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【2006年 ドイツW杯】イタリアが4度目の栄冠も…“パーフェクト”な大会が迎えた衝撃の結末

2018.06.08

[写真]=FIFA/FIFA via Getty Images

 サッカー伝統国ドイツで開催された2006年大会は、運営、警備、設備のすべてが整った“完璧な大会”としてサッカーファンに記憶されている。盤石の大会運営に導かれるように、ピッチ上でも強豪国が順当に決勝トーナメントへ進出。下馬評の低さを覆して3位入賞を果たしたホスト国ドイツの健闘も大会の成功に一役買った。しかし、イタリアとフランスの顔合わせとなった決勝戦で“事件”が起こる。1ー1で迎えた延長後半5分、大会後の現役引退を表明していたジネディーヌ・ジダンがマルコ・マテラッツィに“頭突き”を見舞って一発退場……。ワールドカップ史を彩ってきた英雄の暴挙に世界中に衝撃が走った。試合はイタリアがPK戦の末に制し、6大会ぶり4度目の優勝。大会前に起きた「カルチョ・スキャンダル」の逆風を乗り越えての戴冠だった。

表彰

[写真]=FIFA/FIFA via Getty Images

◇優勝:イタリア
◇準優勝:フランス
◇3位:ドイツ
◇FIFAフェアプレー賞:ブラジル、スペイン
◇エンターテイニングチーム賞:ポルトガル

◇ゴールデンボール(MVP):ジネディーヌ・ジダン(フランス)
◇シルバーボール:ファビオ・カンナヴァーロ(イタリア)
◇ブロンズボール:アンドレア・ピルロ(イタリア)
◇ゴールデンシューズ(得点王):ミロスラフ・クローゼ(5得点/ドイツ)
◇シルバーブーツ:エルナン・クレスポ(3得点/アルゼンチン)
◇ブロンズブーツ:ロナウド(3得点/ブラジル)
◇ヤシン賞(最優秀GK):ジャンルイジ・ブッフォン(イタリア)
◇最優秀若手選手:ルーカス・ポドルスキ(ドイツ)

大会を彩った選手たち

ジネディーヌ・ジダン(フランス)

ジネディーヌ・ジダン

[写真]=FIFA/FIFA via Getty Images

大会後の引退を表明して挑んだW杯で鬼気迫るプレーを披露。エレガントなプレーの中に鋭さや力強さを同居させ、調子が上がらないチームを決勝へ導いた。決勝ではPKで先制点を挙げたものの、マルコ・マテラッツィへの“頭突き”で退場……。誰も予想しなかった形で選手生活に別れを告げた。

ファビオ・カンナヴァーロ(イタリア)

[写真]=FIFA/FIFA via Getty Images

キャプテンとして、守備の要としてチームを統率し、イタリアならではの堅守を体現。記念すべき代表100キャップ目となったフランスとの決勝ではティエリ・アンリとのマッチアップをことごとく制し、母国に4度目の世界制覇をもたらした。DFながらこの年にバロンドールを受賞している。

ジャンルイジ・ブッフォン(イタリア)

[写真]=FIFA/FIFA via Getty Images

決勝までの7試合で許した失点は味方のOGとジダンのPKによる2点のみ。的確なポジショニングと高いセーブ技術で決定的なシュートをことごとくブロックし、イタリアを頂点まで押し上げた。大会当時、“世界最高のGK”は間違いなくブッフォンだった。

ルーカス・ポドルスキ(ドイツ)

[写真]=FIFA/FIFA via Getty Images

大会得点王に輝いたミロスラフ・クローゼと2トップを組み、決して前評判が高くなかった開催国の攻撃を力強くけん引。当時21歳、初のW杯出場で3ゴールの活躍を見せ、クリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシを抑えて大会最優秀若手選手に選出された。

マキシ・ロドリゲス(アルゼンチン)

[写真]=FIFA/FIFA via Getty Images

出場国の中で「最も美しいチーム」との呼び声も高かったアルゼンチンの攻撃陣にあって、鋭い飛び出しとパワフルなシュートを武器に攻撃にアクセントを加えた。決勝トーナメント1回戦のメキシコ戦で決めた胸トラップからの強烈なボレーシュートは大会ベストゴールに選出された。

マニシェ(ポルトガル)

[写真]=FIFA/FIFA via Getty Images

所属クラブのチェルシーで出場機会に恵まれなかった鬱憤を晴らすかのように、どの試合もエネルギー全開でピッチを躍動した。豊富な運動量でタレント揃いのアタッカー陣をサポートしつつ、自らもチーム最多の2得点をマーク。ポルトガルにベスト4という好成績をもたらした。

アンドリー・シェフチェンコ(ウクライナ)

[写真]=FIFA/FIFA via Getty Images

ミランで数々の成功を収めてきた「2004年のバロンドール受賞者」が満を持して世界デビュー。グループステージで2ゴールを挙げ、初出場のウクライナをベスト8進出に導いた。ケガの影響で決して本調子ではなかったものの、祖国のために懸命に戦う姿はサポーターの心を打った。

日本代表

 中村俊輔、中田英寿、小野伸二、稲本潤一ら中盤にタレントを擁し、日韓W杯杯に続く躍進に大きな期待が集まっていた。第1戦のオーストラリア戦は中村のゴールで先制するも、終了間際に3失点。痛恨の逆転負けを喫した。続くクロアチア戦は決め手を欠きスコアレスドロー。勝利が求められる第3戦のブラジル戦では、玉田圭司のゴールで先手を取るも、この得点で“サッカー王国”を目覚めさせてしまった。ロナウドの2得点などで終わってみれば1-4と大敗し、1勝も収めることができずにグループステージ敗退。大会終了後には当時29歳の中田が電撃引退を発表した。

第1戦 オーストラリア

[写真]=FIFA/FIFA via Getty Images

【スコア】
日本 1-3 オーストラリア

【得点者】
1-0 26分 中村俊輔(日本)
1-1 84分 ティム・ケーヒル(オーストラリア)
1-2 89分 ティム・ケーヒル(オーストラリア)
1-3 90+2分 ジョン・アロイージ(オーストラリア)

【スタメン】
GK23川口能活 DF19坪井慶介(56分 DF2茂庭照幸)(90+1分 FW16大黒将志) DF5宮本恒靖 DF22中澤佑二 DF3駒野友一 MF7中田英寿MF15福西崇史 MF14三都主アレサンドロ MF10中村俊輔 FW9高原直泰 FW13柳沢敦(56分 MF18小野伸二)

第2戦 クロアチア

[写真]=FIFA/FIFA via Getty Images

【スコア】
日本 0-0 クロアチア

【スタメン】
GK23川口能活 DF21加地亮 DF22中澤佑二 DF5宮本恒靖 MF14三都主アレサンドロ MF7中田英寿 MF15福西崇史(46分 MF17稲本潤一) MF10中村俊輔 MF8小笠原満男 FW9高原直泰(85分 FW16大黒将志) FW13柳沢敦(61分 FW20玉田圭司)

第3戦 ブラジル

[写真]=FIFA/FIFA via Getty Images

【スコア】
日本 1-4 ブラジル

【得点者】
1-0 34分 玉田圭司(日本)
1-1 45+1分 ロナウド(ブラジル)
1-2 53分 ジュニーニョ・ペルナンブカーノ(ブラジル)
1-3 59分 ジウベルト・シウバ(ブラジル)
1-4 81分 ロナウド(ブラジル)

【スタメン】
GK23川口能活 DF21加地亮 DF22中澤佑二 DF5宮本恒靖 MF14三都主アレサンドロ MF7中田英寿 MF17稲本潤一 MF10中村俊輔 MF8小笠原満男(56分 DF6中田浩二) FW11巻誠一郎(60分 FW9高原直泰)(66分 FW16大黒将志) FW20玉田圭司

ドイツW杯 全結果

[写真]=FIFA/FIFA via Getty Images

GROUP A
1位 ドイツ(勝ち点9/得失点差+6)
2位 エクアドル(勝ち点6/得失点差+2)
3位 ポーランド(勝ち点3/得失点差-2)
4位 コスタリカ(勝ち点0/得失点差-6)

ドイツ 4-2 コスタリカ
ポーランド 0-2 エクアドル
ドイツ 1-0 ポーランド
エクアドル 3-0 コスタリカ
エクアドル 0-3 ドイツ
コスタリカ 1-2 ポーランド

GROUP B
1位 イングランド(勝ち点7/得失点差+3)
2位 スウェーデン(勝ち点5/得失点差+1)
3位 パラグアイ(勝ち点3/得失点差0)
4位 トリニダード・トバゴ(勝ち点1/得失点差-4)

イングランド 1-0 パラグアイ
トリニダード・トバゴ 0-0 スウェーデン
イングランド 2-0 トリニダード・トバゴ
スウェーデン 1-0 パラグアイ
スウェーデン 2-2 イングランド
パラグアイ 2-0 トリニダード・トバゴ

GROUP C
1位 アルゼンチン(勝ち点7/得失点差+7)
2位 オランダ(勝ち点7/得失点差+2)
3位 コートジボワール(勝ち点3/得失点差-1)
4位 セルビア・モンテネグロ(勝ち点0/得失点差-8)

アルゼンチン 2-1 コートジボワール
セルビア・モンテネグロ 0-1 オランダ
アルゼンチン 6-0 セルビア・モンテネグロ
オランダ 2-1 コートジボワール
オランダ 0-0 アルゼンチン
コートジボワール 3-2 セルビア・モンテネグロ

GROUP D
1位 ポルトガル(勝ち点9/得失点差+4)
2位 メキシコ(勝ち点4/得失点差+1)
3位 アンゴラ(勝ち点2/得失点差-1)
4位 イラン(勝ち点1/得失点差-4)

メキシコ 3-1 イラン
アンゴラ 0-1 ポルトガル
メキシコ 0-0 アンゴラ
ポルトガル 2-0 イラン
ポルトガル 2-1 メキシコ
イラン 1-1 アンゴラ

GROUP E
1位 イタリア(勝ち点7/得失点差+4)
2位 ガーナ(勝ち点6/得失点差+1)
3位 チェコ(勝ち点3/得失点差-1)
4位 アメリカ(勝ち点1/得失点差-4)

アメリカ 0-3 チェコ
イタリア 2-0 ガーナ
チェコ 0-2 ガーナ
イタリア 1-1 アメリカ
チェコ 0-2 イタリア
ガーナ 2-1 アメリカ

GROUP F
1位 ブラジル(勝ち点9/得失点差+6)
2位 オーストラリア(勝ち点4/得失点差0)
3位 クロアチア(勝ち点2/得失点差-1)
4位 日本(勝ち点1/得失点差-5)

オーストラリア 3-1 日本
ブラジル 1-0 クロアチア
クロアチア 0-0 日本
ブラジル 2-0 オーストラリア
日本 1-4 ブラジル
クロアチア 2-2 オーストラリア

GROUP G
1位 スイス(勝ち点7/得失点差+4)
2位 フランス(勝ち点5/得失点差+2)
3位 韓国(勝ち点4/得失点差-1)
4位 トーゴ(勝ち点0/得失点差-5)

韓国 2-1 トーゴ
フランス 0-0 スイス
フランス 1-1 韓国
トーゴ 0-2 スイス
トーゴ 0-2 フランス
スイス 2-0 韓国

GROUP H
1位 スペイン(勝ち点9/得失点差+7)
2位 ウクライナ(勝ち点6/得失点差+1)
3位 チュニジア(勝ち点1/得失点差-3)
4位 サウジアラビア(勝ち点1/得失点差-5)

スペイン 4-0 ウクライナ
チュニジア 2-2 サウジアラビア
サウジアラビア 0-4 ウクライナ
スペイン 3-1 チュニジア
サウジアラビア 0-1 スペイン
ウクライナ 1-0 チュニジア

決勝トーナメント1回戦
ドイツ 2-0 スウェーデン
アルゼンチン 2-1 メキシコ
イングランド 1-0 エクアドル
ポルトガル 1-0 オランダ
イタリア 1-0 オーストラリア
スイス 0-0(PK 0-3)ウクライナ
ブラジル 3-0 ガーナ
スペイン 1-3 フランス

準々決勝
ドイツ 1-1 アルゼンチン
イタリア 3-0 ウクライナ
イングランド 0-0(PK 1-3)ポルトガル
ブラジル 0-1 フランス

準決勝
ドイツ 0-2 イタリア
ポルトガル 0-1 フランス

3位決定戦
ドイツ 3-1 ポルトガル

決勝
イタリア 1-1(PK 5-3)フランス

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By サッカーキング編集部

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