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【インタビュー】オーストラリアのeSports事情はどうなっているの?『FIFA』シリーズのプロ選手に聞いてみた

2018.12.07

オーストラリアのeSportsプレーヤーであるジェイミー

 日本でも今年度の新語・流行語大賞のトップ10に入るなど、認知を高めているeSports。サッカーではEA(エレクトロニック・アーツ)社が手掛ける公式ライセンス製品である『FIFA』シリーズが主流となり、オフライン、オンラインを問わず大会が日夜行われている。

 9月にリリースされた『FIFA 19』においてはグローバルシリーズを展開しており、様々な形式の大会を開催中。2019年夏にはグランドファイナルとして『FIFA eWorld Cup』が開催される。

 オリンピックをはじめとしたスポーツ競技大会の正式種目としてeSportsが採用されるとの報道もあるなど、取り巻く環境はここ数年で急激に変化している。急速な進歩・拡大の状況を当事者はどうとらえているのか。『FIFA 19』グローバルシリーズ大会として、ルーマニアのブカレストで開催された『EA FUT Champions Cup』に参戦した、オーストラリアのプロスポーツ選手であるジェイミー・ドハーティさんにメールインタビューでお国事情を聞いた。

―――ご自身のキャリアなど、自己紹介からお願いします。

ジェイミー ジェイミー・ドハーティ、19歳です。現在はeSportsチームの『Team FUTWIZ』と『TRIVE』のライブストリーミングで、プロのメンバーとしてプレーしています。『FIFA 17』で2度、FUTチャンピオンズ・リージョナル・イベントに参加し、『FUTWIZ』と契約したのがキャリアのスタートです。

―――オーストラリアでのeSports市場規模はどのくらいでしょうか? プロチームの有無や競技人口、大会頻度や規模などがわかれば、教えてください。

ジェイミー オーストラリアでは、2018年にE-LEAGUE(AリーグのチームがそれぞれeSportsチームを持ち、総当たり戦が開催)がスタートして以来、絶え間なく成長しています。これまでは気軽にゲームをプレーしていた全国FIFAプレーヤーの多くが、もっと上手くなって、より高いレベルでプレーしたいと願っていると思います。 他国と比べれば、eSportsチームやサッカークラブと契約しているプレーヤーは多くないですが、今後E-LEAGUE が2シーズン目を迎え、他の大会も行われることなどで、各組織がより多くのプレーヤーの才能に投資してくれるようになると思います。

[写真]=Getty Images

―――ジェイミーさん自身は普段、どのような生活をしていて、その中でどの程度『FIFA』をプレーしていますか?

ジェイミー 毎日ライブストリーミング配信をしていて、大会があるときは1日おきぐらいの頻度で『FIFA』のトレーニングをします。ライブストリーミングは仕事の一部でもあるので、すべてを合わせると、かなりの時間でプレーしていることになりますが、同時に様々な人たちと交流もしています。ゲーム以外では住んでいるアデレードで、セミプロレベルでの“リアル”サッカーをしていますし、週末はよく友達と出かけたりしていますね。

―――『FIFA』に限らずオーストラリアでのeSportsの普及、認知度はどれくらいでしょうか?

ジェイミー オーストラリア国内での“eSports”は、新しいコンセプトだと思いますし、多くの人が完全に理解していないかもしれません。でも、注目を集めていますよ。僕のようにプロの職業として携わっている人間はかなり少ないケースですが、近い将来にはもっと浸透すると思います。

[写真]=Getty Images

―――eSportsを政府や地域の公的機関が支援する体制は整っていますか?

ジェイミー 私が知っている限りではないです。

―――国や大陸でプレースタイルの違いを実感したりはしますか?

ジェイミー 一概に「この国のプレーヤーはこのスタイル」と表現することは不可能ですが、地域によってのパターンは感じることがあります。例えば、ヨーロッパでは、多くの複雑なパスをして、確実にゴールを決めていくことで知られていると思いますが、他の地域では、ロングシュートやクロスボールから点を狙う可能性が高いように感じます。

―――一人のeSportsプレーヤーとして、今後、ゲーム業界はどのように進化してほしいですか?

ジェイミー オーストラリアのeSportsプレーヤーとして願うことは、インターネット回線の速度がもっと向上し、接続の問題がなくなることですね。これにより、世界的なイベントに参加する以外でも、毎日のように世界中にいる素晴らしいプレーヤーとオンラインで対戦することができるようになりますから。

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