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【現地レポート】FIFA20の世界大会「FUT Champions Cup」開催…アジアの狭き門を突破したナスリの成績は?

2020.01.25

FIFA20の世界大会「FUT Champions Cup Stage3」がアメリカのアトランタで開催された

 人気サッカーゲーム『FIFA 20』の世界大会「FUT Champions Cup Stage3」がアメリカ・アトランタで開催された。

 この大会は「FIFA eWorld Cup」への出場をかけた“グローバルシリーズ”の1つ。プレーヤーは計6回開催される「FUT Champions Cup」のほか、FIFAが主催するメジャー大会でグローバルポイントを獲得し、最終的に上位32名(PS4:16名、XBOX:16名)がeWorld Cupの出場権を獲得する。

 FUT Champions Cupは「FUT(FIFA 20 Ultimate Team)」を使用し、3回目となる今回はアトランタのターナー・スタジオにある「ELEAGUEアリーナ」にて開催。日本からは、72分の1という狭きアジア予選を突破した鹿島アントラーズ所属のナスリ(Web Nasri)がPS4部門に出場した。

 大会初日はまず、各コンソール(PS4、XBOX)の出場者32名がベスト16進出をかけ、スイスドロー方式のグループステージに参加。試合は1stLeg、2ndLegの合計スコアで競い、同点の場合は延長・PK戦まで行う。

■ナスリの戦い

ナスリ

FUT Champions Cup Stage3に出場したナスリ

 ナスリは初戦でメキシコのJoksanと対戦。1stLegを1-1で折り返すと、2ndLegは後半アディショナルタイムまでビハインドを背負う苦しい展開となったが土壇場で追いつき、最後はPK戦を制して白星スタートを切った。2戦目の相手はフランスのMaestro。1stLegで1-3と完敗を喫すると、2ndLegは善戦したものの2-3と及ばず。「ちょっとレベルが違った」と言う通りの完敗だった。

 嫌な流れを断ち切りたいナスリだったが、第3戦ではドイツのSerhatinhoに2試合合計3-4で敗れてしまう。「正直、今日対戦したなかでは一番レベルが低かった」と感じたように内容では圧倒し、1stLegを3-2で制したものの、2ndLegで0-2とまさかの逆転を食らっての敗戦だった。

 これで1勝2敗。後がなくなった状況で迎えた4戦目ではスペインのJRAと対戦した。1stLegを0-1で落としたものの、絶体絶命の状況で迎えた2ndLegは2-1で勝利。PK戦で4人目のキックがセーブされたときにはさすがに万事休すかと思ったが、直後のキックを見事にストップすると、続く5人目も止めて勝利を掴んだ。

 勝てば突破、負ければ敗退となる第5戦ではドイツのDenisと対戦。1stLegは互いにリスクを冒さずスコアレスでタイムアップを迎えた。運命の2ndLegは立ち上がりの10分にナスリが待望の先制点をマークしたが、25分に失点。それでも55分に勝ち越すと、1点差を守りきって勝利を収め、ベスト16進出を果たした。

 初日を終えたナスリは、「途中で集中が切れて持ち直すのが大変でしたけど、(3試合目と4試合目の間に)時間が空いて、切り替えることができたのでよかったです」とコメント。「一定のレベルならある程度はできる」と手応えを感じつつ、「取りこぼしだったり、集中が切れてしまう部分は修正していかないといけません」と課題も挙げた。

 大会2日目は各コンソールのベスト16進出選手による決勝トーナメントが開催。「行けるところまで、楽しんで頑張りたい」と意気込むナスリは、前日に完敗を喫したMaestroと対戦した。

 試合直前には「めちゃくちゃ強い相手だけど、戦術を少し変更して対策しました」と自信を伺わせていたが、1stLegは開始早々に先制ゴールを奪われると、その後1点を追加され、0-2で敗れた。2ndLegは「プレーの意識的な部分を変えたのがうまくいった」という言葉通り、序盤から相手を押し込み先制に成功する。だが、2点目を奪えず逆に同点とされると、そのまま1-1でタイムアップ。合計1-3で敗れ、ベスト16で大会を去ることとなった。

 前日には歯が立たなかったMaestroを相手に善戦し、「プレー内容はうまくいっていた」だけに、「所々のミスがちょっと、悔いが残りますね……」と悔しそうだった。それでも、大会全体を通じては「感触はよかったです。あと何回かこういった大会に出場すれば、もっといいところまで行けるかな」と確かな自信を得ることができた様子。「(環境面など)慣れていないことによる緊張感とか、プレスの速さによって焦ってしまったりとか、そういった部分を減らしていきたい」とさらなる成長を誓った。

■大会を制したのは…

 ナスリを破ってベスト8へ進出したMaestroだったが、準々決勝ではブラジルのZezinhoに2試合合計2-4で敗れた。やはり、上には上がいるということか。そのほか、PS4部門ではグループステージで無傷の5連勝を飾ったイギリスのTomが順当にベスト4へ進出。一方、XBOX部門では大会前の時点でグローバルポイント・ランキング1位のTekkz(イギリス)と同2位のNRaseck 7(ドイツ)がトーナメント1回戦で激突し、PK戦の末にNRaseck 7が勝利を収めた。そのNRaseck 7は準々決勝でもPK戦で勝利を収め、4強入りを果たした。

 最終日となる大会3日目はまず、各コンソールの準決勝が開催。PS4部門では、前日にMaestro相手に強さを見せつけていたZezinhoがドイツのUmutと対戦し、1stLegは1-0で勝利。だが、2ndLegで0-2とひっくり返され、決勝進出とはならなかった。一方、順当に勝ち進んできたTomはスウェーデンのOliboliに合計スコア2-1で勝ち、ファイナリストに。XBOX部門では優勝候補のNRaseck 7がスウェーデンのOllelitoに敗れてベスト4で敗退。そのOllelitoとポルトガルのDiogoが決勝で相まみえることとなった。

 PS4部門決勝はTomが1stLegを1-0で制し、その強さを見せつけたが、2ndLegでは70分にUmutが先制点をマーク。さらに延長戦突入かに思われた後半アディショナルタイム3分にUmutが追加点を奪い、劇的な勝利で王者となった。XBOX部門では、勢いに乗るOllelitoが合計スコア2-1と競り勝った。

 各コンソールの決勝を終えると、大会のラストマッチとなる“Grand Final”で王者同士が対戦。1stLegはPS4王者のUmutが先制したが、Ollelitoが前半のうちに逆転すると後半にも1点を追加し、2点のリードで“ハーフタイム”を迎えた。2ndLegではUmutが早い時間に1点を奪い、押し気味にゲームを進める。勢いそのままに後半に入ると59分にOllelitoが1点を返したが、直後にUmutが勝ち越しゴールを奪い、合計スコアは再び1点差。この状況に、会場で見守る選手たちもヒートアップしたが、その後はOllelitoが追加点を狙いながらうまく時計の針を進め、このままタイムアップ。2ndLegはUmutが2-1で勝利を収めたが、2戦合計スコアで4-3と上回ったOllelitoが「FUT Champions Cup Stage3」を制し、優勝賞金50,000ドル(約550万円)を手にした。

Ollelito

優勝したOllelito

 冒頭でも記したとおり「FUT Champions Cup」は全6回開催され、25日には早くもStage4の予選が行われる。もちろん、今大会でベスト16という成績を残したナスリも同予選に参戦予定。「いい感触だったので、次の大会に行きたいという気持ちが強いです。予選は長丁場の厳しい戦いですけど、内容にもこだわって、突破したいと思います」と意気込みを語っていた。厳しい予選を勝ち抜き、再び世界の舞台で戦う彼の姿に期待したい。

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