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【レポート】最新テクノロジーがもたらすスマートスタジアム構想/鹿島アントラーズ×ソニー特別セミナー開催!

2017.11.10

 10月27日(金)、東京都八丁堀のFootball★Plazaで、サッカーキング・アカデミー鹿島アントラーズFC×ソニー 特別セミナー「観客を魅了するスタジアムソリューションとは」が開催され、学生やビジネスマンが約80名参加した。

 講師を務めるのは、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社 山本太郎氏と株式会社鹿島アントラーズFC 土倉幸司氏の2名。山本氏はサッカーが盛んな暁星中学・高等学校出身で、アメリカンフットボールや野球をプレーしてきた。

 海外でのセールスマーケティング経験を買われ、現在はソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社のスポーツセグメント部で活動中だ。所属する会社ではデジタル一眼カメラの“α”や放送業務機器、業務用のプロジェクターなどの製品・サービスの企画・設計・開発等、これに関連する事業を行っている。

 第1部を務めた山本氏は、「観客を魅了するスタジアムソリューション」というアジェンダの元、「スポーツにおけるソニーの提供価値」についてジョークを交えつつ語った。ソニーは地域密着型を目指しており、「ユーザーの皆様に感動をもたらし、人々の好奇心を刺激する会社であり続ける。これは社長の掲げるミッションでもあり、スポーツ分野でもこれを体現したい」と語る。このビジョンに共感している鹿島と協力して、世界基準のスタジアムを目指し、中でもサービス面に関しては顧客から「高い支持」を得ているようだ。

 ソニーが2011年に買収した“ホークアイ”も、現在のサッカー界で有効活用されている。ゴールラインテクノロジーやビデオ・アシスタント・レフェリーなどの技術が“ホークアイ”のサービスに該当する。「あくまでも審判を技術やサービスでありますが、ボールをトラッキングすることによって視聴者にわかりやすく、かつ新しい視点で試合の情報を伝えている」と、現在ではコーチングなどにも活かしされていると山本氏は語った。

 山本氏はサッカーだけではなく、様々なスポーツで自分たちの技術とサービスを広めていきたいと考えているようだ。「スポーツ界の横のつながりを強くしたい。そして様々なお客様に喜んでいただく。それが私たちの目指すべき場所です」と語った。

 第2部は鹿島アントラーズFC土倉氏から「クラブが目指すスマートスタジアム構想とデジタルインフラを活用した事業戦略」というテーマで講義を行われた。土倉氏は現在、鹿島のマーケティンググループで戦略とマーケティングを担当している。かつてソニーで商品開発に携わっていた土倉氏は、シンガポールとドイツでマーケティングのノウハウを学んだ。その後デロイトで経験を積んだ土倉氏は、Jリーグに入社し、現在は鹿島アントラーズのスマートスタジアム化を推進している。

 Jリーグ元年の今年、DAZNの介入によってスマートフォンやタブレットで試合が観られるようになった。「インターネットサービス事業者と有料放送権の主契約を締結したのは、世界の主要サッカーリーグで日本が初めての国になりました」と土倉氏は述べている。これを受けて鹿島はスマートスタジアム化を念頭に置いて戦略を立てたという。

 さらに、スマートスタジアム化を実現する上で、Wi-Fiの準備は必要不可欠であった。高密度なアクセスポイントを設置することで、お客様により快適にスタジアムでデジタルコンテンツを楽しんでもらえるように努めている。土倉氏は「ただ、これはプラットフォームができたにすぎません。サポーターの体験価値の向上、新アクティビティの開発。この2つを根底に据え、スタジアムの進化を考えています」と今後のスタジアムの活用についても語った。

 第3部ではトークディスカッションが行われ、ソニーからはスタジアム営業などを担当しているソニービジネスソリューション株式会社の富澤健一氏も登壇した。鹿島アントラーズとソニーはどちらも日本での活動だけでなく、世界でも通用する為の活動を行っている。土倉氏によると、鹿島アントラーズは世界で戦えるチームを目指し、「ニューヨークにオフィスを立ち上げ、欧州フットボール界との連携も図っている」という。ソニーでも「海外でも様々なソリューションを展開しているのでクライアント対し様々な提案ができるように努めています」と語った。

 富澤氏はカシマスタジアムを「テレビ中継制作やLEDを使った芝生の管理・育成」などを通じて世界を代表するスタジアムに成長させたいと考えているようだ。海外と日本のサッカーで共通している部分は「コンテンツを魅力的にする中継放送・映像技術の使用や、フェアな判定やリーグ・競技自体の質向上の為にホークアイサービスの活用している事等」が挙げられるが、「各国が取り組んでいるスタジアム造りや試合日以外の有効活用、周辺地域の活性化等」で違いが出てきているという。だから「今後に向けて、多岐の分野に渡ってソニーグループのプロデュース力を活かしたソリューション提供を総合的にご提供出来る様に取り組みたい。環境の変化に順応していきたい」という意欲が出てきている。

 講義終了後には懇親会も開かれた。山本氏や土倉氏への質問を行うほかにも、参加者同士で親睦を深め、積極的に情報交換を行っていた。

鹿島アントラーズFC:http://www.so-net.ne.jp/antlers/
・ソニービジネスソリューション株式会社:http://www.sonybsc.com/

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