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【短期集中連載】ゲームライター丸谷の『FOOTISTA塾』…… 第4回「開発スタッフに聞く『FOOTISTA』の新常識(前編)」

2019.03.20

 短期集中連載「ゲームライター丸谷の『FOOTISTA塾』」、第4回、第5回では『FOOTISTA』の開発スタッフにインタビューを敢行し、「試合」パートについて話を聞きました。「試合で何をすればいいのか分からない」という“『FOOTISTA』デビュー組”も、「『WCCF』からの変更点が多くてついていけない」という“旧『WCCF』からの移行組”も必見の内容です。今回の連載第4回では、インタビュー「前編」をお届けします!

後編はこちら!

<連載のバックナンバーはコチラ:第1回 第2回 第3回

※ゲーム画面は開発中のものです

文=丸谷健太(ゲームライター)

■可視化され、わかりやすくなった選手カードの情報

ーー今回は『FOOTISTA』の試合に関わる新要素や、これまでの『WCCF』から変わった点について聞かせてもらえればと思っています。まずは選手カードまわりの情報について聞きたいのですが、オフェンスやパワーといった能力値が100段階評価になって、カードの表面に表示されている能力値も……

プランナーK(以下、K) まず『FOOTISTA』のカードの表面に記載されている数値は「能力値」ではなくて「総合値」になります。活躍してくれる“期待値”だと思っていただければいいかと。

ーーなるほど。『FOOTISTA』用に変換して引継カード印刷した選手カードに関しても、同じ仕様になっていると。ただ『FOOTISTA』のカードと違って、「引継カード印刷」をしたカードに関してはコストがバラバラというか、REなら『FOOTISTA』では☆1でコスト70、SPなら……という形にはなっていませんよね?

K そうですね。引継カード印刷されたカードは、能力値やポジション適性などカードやゲームから得られる情報をもとに、『FOOTISTA』基準で能力値を再設定しています。

ーー二次元コードつきのカードにはスキルもつきますが、そのあたりはどうなっていますか? 『WCCF』とは表記が違いますし……

K そこもパラメーターと同様に、『FOOTISTA』用のスキルに変わっています。基本的には『WCCF』で設定されていたチームスタイルやポジション適性、能力値などを加味して変換しています。たとえばチームスタイルが「ショートパス重視」なら『FOOTISTA』のスキルは「ショートパス」、「ドリブル重視」だったら「ドリブル」……という感じですね。ただ、『FOOTISTA』はスキルごとに発動エリアが設定されていますので、選手のメインポジションによっては別のスキルが割り振られていることもあります。

プログラマーN(以下、N) 引継カード印刷したカードは、もとのカードのデザイン上、『FOOTISTA』に変換された能力値はカード上では確認できませんが、「プレイヤーズサイト」を見てもらえればそちらも分かるようになっています。

K 「プレイヤーズサイト」ではオフェンスなら「決定力」、ディフェンスなら「パスカット」など、カードの数値をより詳細にした能力も確認できますね。

N 要は「プレイヤーズサイト」では、カードに記載し切れなかった情報もすべて見られるという感じです。

ーー旧『WCCF』はシリーズが長かったこともあり、実際の選手の変化に合わせて能力値やゲーム内での動きも変わっていきましたよね。『FOOTISTA』でもそういった変化は感じられますか? 先の話にはなりますが、『WCCF 05-06』の頃のリオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドのカードを『FOOTISTA』用に変換できるようになった際、現在の能力が反映された『FOOTISTA』のメッシやロナウドとはだいぶ動きは変わってきますか?

N カードに記載されているパラメーター、詳細な能力、どちらもかなり異なるので、違いはちゃんと出ると思います。しかも今回からはそれをゲームで実際に使う前に「プレイヤーズサイト」で比較できるので、より違いを実感できるはずです。

ーースキルは何種類くらいあるのでしょうか?

K 稼働後にすべて公開されましたが、いまのところ全部で18種類ですね。なかには、第1弾ではまだ登場しないスキルもあります。

ーー『FOOTISTA』からの選手カードはランクアップすると能力が上がりますが、ポジション適正が増えたり、スキルが変わることはありますか?

K ポジション適性やスキルは変更されず、能力値と総合値が上昇します。

ーースキルの効果についてもお聞きします。基本的に発動すれば選手の能力は確実に上がるものだと思いますが、スキルの効果がデメリットになることはありますか?

K 発動することで能力値が上昇しますが、同時に選手の思考自体にも影響を与えるようになります。それによって引き出されるプレイによっては、局面においてはメリット、デメリットというのは出てくると思います。もし「この場面では違うな」と感じれば同じ操作でスキルの解除もできますので、必要に応じて解除を選択肢に入れてもいいかもしれません。

ーー効果を実感しやすいスキルや、お二人がオススメしたいスキルはありますか?

K 「スピードスター」ですね。パスに反応して裏へ抜け出すスピードや、ドリブルで勝負を挑むようになるなど選手の動きが変わるので、効果が分かりやすく、個人的に使っていて楽しいです。

N 目に見えて足が速くなりますよ(笑)。私が好きなのは「ドリブル」ですね。スキルを発動すると普段は見られないドリブル、大きく前に蹴り出すようなドリブルをするようになって、それで一気に突破できるようになったりするので。メッシの「ドリブル」なんかは効果が分かりやすいですし、使っていて楽しいなあと感じますね。チュートリアルで手に入るカードであればフランク・リベリーなんかも使っていて楽しい選手になっていると思います。

ーー今作はスタミナを消耗するとゲーム中の選手の能力値が分かりやすく下がっていきますが、ゲーム中には確認できないものの「プレイヤーズサイト」で見られる細かい能力も下がっていると理解していいんでしょうか?

K スタミナ消費によって総合値が下がれば、選手の能力値も同じように下がっていると理解してもらっていいと思います。

ーー適性のないポジションに選手を置くとカード表面の「総合値」が大幅に下がりますが、この状態になると細かい能力値も下がっている?

K いえ、そちらに関しては下がりません。ポジション適性に関する仕様は、実は『FOOTISTA』のほうが『WCCF』より緩和されています。これまでの『WCCF』では適性のないポジションにカードを置くと能力に影響が出たり、できることができなくなったりだとか、ペナルティとして厳しい側面がありました。でも、実際のサッカーで足の速い選手がポジションを変更したからといって、足が遅くなるわけではありませんよね? なので、そういう部分はこのタイミングで見直しました。では何に影響しているかというと、それは「モチベーション」です。影響するのはこの1点だけです。そして『FOOTISTA』の場合、モチベーションで変動するのはスタミナの減り方だけになります。『FOOTISTA』では、過去の『WCCF』のようにモチベーションが直接能力値に影響を与えることもしていません。絶好調だとスタミナが減りにくく、不調だとスタミナが減りやすくなる、モチベーションが影響するのはこれだけです。

ーーでは、たとえモチベーションが絶不調でも、サブから途中出場させて使えば普段と同じような感覚で活躍してくれる?

K はい。今回は、カードを登録した時点ではモチベーションが分からないという形にしましたが、そのぶん、「絶不調=使えない」ということにはならないようにしています。メッシやセルヒオ・アグエロが絶不調だったら、とりあえずベンチスタートにしてもらって、後半の勝負どころで投入してもらう。短い時間であれば、普段のメッシ、アグエロと同じパフォーマンスを見せてくれます。今回、選手の能力値が下がるのはスタミナの消耗によってだけですね。能力値に対していろいろな要素が絡み合っていたのを、スタミナという要素一本にまとめています。

N 以前まではモチベーションによって能力がかなり大きく変動していたんですけど、今回はありません。そこを理解していただけると、戦術の幅はかなり広がると思います。

ーーこのモチベーションの仕様に関しては思い切った変更ですね。

K もっと厳密にやろうとすれば、たとえばメンタルがやられているからパフォーマンスに影響が出る……みたいな実際のスポーツに近づけることも選択肢の一つだと思います。ただ、ゲームでそういう部分を突き詰めていくと複雑化しすぎるのでは、という懸念がありました。それで今回は、モチベーションはスタミナに直結していて、スタミナが下がると能力値も下がる……という感じで、ゲームとしての関係性を分かりやすくすることを選択しました。

■「ホットライン」のしくみとは?

ーーここからは試合中のシステムに関してお聞きします。まず『FOOTISTA』の目玉システムと言える「ホットライン」についてです。「ホットライン」を発動した状態と、△ボタン=「ホットライン重視ボタン」を押している時とでは、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?

K まず「ホットライン」の効果についてですが、「ホットライン」を結んだ位置によって『WCCF』でいう戦術ボタンで選択できた「中央突破」、「サイド攻撃」といった指示に似た傾向を選手たちに与えることができます。右サイドにホットラインを引けば、比較的右サイドに寄った攻撃が展開されるようになったり、真ん中に引けば同じように中央の攻撃が多くなる……といった感じです。その状態から△ボタンを押して「ホットライン重視」の指示を与えると、押している間は選手の動きや考え方のルール、優先度が変わります。たとえば「ホットライン」を結んでいない選手たちは、「ホットライン」で結ばれている選手のうちで最も近い選手、もしくは前の選手にボールを渡そうとします。そして「ホットライン」で結ばれている選手同士は、一人目の選手は二人目、二人目の選手は3人目と、基本的には前につなごうとしていきます。3人目、ホットラインの一番前にいる選手は自分で行こうとすることが多いですね。

左が「ホットライン」を結んだ状態。右が「ホットライン重視」ボタンを押した状態

K 基本的には「起点→つなぎ役→フィニッシュ役」という感じで、後ろからホットラインをつなげていくのをオススメしたいですね。「スキルコンボ」のスキルの組み合わせも、そういった意図を持たせています。あとは、前線の選手からサイドバックの選手に結んで、オーバーラップしてきたタイミングで「ホットライン重視」ボタンを押すなど、つなぎ方次第でいろいろな結果を引き出せると思いますが、そのあたりは研究していただければと思います。

N 「ホットライン重視」ボタンを押している際は、強制的に「ホットライン」に従ってパスを出すようになると言ってもいいくらいなので、ゲームの展開を見ながらここぞというタイミングで使ったほうがいいと思います。あとは「ホットライン」の3人目に絶対シュートを打たせたい、というときにも「ホットライン重視」ボタンは使えますね。

ーー「ホットライン重視」中のパスはけっこう強引ですよね。マークがついていても「ホットライン」の選手にパスを出そうとしますし。

N はい。「ホットライン重視」には「今は絶対にこの選手にパスしろ」くらいの強制力があります。

ーー「プレス」を指示したときの体力の消耗が激しくなるというような明確なデメリットはないものの、使い方次第ではマイナスにも作用するという感じ?

N そうですね。パスコースが塞がれているのに「そこへパスを出せ」と指示したら、失敗してしまうこともありますね。

K ボタン自体にはデメリットはないんですが、パスを出すなら状況を見て出すのが好ましいですね。

ーーホットラインを結んだことによって選手の能力が変わるということはないですよね?

N はい。ホットライン絡みで能力が変わるのは、「スキルコンボ」を発動したときだけです。

ーー「ホットライン」に関しても表には出ない能力や設定はないということですね? たとえば仲の悪い選手同士のホットラインは機能しにくい、なども……

K 今のところありません。『FOOTISTA』に関しては「ホットライン」を結ぶことで、前作までの「黄金連携」のような効果……つまりパスがつながりやすくなるだとか、パスのスピードが速くなるという効果が得られるようになっています。(後編へ続く)

後編はこちら!

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