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アグエロ「相手の最終ラインの裏側にパスを出してくれたら、いい仕事をする自信はあるよ」

2013.03.04

ワールドサッカーキング』2005年1103号(No.175)より一部再掲
インタビュー・ライブラリー」では、過去にワールドサッカーキングやカルチョ2002などで掲載した選手や監督のインタビューを改めて紹介。懐かしい写真とともに、お楽しみ下さい。
アグエロ

セレクションに落ちたのはポジションの問題も大きかった。僕は守備的MFやDFをやらされたんだ

まず、サッカーを始めた時のことから聞かせてくれるかい?

アグエロ そんなの、はっきりとは覚えていないよ。相当小さい頃だったのは確かだけどね。父が町のチームでプレーしていて、僕はいつも父に連れられてグラウンドに通っていた。5歳の時にはもう試合にも出ていたんだ。もちろん子供のリーグだけど。

それからインデペンディエンテの下部組織に入ったんだね。

アグエロ いや、最初はラヌースのセレクションを受けた。1週間、ラヌースの練習に参加したんだけど、結局は「体が小さい」と言われて落とされちゃったのさ。その直後に、僕を受け入れてくれたのがインデペンディエンテだったんだ。

君を落とすなんて、ラヌースはもったいないことをしたね(笑)。

アグエロ まあ、セレクションに落ちたのはポジションの問題も大きかったと思うよ。あの時、僕は守備的MFやDFをやらされたんだ。これには納得いかなかった。僕の持ち味は攻撃センスなのにさ。セレクションに落ちた時はショックだったけど、その後、父の友人でインデペンディエンテの番記者をしていたエドゥアルド・ゴンサーレスが、インデペンディエンテを紹介してくれたんだよ。

なるほどね。そして、それから今までは順調そのものだ。

アグエロ うん。インデペンディエンテは“プレノベーナ”(13歳のカテゴリー)と“ノベーナ”(14歳のカテゴリー)でキャプテンを務めて、全国大会で優勝した。そして“オクターバ”(15歳のカテゴリー)にいた時に、トップチームに引き上げられたんだ。今はまだ毎試合出場というわけにはいかないけど、トップチームでのデビューを果たしたし、本物のプロ選手たちと一緒に練習させてもらっているよ。

トップチームはどうだい?君自身の意識に何か変化があった?

アグエロ もちろん。プロ選手の義務っていうか、とにかく全員が真剣にプレーしている感じがする。チーム全体に緊張感が溢れているっていうのかな。だから、僕みたいな若造は相手にされないんじゃないかと心配だったけど、幸運なことに僕はすぐにチームに受け入れられた。経験豊富な先輩たちが常にアドバイスをくれるんだから、すごく恵まれていると思うよ。周囲の意見は出来るだけ菊陽にしているんだ。

ただ、彼らは君の先輩であると同時にポジションを争うライバルでもあるよね。その点はどう思う?

アグエロ そりゃ、練習は真剣そのものさ。相手が若いからって甘やかしたりはしない。誰だってレギュラーポジションを明け渡そうなんて思わないからね。当然、練習では毎回厳しくマークされているよ。実際の試合より厳しいくらいさ(笑)。まあ、それがプロの世界なんだろうね。

フィジカルの強さには自信を持っている。瞬間的なスピードでも他の選手には負ける気がしないな

君はすでにインデペンディエンテの背番号10を着けているけど、君にとって10番はどんな意味を持つのかな?

アグエロ 大好きな番号だよ。10番を着けたからと言って余計なプレッシャーを感じることもないし。何しろ、子供の時からいつも10番だったからね。下部組織でプレーしていた時も、僕はずっと10番でキャプテンだったんだ。緊張するどころか、背中に10番がないと落ち着かないくらいだよ。

君はテクニックに定評があるけど、いったいどこでそんなテクニックを身に付けたんだい?

アグエロ 僕は、テクニックはほとんど生まれつきのものだと思っている。プロになれるほどの選手は、全員が生まれついての才能を持っているんじゃないかな。問題は、その生まれ持った才能にどこまで磨きを掛けられるかってこと。自分の持つ能力を高めるには、練習を重ねるしかないんだ。

子供の時から、そうやって意識してテクニックを磨いていたのかい?

アグエロ まあ、僕の場合は熱心な父親がいたからね。4歳のときにはもう、正確にゴールに蹴り込むことが出来たし、ヘディングも出来た。ボールリフティングもかなりの回数は出来た。すべて父親のおかげなんだ。

君自身が「これだけは他の選手に負けない」と思っていることは?

アグエロ そうだな……フィジカルの強さには自信を持っている。それに、瞬間的なスピードでも他の選手には負ける気がしないな。相手の最終ラインの裏側にパスを出してくれたら、いい仕事をする自信はあるよ。

逆に、君に欠けている部分は?

アグエロ 技術的に言えば、左足かな。左足でもっと正確に蹴れるようになりたいんだ。以前に比べるとかなり正確になったし、パワーも付いてきたけど、まだまだ物足りないね。理想は、右足で蹴る時と全く同じ感覚で蹴りたいんだけど……。

話は変わるけど、君のニックネームは“KUN”(クン)というんだね。日本のアニメから付けられたと聞いているけど、本当?

アグエロ そうだよ。よく覚えてないんだけど、4歳とか5歳の時の話なんだ。テレビで日本のアニメがたくさん流れていて、僕は『KUN-KUN』(編集部注:『KUM-KUM』のこと。日本で75年~76年に放送された『わんぱく大昔クムクム』の海外版)というアニメに夢中だった。毎日、僕はそのアニメにほとんどかじり付きだったんだって(笑)。それを見ていた父の友人が、僕のことを“KUN”と呼んだのがきっかけさ。その後、みんなが僕をそう呼ぶようになったんだ。

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