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インハイ決めた京都橘、“熱さ抜群DF”林大樹に敵将も脱帽

2014.06.09

京都橘の林大樹【写真】=川端暁彦

 6月8日に行われた高校総体京都府予選決勝に勝ち残ったのは、京都橘高校と立命館宇治高校。共に夏より冬に強い傾向のあるチーム同士の激突を制したのは、京都橘だった。10分に1年生FW岩崎悠人のパスを受けたMF大野拳弥が豪快に右足を振り抜いたシュートを決めて先制点を奪うと、1-0のスコアをタフな守りで維持。7年ぶり2度目となる総体出場を決めた。

「相手の良さの50%は消せた」と立命館宇治・梁相弘(ヤン・サンホン)監督が語ったように、この試合で京都橘の攻撃陣は先制点以降沈黙を余儀なくされていた。崩せていないというわけではないが、決定打は繰り出せない。我慢の展開となる中で、光ったのは京都橘守備陣の完成度の高さだった。

 その中心にいたのは、DF林大樹。準優勝した2年前の高校サッカー選手権で1年生ながらレギュラーを張っていたストッパーは、今年は主将としてチームを束ねる立場にある。ただ、選手権での負傷が癒えなかった今季は“林不在”で戦いを強いられた。高円宮杯プレミアリーグWESTでは、この主将を欠く中で5戦5敗という屈辱的なスタートを強いられた。総体予選からようやく先発復帰を果たした彼の存在は、「精神的な面で大きかった」(米澤一成監督)。

「上手い選手ではないが、声を出せるし、派手に飛び込んでブロックしてみせて、チームメートに“伝える”ことができる。彼がいる影響は大きい」と指揮官に評されるように、熱さ抜群の主将は声とプレーの双方でチームメートにメッセージを送ることのできる選手である。戦術的にも沈着な対応ができる選手で、この日は立命館宇治のロングボールに対して「早く(ラインを)下げることを意識して、うまく弾き返せたと思う」と語ったように、巧みな対応で高さの主導権を譲らなかった。これには立命館宇治の梁監督も「相手のCBは跳ね返すところが上手かった」と脱帽の様子だった。

 これで総体への出場権は確保した。「総体で戦いたい相手はどこか?」。そんな質問を投げかけると、返って来た答えは「やっぱり、鵬翔」。2年前の冬に選手権決勝で敗れた宮崎の雄にリベンジを果たし、最終的には頂点を狙う。

文=川端暁彦

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