッカー界も多くの活動が制限されている。リーグ戦の中断を余儀なくされ、スペインやイタリアなど欧州を中心に外出禁止令が出ている国さえある。そんな中でにわかに注目を集めているのが『eスポーツ』だ。人気サッカーゲーム『FIFA 20』を使って、選手同士がオンライン上で対決する動きが世界中に広がっている。

 3月20日から23日にかけては、スペインで『FIFA 20』のチャリティ大会「ラ・リーガ・サンタンデール・チャレンジ」が開催された。『eスポーツ』の有名キャスターによる提案をきっかけに、リーガ・エスパニョーラから18クラブの代表選手が参加。“ゲーマー”としての腕を競い合った。

 アトレティコ・マドリードのMFマルコス・ジョレンテやレアル・ソシエダのMFアドナン・ヤヌザイら有名選手が熱戦を繰り広げる中、レアル・マドリードのFWマルコ・アセンシオが見事優勝。レガネスとの決勝では自身をスタメン起用して、エデン・アザール、ギャレス・ベイルとの3トップを結成し、4ゴールを奪う快勝劇を演じてみせた。

「誰もが厳しい状況に見舞われているけれど、楽しい時間を共有して笑顔になり、寄附してもらうという目的まで達成できた。素晴らしい大会だったよ」

 大会の意義をそう振り返ったアセンシオ。実際、この決勝戦の様子はライブ配信され、約18万人が視聴。新型コロナウイルス対策への支援金として14万ユーロ(約1600万円)以上が集まるなど、大きな成功を収めている。

<優勝を喜ぶアセンシオ>


<決勝ハイライト>

 また南米のアルゼンチンでも『FIFA 20』の大会が開催された。地元の『eスポーツ』協会と国内の著名なYouTuberが主催し、アルゼンチン1部リーグでプレーする選手を中心に16人が参加。24、25日に開催された同大会では、かつてベンフィカに所属し、現在はボカ・ジュニオルスでプレーするMFエドゥアルド・サルビオらがゲーマーとしての腕をふるった。

<大会出場選手一覧>


<大会フル動画>

 一方、両大会を上回る規模で開催されているのが、22日に開幕した「Ultimate Quaran-Team」だ。イングランド4部のレイトン・オリエントが主催する同大会には、世界中から128のクラブが参加。プレミアリーグだけでなく、オランダからは堂安律が所属するPSV、フランスからは酒井宏樹が所属するマルセイユが名乗りをあげ、アメリカやオーストラリアのクラブも参戦を表明した。

 そして、多くのクラブが真のゲーマーを送り込む中、クリスタル・パレスからはMFアンドロス・タウンゼント、ブライトンからはFWニール・モペイ、そしてノリッジからはMFトッド・カントウェルが出場した。ここで意外(?)な才能を発揮したのがカントウェル。一発勝負のトーナメント大会で1回戦を突破すると、25日に行われたスティーヴニッジ(イングランド4部)との2回戦も3-2の勝利を収め、ラウンド32への切符を手にしたのだ。

 特にスティーヴニッジ戦は、エースFWのテーム・プッキが後半アディショナルタイムに逆転弾を決める劇的な幕切れ。サポーターは実際の試合と変わらぬ興奮を味わったことだろう。しかし、快進撃もここまで。カントウェルは3回戦でスタンダール・リエージュに終盤突き放されて1-3で敗れ、姿を消した。

 3月31日現在でベスト8が揃い、フェイエノールトやPSV、ウルヴァーハンプトンなどが勝ち残っている。決勝は4月3日に開催される。

<カントウェル 1回戦の様子>

 もちろん、選手たちが自主的に『FIFA 20』を楽しむケースもある。ウェストハムのMFマイケル・アントニオとトッテナムのMFライアン・セセニョンは、プレミアリーグで両クラブの対戦が予定されていた20日に『FIFA 20』で対決。オンライン上で実現した“ロンドン・ダービー”は、セセニョンが操るトッテナムが2-0で勝利すると、敗れたアントニオは罰ゲームとして、トッテナムのユニフォームを着用することになった。その様子を撮影した動画がツイッターで公開されると、12万以上の再生回数を記録。サポーターの間で大きな盛り上がりを見せた。

<アントニオ 罰ゲームの様子>


<セセニョン ゲーム中の様子>


『FIFA 20』の大会は今後も続々と開催される予定で、28日からはブンデスリーガのクラブが参戦する『FIFA 20』のeサッカー大会「ブンデスリーガ・ホーム・チャレンジ」がスタート。

 また、eスポーツチーム『Ellevens Esports』を共同経営するベイルは、プレミアリーグの選手たちを中心にチャリティ大会「CombatCorona」を開くことを発表。マンチェスター・UのDFルーク・ショーをはじめ、チェルシーのMFメイソン・マウント、エヴァートンのGKジョーダン・ピックフォードらの参戦が決まったほか、コロナウイルス陽性が判明したユヴェントスのFWパウロ・ディバラも出場する。そこでは、サッカーファン必見の豪華な顔合わせも実現するだろう。大会は4月5日に行われる。

<参加選手たち>


 日本でも『FIFA 20』のオンライントーナメントが開催されており、6日(金)には金曜日に試合を行う名物イベントになぞらえて「フライデーナイトeJリーグ」が行われた。Jリーグ8クラブを代表するFIFAトッププレーヤーが出場する中、つぁくとの操るセレッソ大阪が王者に。試合の模様はYoutubeで生配信され、ゲスト司会者として参加した元日本代表FW播戸竜二氏も手に汗握る攻防が繰り広げられた。またサガン鳥栖でも、JリーガーによるeJリーグが実現。34歳のDF小林祐三と18歳のMF本田風智による“16歳差対決”が話題を呼んだ。

<フライデーナイトeJリーグ>

<小林祐三vs本田風智>

 また、Jリーグの開催延期を受けて「eJリーグ オンラインチャレンジカップ」の開催も決定。Jリーグはクラブ推薦選手とクラブ代表予選を突破した選手による大会で、クラブ代表予選は4月4日と5日、決勝トーナメントは4月10日、11日、12日の開催を予定している。

『FIFA 20』を発売しているエレクトロニック・アーツ社は、「友達と、家族と、世界の誰かと。直接会えなくても、自宅に留まりながらも一緒にゲームを楽しめることは、コミュニティの皆さんの心の支え、そして安全に繋がると信じています。Stay Home. Play Together.」と、自宅待機などで少なくなってしまうコミュニケーションを活性化するためのツールとして、ゲームを楽しんでほしいと呼びかけている。

 新型コロナウイルスの感染拡大は止まらず、スポーツのある日常が戻るまではもうしばらく時間がかかるだろう。それでも、選手たちは普段とは異なる形でサッカーに触れ、サポーターに元気な姿を見せている。今後も『FIFA 20』で選手同士が対決する機会はあるはずで、その輪はさらに広がっていきそうだ。

(記事/Footmedia)

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