『SUPER SOCCER』でMCを担当しているTBSアナウンサーの枡田絵理奈さん。スポーツだけでなく、バラエティや情報番組にも数多く登場し“看板アナウンサー”として多忙を極めるにも関わらず、スタジアムに欠かさず足を運ぶ枡田アナウンサー。今シーズンも現場で体感した数多くの取材を元に、Jリーグの魅力についてたっぷりと語ってくれました。

インタビュー=大倉 悠 写真=兼子愼一郎
――Jリーグもいよいよ終盤戦に突入しましたが、優勝争いはどうなると思いますか?
枡田絵理奈 横浜FMが少し抜け出した印象かな。でも僅差の状態は最終戦まで続きそうですね。今シーズンの優勝争いは、横浜FM、広島、浦和、鹿島という、名門クラブばかりが絡んでいるという印象です。そしてそこに、若いチームのC大阪が入ってきている。C大阪の試合は本当に見ててワクワクしますよね。選手たちも若いし、それぞれが試合を重ねるごとに成長している印象を受ける。絶対に面白い終盤戦になると思います。どのチームが優勝しても盛り上がるんじゃないかな。
――Jリーグ終盤戦はどういう部分に注目していますか?
枡田絵理奈 終盤戦になると、選手たちには一層“ギラギラ感”が出てくる(笑)。ちょっとのミスでも命取りになるような緊迫した試合が続いたり、少し無理をしてでも必死にボールを奪いに行くプレーが見られたり。白熱しているのが伝わってくるし、サポーターの熱気も増しますよね。同じ勝ち点3でも前半戦の時とは重みが違ってくるように思うんです。どうしても優勝争いに目が行きがちになりますが、もちろん残留争いも見逃せないですね。
それと個人的に注目しているのは、やっぱり横浜FMの中村俊輔選手。絶好調ですよね。今シーズンの頭にインタビューをさせていただいた時に「目標は初の2桁得点」と言っていたので、ゴール数から目が離せません。今シーズンは俊輔選手がリラックスした表情で冗談を言ったり、とにかく柔らかい雰囲気になった印象を受けるんです。後輩の選手たちのお話もよくされていて、名前を挙げて指摘をすることもあったり。頼れるキャプテンとして最後までチームをけん引すると思います。

――今シーズンここまでの中で、印象に残っている試合はありますか?
枡田絵理奈 どれだろう……沢山見ているので悩んでしまうんですが、やっぱりナビスコカップ準決勝第1戦の川崎vs浦和(9月7日)かな。0-2でリードを許していたのに、終盤に川崎が3点を奪って逆転した試合です。終了間際のラストワンプレーで中村憲剛選手がシュートを打って、それが惜しくも外れて、その直後にホイッスルが吹かれるという場面があったんです。たしかにそのシュートは入らなかったけれど、劇的な展開で勝利を収めた試合だったから、川崎の選手たちはみんなガッツポーズで喜んでいるのかと思ったら、憲剛選手だけはピッチに突っ伏して、芝生を叩いて悔しがっていて。その姿が印象的でした。今は逆転して勝ったことに喜ぶようなモチベーションのチームではなくて、「もっとできる」「もっと結果を出したい」と思っているんだなと。勝つことより、もう一段階上を目指しているんだなと強く感じました。
そして大宮vs広島(5月6日、第10節)も、現地で観戦していたので忘れられません。大宮のFW富山貴光選手と、広島GK増田卓也選手が交錯して救急車で搬送されてしまった試合。あの時はサッカー云々というよりも、“スポーツの意味”を考えさせられました。チームの垣根を越えて、両チームのサポーターがコールを送り合っている光景は感動的でしたね。あとは、大宮とC大阪の試合(8月10日、第20節)。ウルグアイ戦(8月14日)の日本代表に選出されて、代表合流前の最後の試合で柿谷曜一朗選手が2ゴールを挙げたんです。あの時のプレーは見ていて、鳥肌が立ちました。……こうやって話していると、思い出に残っている試合がありすぎて止まらないですね(笑)。

――取材を通して様々な選手にお話を聞かれていると思いますが、印象に残っているエピソードはありますか?
枡田絵理奈 憲剛選手にインタビューをした時に「今、日本で一番好調なのは(大久保)嘉人だ」と断言していて。「ボールを渡したら絶対に何かをやってくれる信頼があるし、期待感もある」と。「パスの出しがいがあるから、一緒にプレーしていて本当に楽しい」と言っていたのがすごく印象的でした。そして、その大久保選手も「これまでにないくらいコンディションが良いし、今までサッカーをやってきた中で一番楽しい」と。実際に試合を見ていても、楽しみながらプレーしていることが伝わってきますよね。
柏の澤昌克選手の表情も印象に残っていますね。澤選手がシーズン開幕前に負った左腓骨骨折のケガから復帰して、今シーズン初めてスタメンで出場した時(8月24日、第22節大宮戦)に取材に行っていたんですが、澤選手が1ゴール1アシストの活躍をしたんです。その喜びもあって、試合後は本当に“サッカー少年”のままの表情というか、目がキラキラと輝いていて。“サッカーができることの喜び”をひしひしと感じたと同時に、ケガをしていた間はどれだけ辛かったんだろう、と。その悔しさを考えると、今の活躍が本当にうれしいし、ベテラン選手たちの力によって、エースの工藤壮人選手もより一層生きてくるんだと思います。

――来年はいよいよブラジルワールドカップです。Jリーグの選手たちもますます気合が入りそうですね。
枡田絵理奈 チームの勝利だけでなく、Jリーグが自分の“アピールの場”として重要になっていく。よりレベルの高いリーグになっていくんじゃないかなと思います。最近の日本代表では海外組の選手たちと、柿谷選手や大迫勇也選手、工藤選手のようなJリーグ組との融合も見られますし、日本代表で得られるものはすごく大きいと思う。日本代表で色々なことを吸収して、チームに帰って来てから、それを還元するという素晴らしい流れがますます生まれていきそうですね。

世界のサッカー情報を幅広く紹介。海外リーグの試合をダイジェストで放送する他、選手インタビューや選手たちにスポットを当てたバラエティ企画なども放送している。クラブチームのオーナーとなり、トップリーグ制覇を目指すスマホゲーム『スーパーサッカー~ベストイレブン~』も好評配信中。