2019.09.27

eスポーツは遊びではなく“真剣勝負”…スポーツ選手として令和最初の国体へ

サッカー総合情報サイト

 9月28日の開幕が迫っている令和最初の国民体育大会。茨城県で開催される同大会では史上初めて「eスポーツ」が文化プログラムとして採用される。「eスポーツはスポーツか?」と疑問の声は多いが、国体を機に日本におけるeスポーツの機運が更に高まることが予想されている。

 採用されるゲームは「グランツーリスモ」、「ぷよぷよ」、「ウイニングイレブン」の3種類で、全国の予選を勝ち抜いたチームが各都道府県を代表して国体に出場する。中でも「ウイニングイレブン」は先の2018年アジア大会で日本代表が優勝した国内における競技レベルが高いタイトルだ。そうした中、大阪府と愛知県の代表として2名を国体に送り込む実業団eスポーツチームに注目が集まっている。「KYANOS SC(キュアノスエスシー)」。制御盤メーカー三笠製作所を親会社に持つ実業団チームだ。

 なぜKYANOS SCは国体選手を2名も輩出できたのか。強さの秘訣を探るべく、所属するパリカ選手と、かつぴーや選手に話を聞いた。

インタビュー・文=中山隆二

eスポーツ選手以上に社会人として成長

かつぴーや選手


――まず初めに「KYANOS SC」に入団した経緯を教えてください

パリカ「SNSで地元の愛知県にeスポーツチームが出来るというニュースを見たことがきっかけですね」

かつぴーや「僕も会社を退職して無職だった時期にニュースを見て。働きながらプレーもできる実業団チームという点も魅力的でした」

――eスポーツチームで実業団は珍しいのですか?

パリカ「聞いたことはないですね。まず基本給が出るチームは少ないと思いますよ。(収入は)大会の賞金やイベント出演料だけというケースが大半」

かつぴーや「eスポーツだけで生活するのは現状ではまだ難しいです。だから、引退後に社員として採用してくれる実業団は将来の心配がないので助かっています」

パリカ「ウイイレ(ウイニングイレブン)は他のeスポーツタイトルと違ってスポンサー契約をしている選手もいないですし、プロリーグもないので。トッププレーヤーは学生か社会人との二足の草鞋である人が多いですね」

――チームはお二人に何を期待しているのでしょうか?

パリカ「石田社長からは『世界を獲れ』しか言われていないです(笑)」

かつぴーや「石田社長も本業の制御盤で世界一を目指しているので、その夢をeスポーツと重ねている部分もあるのかなとは思います」

パリカ「僕達の応援にかこつけて海外出張したいだけという噂もありますけど(笑)」

かつぴーや「確かに!僕もよく『(世界大会が開催される)ヨーロッパに連れて行って』とよく言われます(笑)」

――親会社を持つ実業団チームであること以外に「KYANOS SC」の特徴はありますか?

パリカ「チームスタッフが豪華!元々は筑波大学大学院の同級生で立ち上げたチームと聞いています。今年からGMは元Jリーガーの矢野(大輔)さんが就任しましたし、アドバイザーとして元Jリーグレフリーの小幡(真一郎)さんも時々指導しに来てくれます。広報は有名サッカーメディアの編集者である玉利(剛一)さん。サッカーのスペシャリストが集まっています」

かつぴーや「もはやeスポーツチームというよりもサッカークラブみたいなメンバー。今年のキックオフミーティングにはオリンピックの金メダリストや筑波大学の教授も来ました(笑)。スタッフの皆さんの交友関係を通じて色んな人と会えるので刺激をもらっています」

パリカ「サッカーに詳しい人ばかりなので、限りなくリアルな戦術面での相談が出来るのもうちのアドバンテージだと思います」

――HPを拝見すると大会出場以外にイベント出演など普及活動も多いですね。

かつぴーや「チームの理念に『eスポーツの発展貢献』があるので、eスポーツの魅力を伝えられるイベントには積極的に参加させてもらっています」

パリカ「まずはeスポーツの魅力を知ってもらわないことには業界の発展はないですからね。解説のお仕事をする時は分かりやすく伝えるなどは意識しています」

かつぴーや「オンラインでも楽しめるスポーツなのですが、オフラインのイベントに参加して色んな方と触れ合う中で逆に僕がeスポーツの魅力を教えてもらっている側面もあります。老若男女問わず楽しんでいるお客さんの姿を見ると、eスポーツのポテンシャルの高さを再確認できます」

――そのような普及活動を通じてeスポーツに取り組む心境に変化はありましたか?

かつぴーや「KYANOSに加入するまではアマチュアと言うか、自己満足でプレーしていました。だから大会前も気分が乗らない時は練習をサボったり。けど、今は自分のためというよりも応援して頂ける方のためという想いがあるのでテスト勉強並みに練習しています(笑)」

パリカ「僕も同じですね。応援してくれる社員さんは勿論ですが、ユニホームやヘッドホンなどを提供してくれるサプライヤーさんやスポンサーさんもいるので責任感は生まれました」

かつぴーや「eスポーツ選手として以上に社会人として成長させてもらっている気がします。広報さんから『イベント出演後は主催者への感謝ツイートを発信しなさい』や『スポンサーロゴが見えるように写真に写りなさい』など指導されて、今まで気が付かなかった社会人としての行動も意識しています」

国体はeスポーツをアピールする舞台

パリカ選手


――国体についても少し伺わせてください。パリカ選手は愛知県予選、かつぴーや選手は大阪府予選を盤石の戦いぶりで優勝しました。

パリカ「僕は全試合完封勝利で優勝しました。セーフティーにプレーするところと、繋ぐところの判断が良かったのが勝因ですね」

かつぴーや「僕も予選通過は嬉しいですが、まだスタートラインに立っただけという感覚でいます。それに国体では新作の2020シーズン版が採用されるので発売から(国体までの)3週間で2019シーズン版の癖を抜いて、2020にいかに慣れるか。そこがポイントだと思っています」

――同じタイトルでもシリーズによって仕様はそんなにも違うものですか?

かつぴーや「違う部分もありますね。シリーズによって効果的なプレーがあります。それを見つけることもポイントかもしれません。セットプレーやシステムなど時間が許す限り色々テストしてみようと思います」

――同じチームのお二人ですが国体では対戦相手としてプレーすることになります。お互いのプレーの印象を教えてください。

パリカ「かつぴーやは1人でシュートまでいけるプレーが素晴らしい。ウイイレの仕様的にドリブル突破からのシュートは難しいのですが出来てしまう。対戦相手としては恐ろしさしかないですね。少ないミスをいかに突けるかを考えています」

かつぴーや「パリカさんの印象は……秘密です。攻略のイメージがバレちゃうから」

パリカ「おい!俺は話したのにズルいぞ(笑)」

かつぴーや「できればパリカさんとは決勝であたってKYANOSをアピールしたいですね。そして、最後は大阪が勝つ(笑)」

――では、最後に国体に向けた意気込みをお願いします。

パリカ「優勝しか考えていません!必ず勝つ!それだけです」

かつぴーや「eスポーツが市民権を得つつある状況で、国体は(eスポーツを)遊びではなく真剣に取り組んでいることをアピールする大事な機会だと考えています。だからこそ、優勝が必要です。僕達の活躍で『eスポーツ=KYANOS』のイメージを世間にアピールしたいです」

KYANOS SC公式HPへ

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